障がい児通所施設「キッズコネクション」を運営する沖田さんご夫妻にお話をお聞きしました
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(注1) キッズコネクション |
キッズコネクションは2018年6月1日開設の「障がい児通所施設」です。 一般社団法人絆実(きのみ)が運営しています。 https://www.kids-connection.info/ |
お二人の馴れ初めは・・・
ゆかりさん: 私たちは同じ会社(ソフトハウス)で知り合った職場結婚です。交際4か月で結婚したのであっという間でしたね。沖田家がカソリックで、幸一さんは幼児洗礼を受けていたので結婚のときに私(ゆかりさん)もカトリックに入信し洗礼を受けました。
幸一さん: 彼女は、横浜で生まれて育ったので横浜に住み続けたいと、結婚したときに彼女が見つけてきた本牧のマンションを購入しました。それから30年以上、同じ場所で暮らしています。
教育との関わりは・・・
ゆかりさん: 娘をフリースクールに入れた時から、教育に関心を持つようになりました。娘が5~6歳の頃、NPO法人教育支援協会が主催する阿部進先生(カバゴン)の実験教室に通っていました。「マッチをする」など大好きでした。娘が怪我したときに、カバゴン先生やスタッフの方が親身に相談に乗ってくれたのがきっかけとなり教育支援協会で働くようになりました。15年以上前のことです。その当時教育関連のNPO法人は珍しかったですね。最初は事務のお手伝いでしたが、しばらくして教育現場に出ることになりました。不登校の子どもたちと一緒に実験をやったり、英語を勉強したり、居場所の授業をやりました。その後、学童クラブの指導員を10年以上やっていました。
幸一さん: 外資系会社情報システム部勤務のSE(システムエンジニア)でしたが、リーマンショックのときに会社が吸収合併されることになり退職しました。教育支援協会のITサポートもやっていたこともあり、磯子区の山王台小学校で「放課後キッズクラブ」を立ち上げるときに指導員になりました。その後横浜市内の数校の立ち上げに関わりました。8年以上指導員をやりました。IT担当者としての仕事も忙しかったですね。
なぜお二人で「キッズコネクション」を始めようとされたのですか?
幸一さん: 私たちは長年、学童クラブや放課後キッズの指導員をやっていましたが障がいを持っている子どもたちが集団に交じれない状況が増えてきて、その子たちの目線に立った居場所を作りたいと思うようになってきました。学校は卒業すると縁が切れてしまいますが、地域でずっと見守っていけるようなスペースが必要だという想いが強くなってきたのです。
ゆかりさん: 「障がい児通所施設」をやりたいという想いは3~4年前からあり、物件を探していました。昨年、地域住民の交流スペースを作りたいという平野健子さん(ケアマネージャー)が山手に「よりみちハウス」を建てることになって、障がい者への想いが紡ぐご縁で1階を借りることになったのです。
よりみちハウス
「キッズコネクション」とはどのような施設ですか?
幸一さん: 「障がい児通所施設」を開設するにあたっては、横浜市への申請が必要です。教員免許を持っていて、教育経験のある児童発達管理責任者(ゆかりさん)と児童指導員2名が必須となります。私は施設の管理責任者です。私も一応、教員免許を持っています。障がい児一人当たり3.3平方メートルが必要とされていて、うちは定員10名になります。10時~18時まで、2歳から18歳までの障がいを持った方々が通っています。
ゆかりさん: 午前中は未就学児がメインで保育園のようですね。午後は学校帰りの小中学生がメインになります。おかげさまで口コミで通所者が増えていますが、曜日によっては空きがありますので、よろしくお願いいたします。通所者に対して、それぞれの興味関心によって様々な支援活動を行っています。
「キッズコネクション」の特徴は・・・
幸一さん: 子どもたちの関心のあるものを伸ばし、彼ら彼女らの自走をサポートする「kids connection method」です。子どもたちは自ら事業計画を立てます。関心のある分野のメンターをつけるために、他から探してくることもあります。ITを教えるので、アプリを作りだす子どももいます。
中一男子の事例ですが、彼はラーメンが大好きです。それで「横浜家系ラーメン研究会」を立ち上げました。ラーメンに関するホームページを作り、大勢の前でプレゼンテーションを行っています。それが彼の自信になり、生活態度も変わってきました。
うちに通っている子どもたちは、ほとんどYouTubeにチャンネルを持っています。
小1の子でもビデオ映像を作っていますよ。。
横浜家系ラーメン研究会: https://ra-men.yokohama/
キッズチャンネル:https://www.kids-connection.info/channel.html
kids connection method
ゆかりさん: アニメなどのサブカルチャーにも強いですよ。アニメに強い娘が、通所者とのコミュニケーション作りに活躍しています。子どもたちは、関心があることに突き進んでいくことで変化が見られます。自分のやりたいことを認めてもらえることは大きな喜びのようです。通所日が増えたり滞在時間が増えたりと成果が出ています。ご両親とも密に情報交換をしています。
「キッズコネクション」では様々なイベントが行われているとか?
幸一さん: 2018年6月からの6か月間でいろいろなことをやりましたね。好評だったのは、ロボットプログラミング(4回/年)。小1の子どもがお父さんと一緒にオリジナルロボットを作りました。毎週土曜日には何かしらのイベントを開催していますので、Webサイトをご覧ください。
ロボットワークショップの様子
ゆかりさん: 毎月行っているのは、実験教室や英語教室です。その他にもボードゲームや音楽会なども開催しています。工作教室で作った “大きなおうち” が1月に展示会で披露されます。地域団体との交流も行っていて、子どもたちを連れて行くこともあります。
「キッズコネクション」の今後は・・・
幸一さん: 地域との交流を図っていきます。中区麦田町商店街の場所を貸してもらって、子どもたちに情報発信の仕掛けを考えてもらう計画があります。「kids connection method」を広めたいですね。障がいをもっている子どもたちへの支援としてフリースクールの展開も検討中です。
沖田ご夫妻にとっての横浜は・・・
幸一さん: 本牧に暮らして30年になります。その当時は、「マイカル本牧」の絶頂期で、観光客も多かったです。本牧山頂公園がまだ整備されていなくて、野原で犬の散歩をしていました。犬友達とのネットワークが楽しかったですね。近所の米軍住宅はクリスマスの飾りつけが凄かったのを思い出します。
横浜は「いい街」です。皆が助け合っています。麦田町発展会や大和町「やってみよう会」のイベントに参加していますが、和気あいあいとした雰囲気が素敵です。誰もが笑顔でずっと暮らしていけるような「街」にしていきたいです。
<取材を終えて>
沖田ご夫妻とは前職の教育支援協会で働いていらっしゃときからのお付き合いです。お二人とも社会活動や地域活動に熱心で、二人合わせて、二人五脚くらいのパワーをお持ちの方々です。そんなお二人だからこそ、開所わずか半年で、通所者に対して様々な企画を実現しつつ、地域にも溶け込んでこられたのだと思います。「キッズコネクション」の益々のご発展を願っています。
(インタビュー:渡邊 桃伯子)
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