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創業大正10年 横浜の老舗、西木金物店の西木賢一さん

by staff on 2018/5/10, 木曜日

 

創業大正10年 横浜の老舗、西木金物店の西木賢一さん
西木金物店
西木賢一さん
 
お名前 西木 賢一 (にしき けんいち)
お生まれ 1980年生まれ
お住まい 横浜元町生まれの元町育ち
お仕事 西木金物店 3.5代目(まだ継いでおりません)
HP http://www.nishiki-yh.jp/

 

ご実家は老舗ということですが・・・

「西木金物店」は、創業大正10年(1921年)『頃』から横浜元町で、現在は川向こうの山下町で三代続いている金物店です。

ひいおじいちゃんが、大正12年(1923年)の関東大震災後に商売を頑張って、お店の礎を作ってくれました。昭和10年代の電話帳に「西木金物店」が掲載されています。横浜元町では、うちのように1つの商売を続けているお店はそんなにないと言われております。

設立当時の取引相手は元町の家具屋さん、木工所さんでした。現在は室内装飾、建築、インテリア、家具、ステンレス製作金物などを中心に扱っています。取引相手もリフォーム屋さんや建築屋さんになってきました。当店でリフォーム工事を受注することもあります。

幼少の頃はどのような少年でしたか・・・

小・中・高校とも公立でした。元街小学校は山手町にあって、華僑や台湾・中国福建省・香港出身の子供たちがいて国際色豊かでした。子供同士でケンカもよくしましたが、楽しかったですよ。

私は、小学校1年生から6年生まで、元町の町内会館の2階で剣道をやっていました。小学校5年の時から野球を始めました。ポジションは、キャッチャーとピッチャーです。子供の頃は、ポジションはどこでもやっていましたよ。

港中学校では部活で野球を選びました。本牧の野球チームに所属したこともあります。まさに野球少年でした。

公立高で野球が強いところということで選んだのが、横浜市立横浜商業高等学校、Y校です。Y校ではまず硬式野球部に入って、それから軟式野球部に転部しました。軟式野球部は先輩が抜けて6人しかいなくて、なんとか試合できるようにと奔走して仲間を集めました。野球漬けの毎日で野球が青春でした。

そのときからこれまでずっと野球は続けています。

お店に関わるようになったのはどうしてですか・・・

Y校卒業後、進学も就職もしませんでした。何もすることがない日々でした。いわゆるプー太郎、ニートですね。

何もすることがないというのは不安ですよ。自分はどこで働いていると言えないので、どこにも出ていけない、人と会うのが面倒くさ
かったです。今思えば、つらい毎日でした。

1年ほどしてようやくお店を手伝おうという気持ちになりました。

元々は、明るい性格で人と話すのが好きだったので、接客も苦ではありませんでした。お店の仕事も真面目にしていました。

5年経って在庫管理を任せられるになった頃、2003年9月から、知り合いの消防設備会社に出向しました。同世代の人たちと働くのが初めてで大丈夫かと思いましたが、一生懸命働いたことが認められ、これで自分に自信が持てるようになりました。

2004年5月から2か月間、単身でアメリカをバックパッカーで巡りました。17日がバス移動の車中泊で、メジャーリーグを23球場で40試合見ました。イチローや松井の雄姿を見ることができたのがいい思い出です。アメリカでは日本の教育水準の高さはマナーの良さなど、日本人の素晴らしさを改めて認識しました。アメリカでの体験から、自分はやろうと思ったことは実現していくタイプなのだと認識させられました。

地域(横浜元町地区)活動のきっかけは・・・

2005年の終わりごろ25歳のときに、仲間に誘われて元町SS会の若手の集まりに参加するようになり、毎月の定例会で仲間を作っていきました。今、いろんな場所で振る舞えるのもあの時期があったからで、先輩達に育てていただいたと感謝しています。

10代前半から20代前半までは地域の人も苦手で行事にも参加しませんでしたが、毎年8月の第一週に開催されている厳島神社のお祭りで、町の人がお神輿を担ぐ人がいなくて、出来るだけ先頭にたって担ぐようになりました。消防団に入ってからはむしろ祭りを支えていく側になりました。

東日本大震災の日、東京ビックサイトでの展示会に向かっていた私は、東京都内から横浜本牧の自宅まで歩きながら「すぐ帰れるところで仕事をしないと」と思いました。歩いて帰りながら、通勤時間がない自分は人の通勤時間くらい本業以外の事をやってもバチは当たらない、通勤時間とは言わないまでも週に数時間、地域活動を行うようになりました。

