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横浜スケッチ(第31回) 1枚の絵

by staff on 2017/11/10, 金曜日

ペンネーム 成見 淳

偶然耳にした曲がずっと心の中で抱えていたわだかまりを吹き飛ばしたり、それまでの人生観までも変えてしまったりすることがあるように、偶然出会ったたった1枚の絵が新たな行動を起こすきっかけになることがあるようです。

私が絵を描くようになったのは1990年11月21日、横浜美術館でルノアールの「少女(イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢)」に再会した事がきっかけでした。
すぐに通販で油彩セットを買い、絵の事は何も知らないまま庭からいきなり自宅を4Bの鉛筆で描き始め、油で溶いた絵具を塗ったら、鉛筆の粉が一緒に溶けだしてキャンバスが真っ黒になった事からスタートしました。27年前のことです。(詳しくは私のホームページの「エッセイ・雑記帳」に。)
今回あらためて調べると絵のモデルとなった少女は当時8歳。1880年との事でした。彼女自身は91歳まで生きたそうですが、第2次大戦中に元の夫と二人の娘はホロコーストの犠牲となった事、ナチスの手に渡ったこの絵を戦後自分の手に取り戻した事を初めて知りました。この記事を書かなければ永久に知らなかったと思います。

今月の横浜スケッチはスペインの画家の絵と出会った事が南仏へのスケッチツアー参加、そして途中でツアーを離れて画家のアトリエを訪れる事になる(予定の)お話しです。

 

2017年7月29日、たまたま入った横浜そごう6階のギャラリーでスペインのカタル―ニア州、ピレネー山脈麓(ふもと)に住む画家の風景画に出合い、村の景色の素晴らしさとリーズナブルな価格に魅かれ衝動買いをしてしまった。画商の女性専務の人の絵心を見事に動かす言葉のお陰もあって。
画家の名はフェルミン・コロメール・ヴァリス。三代続く画家の家系。
絵は全部で35点。描かれたピレネー山脈の麓の風景はため息が出るほどだったので「こんな所でスケッチをしてみたいですね。いや行って見ようかな?この絵を持って。会ってくれるかな?スペインのどのあたりですか?」と専務に質問を投げかけていた。
彼女は画家や彼の住む村に関する資料をくれて「日本から会いに行かれたらきっと喜ばれますよ。バルセロナかジローナからバスで行けます。ピレネー山脈の麓ですから水が豊富で、またちょっと違うスペインの光景です。」と教えてくれた。こうなるとどんどん想像が膨らんでますます行きたくなった。
もう一度あの景色を見たくて二日後に再度訪れたら今度は油絵を勧められたがさすがにそれは諦めた。

そんな折、9月12日の先生のブログにフランス南端ピレネー山脈のスケッチ旅行募集の記事が目に止まった。ツアーの事は知っていはたがどこへ行くかまでは分からなったし、すぐに満員になるので行きたいけど無理だろうと思っていたが、ピレネー山脈という文字でいきなりスイッチが入った。
何とか延泊してピレネー山脈の反対側の画家の住む村に行く手立てはないものかと必死に調べ始めた。当然の如く最初に飛行機での移動を考えたが、意外にも時間がかかってしまう。なぜならトゥルーズ空港からバルセロナ空港までは直行便が少なく、パリ経由とかアムステルダム経由になってしまうから。
そこでグーグルマップで調べ直すと車なら3時間、列車とバスかレンタカーでも行けそうだと分かった。

そこまで調べて、翌13日朝一番で旅行者に電話で申し込んだ所「定員まで4名余裕はありますが、個室希望の方が多くホテルの空部屋が確保出来るかどうかの返事待ちになります。」とのことだった。19日に空室確保の連絡があり、二泊三日で忍野に来ていた26日に帰りの航空機が決まってツアー参加&延泊でスペイン行きが決まった。
ところで画家のアトリエの正確な場所はいったいどこなのかを把握していないことに気が付いて、YahooやGoogle、Facebookなどを検索し見つけることが出来た。
フランスからピレネー山脈越えでレンタカーを利用するのが一番速いが、レンタカー事務所の所在地や値段(70歳以上は割高となるのは想定外だった。)なども調べたが、初めての土地で山越え国境越えは厳しそうなので、結局ピレネー山脈を迂回し列車で地中海に出てジローナかバルセロナから行くことにした。でもそこからのバスの便が分からない。
そこで、画商のK女史にメールと電話で報告がてら連絡すると「現地のスタッフに連絡して調べてもらいます。」ということになった。「コロメールさんにお渡しするものがあったらお届けしますよ。」と言うと「その前に私たちもスペインに行きます。」との事なのでさらに心強い。

