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ゆるマナー講座(第44回) ジューンブライドに思う結婚のしきたり

by staff on 2019/6/10, 月曜日

マナーアドバイザー/フレアLLP 岡田 承子

6月の花嫁は幸せになれる、という言葉があります。
6月は英語でJune。Juneはギリシャ神話にでてくる結婚や出産を司る女神ジュノ(Juno)に由来するそうです。その女神の守護する6月に結婚する花嫁は幸せにきっとなるだろうとヨーロッパで言われてきたというのが一つの説です。
梅雨になってしまうこの時期、日本では「雨降って地固まる」と言いますから、やはりジューンブライドは幸せになるはず!ですね

結婚に関る儀式はだんだんと簡略化されたり、さまざまなスタイルで行われるようになってきました。今回は、結婚の変遷やしきたりについて少し触れてみたいと思います。

結婚という形、その変遷

婚姻の形態は、時代や民族、宗教などによって異なります。今でも一夫多妻が認められている国もありますが、キリスト教の伝道とともに一夫一婦制が世界の主流になっています。

日本の歴史を見てみると、貴族社会では男性が女性の家に入る「婿入婚」だったものが、武家社会になると「嫁入婚」に変わりました。現在は、2世代、3世代が同居していた形から変化して、親から独立して世帯を設けるのが一般的になっています。
「本人の自由意思で結婚ができるようになった」のが第二次世界大戦後だというのは、ちょっと驚きです。「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」と日本国憲法に定められてからということですから、自由に恋愛結婚ができるようになってからまだまだ歴史は浅いのですね。

婚約・結納

結婚をしようと決めると、まずは婚約をします。そして婚約の意思確認として行われるものが、「結納」です。
この結納の起源は、古墳時代まで遡れるようです。日本書紀に仁徳天皇の子、履中天皇が皇太子の時に「納采」を行ったという記述があります。これが今の「結納」にあたります。
皇室に関るニュースの中で「結納」のことを「納采」と言われているのを耳になさることがあるのではないでしょうか。

さて最近は結納を交わすという方法を取らず、両家でそろって食事会をして結納の代わりとするという場合も多いようです。
結納という形をとるかどうかは別としても、結納品の一つひとつにはそれぞれに意味がありますので、知っておくのもよいかもしれません。縁起を担いだり、語呂合わせの好きな日本人の遊び心もうかがえます。

【結納品の一例】

  • 目録
  • 長熨斗(ながのし)…アワビを叩いて長く伸ばしたもの。長寿の願いを込めて
  • 金包…結納金。男性からは「御帯料」、女性からは「御袴料」と書き交換
  • 松魚(かつお)節(ぶし)…「勝男武士」とも書き、男性の強さを象徴したもの
  • 寿留女(するめ)…「幾久しい」という意味があり、女性を象徴したもの
  • 子生婦(こんぶ)…「子宝に恵まれる」という意味と、「よろこぶ」の語呂合わせ
  • 友志良賀(ともしらが)…白い麻糸の束。「ともに白髪になるまで仲睦まじく」という意味
  • 末広…純白の扇子。「純白無垢」であること、「末広がり」の形のめでたさを表す
  • 家内喜多留(やなぎだる)…福が多いことを願った祝い酒。今では「樽料」と書いた現金を包む

結納品は、奇数で揃えます。日本のしきたりに影響を与えている中国古来の思想「陰陽道」。物事はすべて「陰」と「陽」に分けられ、バランスをとって成り立っているという考え方で、奇数は「陽」の数字であるため縁起が良い。反対に偶数は「陰」の数字で、2で割れて(別れる)しまうため縁起が良くないということで避けます。
例に挙げているのは9品ですが、略式では、金包・長熨斗・末広の3品などの組み合わせもあります。

なお、関東では結納を「交わす」といい、男性の結納金の半額程度を女性が返しますが、関西では「納める」といい、男性が結納品を贈るだけの場合もあるようです。

挙式・披露宴、そして…

結婚式(挙式)は、二人の結婚の意思を確認し婚姻関係をスタートさせる儀式です。参加者は両家の家族や親族が中心となります。

挙式のスタイルは、神前式、キリスト教式、仏式、人前式、海外ウェディングなど、二人の希望で行われることが多いでしょう。キリスト教式や人前式では親族に加え友人知人も参列します。

披露宴は、参加してくださった親族や友人知人にお互いを披露し、共に結婚を祝う場です。
ホテルや結婚式場、レストランなどで行うのが一般的です。招待される側には見えないところで、二人は招待状作りやメニュー選び、席次決めなどに心を配り、招待客をおもてなしします。

もちろん結婚式や披露宴の形はさまざまですので、この限りではありません。挙式・披露宴とも行わない方もいますし、挙式のみ行う方などもいます。
新しい人生のスタートは、周りの人にも喜んでいただけるよう二人で決めればよいことですね。

結婚は今まで考え方、風習など全く違う環境で育ってきた二人が一緒に生活していくこと。毎日の積み重ねが、やがて二人の築く家庭となっていきます。その過程の中では、二人だけの判断だけでなく、双方の家族や親族、友人や知人、周りの人が関わることで築きあげられるものも多くあるでしょう。家族も含めて、お互いを思いやれることが大切です。

さて、憧れの的の「ジューンブライド」「幸せな花嫁」。
それでも長い年月の中では、時にはケンカすることもあるでしょう。お互いが少~し歩み寄りながら、どちらかが少~し妥協しながら、仲良く幸せな家庭を築いていってほしいですね。

 

筆者プロフィール

岡田 承子(おかだ しょうこ)  

岡田 承子(おかだ しょうこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空国際線客室乗務員を経て、国際交流協会での仕事、また社会福祉法人では障がい者国際スポーツ大会事務局の運営業務やマナー研修に

携わる。現在は、自治体、企業での接遇研修や、NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師として大学で指導をしている。

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)  

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空株式会社国際客室乗務員を経て、2009年よりマナー講師に。企業や自治体、大学、専門学校で接遇研修や マナー・プロトコール講

座を行っている。NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師。

本の紹介です

ゆるマナー 始めましょ

 

 

 

「ゆるマナー 始めましょ」
(岡田 承子・柳田 圭恵子 著 / ほんの木)
簡単で、誰でも、いつでもできること、だけど何だか優しくて
温かい気持ちになる。そんなマナーを「ゆるマナー」と名づけました。
 

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