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753(ななごーさん)プロジェクトで発酵食品をテーマにした「菌カフェ753」やマルシェ「大753市」を運営する大谷浩之介さん

by staff on 2018/7/10, 火曜日

 

大谷浩之介さん
大谷浩之介さん
 
お名前 大谷 浩之介 (おおたに こうのすけ)
お生まれ 40代に突入したばかり
お住まい 横浜市緑区在住
シェアハウスに同居人と一緒に住む
趣味 茶道 映画鑑賞 サイクリング など
HP http://cafe753.wixsite.com/753cafe

 

どのような少年時代?

東京都目黒区の桜並木がある住宅地で育ちました。自然が大好きで公園で木登りをして遊んでいました。運動が大好きでバランス感覚は良かったですね。小学校1年生から3年生まで、水泳とサッカーのクラブに入っていました。塾に通うにようになった、小学校4年生からは部活でバスケットボールをやっていました。スポーツだけでなく勉強も好きでしたね。

私立の中高一貫の男子校に入学して、中学の3年間は吹奏楽部で打楽器や金管楽器のチューバを担当していました。高校ではバスケットボール部で主将を務めました。バスケットも大好きでしたが、それに負けないくらい映画が好きでした。また両親の影響で本好きでもあったので、将来は映画宣伝のコピーライティングをやりたいなと考えていました。

それで大学では文学部で演劇や映画を研究するコースに進みました。大学2年から4年までTSUTAYAでアルバイトして、毎日映画を見て、アルバイト仲間と議論していました。その当時の仲間で映画監督や役者の道に進んだ人もいますよ。

学習塾を運営されていた?

大学卒業後は25歳までという期限を切って、アルバイトをしながら「宣伝会議」の賞に応募していました。その頃、映像作家を目指していた友人に誘われて、大倉山(横浜市港北区)で学習塾を経営することになったのです。それが横浜との関わりの最初です。大倉山のシェアハウスに住みながら、5年間ほど学習塾の講師をしていました。子どもだけでなく親への教育カウンセリングを行ううちに、教員試験を受けたいという親御さんに勉強を教える機会があり、その頃から「人の学ぶ動機」に関心を持つようになって生涯学習や社会教育への興味を深めていきました。

ダブルワークで、昼は国会図書館で複写請求のあった資料の調査業務をして、夜は塾講師をやっていました。元来、好奇心が強かったのだと思いますが、様々な書籍に触れて楽しかったですね。

最後に在籍していた生徒が卒業するタイミングで、社会教育の分野でより「人」と関わりたいと東京都中央区の社会教育施設の運営に携わりました。サークルのお世話をしたり、公開講座のプログラムを作ったり、この仕事もやりがいがありましたね。シニア・若者たちとのコミュニケーションの取り方も学びました。この仕事につくときに、シェアハウスで知り合った妻と結婚をしました。彼女は建築関係の仕事をフリーランスでやっています。結婚した当時は、東横沿線の菊名に住んでいました。

中山との出会いは?

大倉山のシェアハウスに住んでいる時に、横浜市緑区中山にある「虹色菜園」と出会いがありました。今一緒に活動しているシェフの辻一毅さんに誘われて行ったのが最初ですが、畑作業の手伝いは単純に楽しかったです。辻さんが中山に引っ越して出会ったのが、古民家カフェのオーナーでもある齋藤好貴さんです。齋藤さんの先祖は12世紀から中山に住んでいたという一族で、近辺の大地主さんです。齋藤さんが所有している大きな家屋を4世帯用のシェアハウスにして、そこに妻と一緒に住んでいます。妻はシェアハウスの向かいにある、シェアオフィスで仕事をしています。こちらも古い家屋をシェアオフィスにリノベーションしたところです。

リノベーションをまちづくりに活かす手法を学ぶために、妻は北九州まで勉強してきました。私たちは古民家の改造リノベーションは、ただ家を修復するだけではなくて、修復後の利活用が地域のコミュニティ形成につながることを視野に入れています。

中山に住んでびっくりしたのが、町内会組織がしっかりしていること、町内の運動会などがあって、隣近所の結びつきがあることです。東京への通勤圏なのになんだか「ムラっぽい」ところが気に入っています。