Fermin Colomer Valis

と、こんな訳でこの水彩画のお陰で南仏のスケッチ旅行と、ピレネー山脈を挟んでスペイン北東部の村の画家のアトリエ訪問が実現可能になって来た。

でも画家にお会いしたところで何もしゃべれないのでは意味がない。昔ほんの少しかじったスペイン語を思い出すべく、なるべく短期間で会話が出来るようにと基礎的な本を購入し取り組み始める。
購入した本は英語とスペイン語を同時に学べるようになっていて、スペイン語に詰まった時は何とか英語で意思疎通が図れると思うとやや気が楽になる。
スペイン語は母音が日本人向きで、英語よりも聞き取り易い代わりに動詞活用が複雑で覚えにくいが、目的はあくまで画家や出会った人との会話と意思疎通をはかること。それ以上難しいことは望まない。
このところバルセロナを含むカタル―ニア州は独立問題の真ただ中なのが気がかりだが、こればかりはなるようにしかならない。訪問までには8か月以上あるので何とか収まって欲しいと願うばかり。
それにしてもスコットランドと言い、カタル―ニアと言い、なぜ自分がハマる所は独立運動に縁があるのだろうか?

 

さて、この「横浜スケッチ」も今回で31回目となりました。新しい先生のもとご指導をいただくことになったのを機に、基本に立ち返ってゼロから学び直そうと決め、作品よりも練習、訓練に重きを置いています。そのため月間作品数が2~3枚と極端に少なくなり、満足できる作品となるとさらに少なく、なかなか文章に合った絵をアップすることが難しくなりました。
そこで、いろいろ自問自答した結果「横浜スケッチ」をしばらくお休みさせていただくことにしました。
これは新しい技術習得に集中するための一時的なもので、必ずパワーアップして再開します。
目途としては来年の6月号か7月号頃でしょうか。その間の作品につきましてはFacebook成見(大澤)淳」にUPします。
ここまで未熟な絵にもかかわらずお付き合いいただきありがとうございました。

数少ない作品から2点を。

「田園風景駅」 2017年10月24日

「京都南禅寺あたり」 2017年10月26日

筆者紹介

Jun Ohsawa 大澤 淳さん  
お名前 Jun Ohsawa 大澤 淳
E-mail j-narumi@ug.netyou.jp
URL http://home.netyou.jp/kk/ohsawa/
成年月日 1967年1月15日成人式。おひつじ座。いわゆる団塊の世代。誕生日はもっと前。
年齢 その年の西暦 - 1947(3月25日以降)
生息地 横浜市鶴見区に70年弱在住。いわゆる浜っ子。
血液型 いわゆる典型的なAB型
性格 内気、控えめ(だが信念は曲げない)、人前に出るのを極度に嫌う・・・だったが、 最近は少しずつ変わって来た。これもネット化のおかげかな。
割りと簡単に物事をはじめてしまう。(衝動的、意思決定が速い、好奇心が強い)。
忘れやすい。(最近特に)
趣味 ◎絵画:(主に水彩画)初めは油彩だったが10年近く休止していた。ヨコハマNOWのお陰で、2015年より主に水彩画を中心に絵画を再開した。
◎文章を書くこと(エッセイ、旅行記など)。
◎放浪の旅:国外国内を問わず、スケッチポイントを求めて心の洗濯に。(すぐに汚れやすいので。)
〇ゴルフ:1979年にホールインワンをしたことも。42年間通った神奈川県津久井湖ゴルフ倶楽部を2016年12月に退会。ハンディキャップは全盛期13だったが。
〇2015年急に作曲を始めたが半年もたたずに現在休止状態。
●フォルクローレ(アンデス音楽):ケーナ、サンポーニャ等も演奏したが、今はたまに聴くだけ。フォルクローレ(アンデス音楽、ケーナ、サンポーニャ演奏・・・だったが、今は極たまに聴くだけ。

 

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