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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第76回)

by staff on 2019/7/10, 水曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第76回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

AI技術の向上は天井知らずの感がありますが、ここは冷静に “人間にしかない能力・人間にしかできない能力” を探求する好奇心が不可欠。 “常識(コモンセンス)” “教養(リベラルアーツ)” とは単に知識というよりセンス。今こそセンスを鍛えることが大切なのかも。夏目漱石は “世の中をどう解釈するか” を作家の大事な仕事と受けとめましたが、時代が変わろうと、AI技術が高度化しようが、この論点は誰にとっても不動の軸。インターネットが台頭した時、誰もそれが何ものなのか、ビジネスにどう役に立つのかわかりませんでした。そこに斬り込む方法としてシリコンバレーで生み出されたのが “アプリケーション・コンセプト” 。現在は明確になっていない潜在ニーズを踏まえた最新技術による用途イメージを描くもの。これを深耕・研磨する有力な武器の一つが “メンタリング” 。メンタリングの本質は、長期的に高い成熟度を期す全人格的なもの。梁塵秘抄では “娑婆にしばしも宿れるは 一乗聞くこそあわれなれ 嬉しなれ や 人身再び受けがたし 法華経に今一度 争でか参り会わん” とあります。輪廻転生の世では法華経の教えに出会えれば儲けもの。 “ノイズを聴く” と作曲家ジョン・ケージ。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

戦い 武田信玄 五分を上 七分を中とする
十分をもって下とす 日露戦争後の協約締結
恐露病と言われたが上の策 ロシアを叩くと
仲介の米国 日本の伸長を抑えにきた可能性

武田信玄は甲斐の守護大名。 “戦いは五分を上、七分を中とする、十分をもって下とす” と悟る戦い上手。その一つが “三方ヶ原の戦い” 。徳川幕府の始祖である徳川家康を完膚なきまでにやっつけました。家康が信玄の挑発にまんまと乗ったため。家康はこの浅慮を猛省し、その苦悩・落胆の表情を絵師に描かせて自らを戒めました。 “鳴くまで待とう” に象徴される “忍” の代表格の家康にも失敗の歴史。信玄といえば、上杉謙信との川中島の戦い。戦闘は計5回で12年に及ぶもの。古戦場跡に立つと、芭蕉が平泉で詠んだ “兵どもが 夢の跡” の句が思い浮かびます。 “ボクシングは何より精神的な闘い。精神的な強さは肉体的な部分に隠れてしまいがちだ” と元世界ヘビー級王者のマイク・タイソン。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

俵屋宗達:没骨技法 輪郭線なしで描く技法
蕾・開花・敗荷 流行の移り変わりが早まる
三跡の世界 小野道風・藤原佐理・藤原行成
昼も夜も熟慮し温める、と画家・ルーベンス

昨年秋、上野の国立西洋美術館でルーベンス展が開催されました。壮麗華美なバロックが栄えた17世紀ヨーロッパを代表する画家であり、後に “王の画家にして画家の王” と称されました。日本では人気が高く、30万人を超える入場者を数えたとのこと。大工房を構えて時代に先駆ける作品を量産、ヨーロッパ中の貴族階級や収集家間で高く評価されました。古典的教養も身につけ、7か国語を話し、外交官としても大活躍したとか。ルーベンスの名は、わが国では名作アニメ “フランダースの犬” で広く知られてもいます。溢れる才能をもってしてなお “昼も夜も熟慮し温める” ほどの勤勉と集中。 “生の設計の中に死の設計が織り込まれている。壊さないと生まれない” と生物学者・福岡伸一。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

チンパンジーは がんで死ぬ確率は二%
人間(例えば、日本人)の場合は三〇%
フリーキックの極意 自分に自信を持つ
プラクティス(練習のみ)、とベッカム

2002年に行われた日韓W杯では、世界中からサッカーのトッププレイヤーが来日、日本中が熱気に包まれました。テレビの視聴率も60%超えが複数誕生。プレイヤーの中で絶大な人気を誇ったのがイングランド代表のベッカム選手。ベッカムは、学校で先生から大きくなったら何になりたいの?と聞かれる度に “サッカー選手” と答えていたそうです。どの先生も、どんなお仕事がしたいのかを聞いているのだよと聞き返したとか。 “マンチェスター・ユナイテッド” などの名門チームで活躍、20世紀の偉大なサッカー選手の上位にランクされています。そのベッカムにして “プラクティス(練習)あるのみ” とは。 “二次的なものを見ずして一次的なものを見よ” と理論物理学者・湯川秀樹。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(九)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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(第76回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(九)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

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