「虹色菜園」と出会った頃に「醤油」との出会いがありました。最初は妻が長野県で醤油仕込みをしたのがきっかけです。私もはまってしまって、今は醤油の「搾り師」を目指しています。醤油は、樽の中で熟成した「もろみ」を「搾り師」が搾ってできるものです。かつては地域の中でみんなが集まって、醤油づくりをしたものだそうです。ここ中山で仲間たちが協力し合って醤油づくりができないかと活動をしています。毎年一回、長野県から搾り師に来ていただいて、自宅にある樽を持ち寄って醤油を作ってもらいます。樽ごとに醤油の味が違うのも楽しみです。醤油づくりが広がっていくことで、自主保育の「森っ子」のママさん達や鎌倉のグループとのご縁もできました。この活動は食育にもなりますよね。私自身はあと数年以内には少なくとも自分たちの樽は自分で搾れる状態にはしたいですね。(笑)

753プロジェクトとは?

「753(ななごーさん)プロジェクト」は、齋藤さんの「今あるものを活しつつ使っていく」をいう考えに共鳴して、古い民家を使ってまず「カフェ」を始めることで作った任意団体です。「虹色菜園」や醤油づくりの活動で知り合った仲間が集まりました。「753(ななごーさん)」の由来は、齋藤さんが20年前からやっていた「なごみ邸」にかけたのですが、それを数字読みにしたということです。

カフェを開いて、最初の2年間は大変でしたね。何もない住宅地の中にある古い民家ですから。無農薬野菜を使っています、手作りの発酵食品を使っています・・と言っても誰も来てくれなくて。週三回の営業日は仲間たちでシフト制にして、仕事をしながら運営していました。そのうちに近所の方々の口コミで来店者も増えてきました。

3年目からは辻シェフに運営を任せて、発酵食品をテーマにした「菌カフェ753」としてリニューアル。毎日オープンになりました。

菌カフェ753のランチ

カフェの常連で近隣店舗の方からのアイデアで、オープン半年後くらいから毎月第三日曜日にマルシェ「753市」を開催してきました。最初は3店舗でスタート。今では20店舗ほどが集まり、来場者も増えてきました。毎年5月には一年に一度の拡大版マルシェ「大753市」を開催。この時は来場者も1,000人規模になります。「なごみ邸」「菌カフェ753」「季楽荘」など近隣に点在する古い元住宅が会場となっています。売る人も買う人もアットホームな雰囲気を満喫してくれているようで嬉しいですね。

大783市の様子

季楽荘

今後はどうしたい?

中山地域の中で自然循環的な暮らしができないかと考えています。食べ物をつくり畑に返す、住むところも仕事場も中山、そして中山地域のための仕事をしたり仕事をまわせたり・・まさに「ムラ」ですね。

「食育」が叫ばれて久しいですが、食べることは生きることなので、野菜を作ること醤油や味噌を作ることを子どもたちに経験してもらいたいですね。

醤油作り

大谷さんにとって横浜は・・・

横浜に来るまでは、横浜は「海」のイメージでした。中山に住むようになって、豊かな里山があるんだと気づきました。そして、温かい人たちが多いことにも気づかされて今日まで住んでいます。これからもずっと中山と関わって生きていきます。「中山里山」です。

<取材を終えて>

2018年5月20日に開催された「大753市」に行ってきました。木々に囲まれた古民家の庭で、手作り品が中心のお店が出店されていました。「なごみ邸」の中ではマッサージや足湯などもあり、出店者も参加者もゆったりとしていて和気あいあいとした雰囲気でした。大谷さんのお話を伺うと、自然に様々なご縁ができていきて、必然として「753プロジェクト」が始まったようです。「753プロジェクト」の今後の展開をサポーターの一人として応援していきたいと思います。
 
※「753プロジェクト」は、雑誌「Wedge」7月号に「30年後の町の魅力を考える都会の中の田舎に集う人々」というタイトルで紹介されています。

(インタビュー:渡邊 桃伯子)

 

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