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考えてみよう「子ども」・「家族介護」のこと(第5回)
「しつけ」と「体罰」について考えてみました

by staff on 2019/10/10, 木曜日

第5回 「しつけ」と「体罰」について考えてみました

全国で子どもたちの命を救えなかった悲惨な児童虐待事件が多く起こり、本年6月、児童虐待法と児童福祉法の改正案が閣議決定し、改正法は(一部を除き)2020年4月施行を目指しています。

この改正には、親権者らによるしつけ名目での体罰禁止や、児童相談所では介入対応と保護者対応部署を分け虐待への対応力を高めるといった体制の強化が盛りこまれています。そんな中、閣議決定以降も虐待による子どもの死亡事件は起きています。

地域住民の児童虐待への意識は以前よりも高まり、通報する方々も多くなっているようですが、通報してもなぜ防ぐことが出来なかったのでしょうか?
そこには、子どもの様子を確認したり、保護すべき機関が通報を受け流しているように思えてなりません。
こんなことで、改正法施行後、本当に児童を守る体制は強化できるのか、心配でなりません。

私は、この改正に体罰禁止とあるので、えっ! 親や大人は、子どもが危険ないことや、人としてやってはいけないことをした時、手が出てしまった! というのも禁止なの? どこからが「体罰」でどこまでが「しつけ」なのか、境目がはっきりしないと思いました。

私は、「しつけ」と「体罰」の大きな違いは、そこに子どもを守り育てようとする愛情や思いやりがあるか無いか、だと思います。
「しつけ」には、子どもが一人の人間として成長するために、必要なことを身につけ育つようにという、親や大人の愛情があり、親や大人が自分の怒りや支配欲などで子どもの身体や精神に苦痛をあたえるような行為に愛情なんてないですよね。

そこで、自分が子どものころ、親や大人たちからの「しつけ」や「体罰」と感じた出来事を書き、考えてみました。(※ここでの「体罰」とは、子どもへの暴力といった身体的苦痛だけでなく、恫喝に近い言動など精神的苦痛を感じたことも同様としました)
そして一つ一つの出来事に“★子どもだったころの自分の気持ち” と “●そのことでの今の自分の気持ち” も書いてみました。

「しつけ」
幼いころ、箸の持ち方で母親に何度も注意された。
★その時は、食事時に注意されることがイヤで、反抗していた。
●正しい持ち方が身につき、母に感謝している。

「体罰」
教師による恫喝に近い出来事があった。
★先生は、頭ごなしに大きな声を出して、自分の立場を押し通そうとしているだけ。生徒のことなど考えもしていないと、心の中で憤慨した。
●嫌な思い出としてそのシーンを覚えている。今でも、教師の行為を理解できない。生徒のことを無視して教師が保身のために大声で圧力をかけただけだと思っている。

実際に経験した出来事を振り返ってみることで、子どもの気持ちやその影響。また、親や大人の行動から、例えばあの時、他にも子どもに伝える方法があったのではないか。といったことも考えることができました。

勿論、体験がすべてではないでしょうか、もし子育てで悩んだ時は、自分の体験から感じたことなどを振り返って考えてみるのも一つも方法です。
みんなで子どもたちの大切な命や将来を守り育てることができる世の中になることを願っています。

筆者紹介

 
本 名 竹沢 佐知子 (たけざわ さわこ)
自己紹介 短大幼児教育科を卒業後、幼稚園教諭となり、その後2度の転職も経験。「やっぱり子どもと関わる仕事がしたい!」と、1991年ベビーシッター会社
(有限会社チャイルドサービス遊)を設立。
 
2007年から父の介護がはじまり、2016年には、会社と介護の両立より、両親との残された時間を大切にする決断をして、25年間続けたベビーシッター会社を廃業。
 
その後父は他界、現在は、母の世話を一番に生活しています。たいしたことはできない私ですが、生涯社会と関わりあっていたいと願っています。保育や家庭介護経験など、私で役に立つことがあれば気軽に声をかけてください。
Eメール childyou@tky2.3web.ne.jp

 

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