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ゆるマナー講座(第40回) 春の行事 ~雛祭り~ の豆知識

by staff on 2019/2/10, 日曜日

マナーアドバイザー/フレアLLP 岡田 承子

2月4日は立春でした。もう春ですね。
立春の前日は節分。豆まきをして鬼を追い払いましたか?
子どもの頃は、お豆を多く食べられる兄や姉がうらやましかったのですが、今はもう結構というほど年の数が多くなってしまいました (><;)

さて立春も過ぎ、女の子のいらっしゃるご家庭ではそろそろ雛飾りの用意をしようかしらと思われる頃でしょうか。例年通り何気なく準備をなさることも多いでしょうが、雛祭りがどうしてこの時期に始まったのか、どんな意味があるのかなど、あらためて考えてみるのも良いかもしれません。

雛祭りの起こり

雛祭りは「桃の節句」とも言われます。
古くから続く節句の中でも、江戸幕府が特に重要なものとして定めたのが五節句(*注)です。その日を公的な行事や祝日としたために庶民にも広まりました。桃の節句もその一つです。

(*注)【五節句】
 人日(ジンジツ):1月7日 七草の節句
 上巳(ジョウシ):3月3日 桃の節句
 端午(タンゴ) :5月5日 菖蒲の節句
 七夕(シチセキ):7月7日 七夕
 重陽(チョウヨウ):9月9日 菊の節句

古代中国では旧暦の最初の巳の日(上巳)は「忌日」で、その日にお祓いをする風習がありましたが、それが日本に伝わり変化しました。
初めは季節の変わり目に人の形をした紙「形代(かたしろ)」で体を撫でて穢れを移し、それを川や海に流して厄災を逃れるという貴族の儀式でした。現在も「流し雛」という行事として残っているところもありますね。興味深いのは、この節句が元々は女の子の節句ではなかったということです。

形代は次第に立派な人形に変わっていき、室町時代後期には川に流さず家で飾るようになりました。現在のように雛壇や豪華な飾り雛が作られるようになったのは、江戸時代になってからのことです。

飾り方の違い

雛人形の飾り方には関東と関西で大きな違いがあるのをご存知ですか。
それは、男雛と女雛の並ぶ位置です。

関東では、男雛が向かって左側(女雛が向かって右側)に、
関西では、男雛が向かって右側(女雛が向かって左側)に飾ります。

人の立ち位置や席次には「上席(座)」「末席(下座)」があります。日本は元々「左上位」でしたが、開国後、明治以降は欧米に倣い「右上位」に変えました。国際交流に必要だったからです。ただ和室は今でも(床の間の位置によっては異なりますが)、左側が上位の席となります。

雛飾りについては、関西では「左上位」で男雛が女雛の左側(向かって右側)に、関東では欧米式に「右上位」で男雛が女雛の右側(向かって左側)に置かれます。元々は関西式だったものが、昭和天皇のご即位の礼で両陛下のお並びに倣って関東の雛人形メーカーが雛人形の配置を右上位に変えたことから、関西と関東の違いが出てきたのだそうです。

お供えやお祝い膳の意味

雛祭りに欠かせないものは、桃の花、そして白酒、菱餅、雛あられ、ハマグリの吸い物、ちらし寿司。それぞれに意味があってお祝いに添えられるものです。

桃の花と白酒:中国が原産と言われる桃。中国では果実も花も不老長寿の縁起物とされています。また桃の木には邪気を払う力があるとされ、桃花酒を飲んだことが由来です。

菱餅:菱形の白色、緑色、ピンク色の餅が重なっていますが、それぞれ「雪が解け、緑が芽吹き、花が咲く」を表しています。

雛あられ:元は、菱餅を細かく切ったもの。

ハマグリのお吸い物:ハマグリの殻が同じ貝同士しか合わないことから、女性の貞操を表します。

ちらし寿司:女の子の健康を願い、海や山の幸を使ったという説があります。

伝えていくことも大人の役目

子どもの成長を願いながらお祝いの準備をするのはいつの世も同じですね。
日本にはその他にも年中行事がたくさんあり、その一つひとつに由来があり意味があります。
お人形の飾りつけをしながら、お祝い膳を囲みながら楽しい時間を持つ中で、時にはその意味を伝えていくことも大切なことだと思います。

そういえば、「雛人形をしまうのが遅れると、婚期が遅れる」とよく言われますが、焦ってしまうお家と、のんびりいつまでも飾っているお家で違いが出てくるかどうかの統計がある訳でもなさそうですね。
本来は「出したらちゃんと片づけましょう」という意味のようです。よく晴れた湿気のない日を選んで、お子さまたちと一緒にお人形を片付けてみてはいかがでしょうか。

 

筆者プロフィール

岡田 承子(おかだ しょうこ)  

岡田 承子(おかだ しょうこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空国際線客室乗務員を経て、国際交流協会での仕事、また社会福祉法人では障がい者国際スポーツ大会事務局の運営業務やマナー研修に

携わる。現在は、自治体、企業での接遇研修や、NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師として大学で指導をしている。

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)  

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空株式会社国際客室乗務員を経て、2009年よりマナー講師に。企業や自治体、大学、専門学校で接遇研修や マナー・プロトコール講

座を行っている。NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師。

本の紹介です

ゆるマナー 始めましょ

 

 

 

「ゆるマナー 始めましょ」
(岡田 承子・柳田 圭恵子 著 / ほんの木)
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