2012年10月31日に西木金物店が元町を離れる(堀川の向こう岸へ移転)ことを契機に、元町のためになにかやりたいという気持ちから、加賀町消防団第三分団に入って6年目になります。第三分団は30人程度 20歳から70歳までの団員で構成されています。平均年齢は60歳程度で30代は若い方ですね。元町内には緊急車両が入って行きにくい区域があります。火災が起きたときに消防団は消火栓のマンホールを開けホースを延ばし、初期消火活動を行います。

消防団の他には、「元町河岸通り会」 「元町クラフトマンシップ・ストリート」などの地域活動に参画しています。毎年10月にクラフトマンシップ・ストリートで開催されるフードフェアの実行委員(?)を勝ってでています。どの団体でも皆が力を発揮できる環境づくりが自分の役割だと自覚しています。

元町河岸通り会
https://www.facebook.com/yokohamamotomachiriverside/

元町クラフトマンシップ・ストリート
http://www.motomachi-cs.com/index.html

横浜の若手を中心に結成された「濱橋会」では理事を拝命しています。「濱橋会」は、人と人を結ぶ橋、街と街を結ぶ架け橋として横浜の歴史を後生に伝えていくというコンセプトの下、皆さんが頑張っています。私も生まれた町の方々、その隣町の方々という具合に繋がってきたので、「濱橋会」の理念に共鳴しています。今年11月に実施される「横浜運河パレード」など、大きなプロジェクトの主要メンバーとして頑張っていますよ。(笑)

NPO法人「Hama Bridge 濱橋会」
https://hamabridge.jimdo.com/

2017年12月24日には 、「濱橋会」と「元町河岸通り会」が連携した、光のイベント「元町・代官橋 クリスマスマッピング」を企画・実施しました。新聞取材に「暗い首都高の高架下をなんとかしようと、人と人、町と町をつないできた濱橋会と地域の団体が連携して、プロジェクション・マッピングを実施することにした。」と話しています。

“人と人を結ぶ” のが自分の宿命だと思っています。最近は頼られることが多いですね。いろいろなところに顔を出して、多くの人と話をするようにしているので平均して週に4、5人くらいは初めての方にお会いしています。この4年で1000人くらいになります。

私は自分が特別なことをしてるとは考えていませんよ。 その地で生きていれば、できる限り自分と周囲の人達の利益になることをすべきだなと考えているだけです。

本業もご発展だとか・・・

もちろん、本業も頑張っていますよ。「継ぐ」というのは継ぐもの(資産)がある場合の話です。(笑) 私の場合は、「続ける」ということだと考えています。

金物店という名称ですが、業態を変えています。リフォーム工事の受注も増えてきました。これからは建築業にも進出しようと思います。

“頼まれごと” を商売にできるかどうかで、経営者としての手腕が問われます。経営者としての目標は、会社を成長させて、他社に勤務している弟たちを呼び戻して、一緒にビジネスをすることですかね。本人達がどう思うかはわかりませんが。

私の辞書には、「あきらめる」という言葉はありません。何事にもあきらめずにぶつかっていきたいと考えています。これは元町の大先輩の受け売りですが、想いが同じ仲間が3人集まれば、物事を作っていけると信じています。

西木さんにとって横浜は・・・

さあなんでしょう・・・
横浜は新しいものがどんどん入ってきた土地なのに、現在はあらゆる分野で、東京の「二番煎じ」に甘んじています。私は、仕事でも地域活動でも・・・横浜でしかできないことをやるべきだなと考えています!!

自分たちが “横浜らしさ” を創っていきたい。
横浜が自分のベースなのだから・・・

自らの手で、横浜は何なのかの答えをだしていきたいと考えています。

<取材を終えて>

生まれ育った横浜元町のためにと、消防団に自ら入団して日々精進している西木さん。通勤時間がない自分は人の通勤時間くらい本業以外の事をやってもバチは当たらない・・と地域活動にまい進する西木さん。 「今どきの若いもんは・・」とつい言いたくなりますが、西木さんの頑張りを見ていると若いもんでも気骨のある人はいるんだな。。。と感心してしまいます。これからの西木さんの益々の活躍を期待しています。

(インタビュー:渡邊 桃伯子)

 

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