ハチゴロウの鳥撮り日記 第11回「峠のコマドリ(山梨県/柳沢峠)」
第11回 峠のコマドリ(山梨県/柳沢峠)
コマドリの求愛 2014年撮影 左/オス 右/メス
2017年4月29日午前2時、夜中の国道16号線を北へ向かいました。無料になった八王子バイパスを通過し、ほぼ道なりに進みます。真夜中の国道はトラックなどの大型車が多いものの、渋滞することなく、快適に走ることが出来ます。
中央自動車道の八王子インターチェンジを過ぎると、新滝山街道に入り、車の量はグッと少なくなります。なおも多摩川の右岸沿いの道(吉野街道)を道なりに進みます。JR青梅線の古里駅近くで多摩川を渡り、川の左岸を走る青梅街道に出て、西に向かいます。少し進んだところ(鳩ノ巣駅の手前)で左折し、新しくできた城山トンネルを通過します。この道路が出来たことにより、奥多摩の町中をバイパスできます。そして、青梅街道に戻ると、曲がりくねった山道になり、幾多のトンネルを通過します。
奥多摩湖を過ぎ、高度が増していくようです。東京都から山梨県に入り、いくつものヘアピンカーブを通過し、しばらく進むと目的の柳沢峠の市営駐車場に着きました。時刻は午前4時45分です。空はもう明るくなっています。駐車場には10台以上の車が停まっています。急いでカメラをかついで、探鳥場所へ向かいます。
探鳥場所には20名以上の方がカメラをセットしていました。コマドリが盛んに鳴いています。期待に胸を膨らませ、カメラを三脚にセットします。
今回はダメかなと思い始めた午前7時30分、やっと出てきてくれました。2017年の初コマドリです。コマドリは気が短いのか、すぐに帰ってしまいました。それでも1時間後の8時30分に出てきてくれました。峠のコマドリは1時間毎に現れる習性なのでしょうか? 約1時間後の午前9時40分に出てきました。 そして、午前10時30分 時間通りに来てくれました。
コマドリ/オス
2018年4月28日午前2時、再びコマドリに会いに柳沢峠へ向かいました。GW初日ですが、深夜の国道16号線は空いていました。奥多摩街道に入ると、対向車と出会うことも少なくなりました。曲がりくねって舗装された道を登り、峠の駐車場に着いたのは、空が白み始めた午前4時45分でした。
カメラを担いで観察場所に着くと、数名のカメラマンがカメラを構えていました。コマドリは、まだ出ていないとのことです。スマホで気温を調べると、3℃でした。2017年のこの時期は、雪が残っていたのですが、2018年は見ませんでした。
コマドリは、ツグミ科で北海道から九州の山地で繁殖する夏鳥です。林床にササ類が密生する場所を好み、苔むした岩場などに生息します。ミミズなどを捕らえて食べます。茂みの中で行動するので、姿を見るのは難しいです。
繁殖期には樹上でよく囀ります。「駒鳥」という名は、『ヒンカララ』と声量豊かなさえずりを、馬のいななきに聞きなして付けられました。日本三鳴鳥の一つです。
メスはオスに比べて顔から胸にかけて赤みがなく、腹部も色が薄いです。
コマドリ/メス
午前5時30分、最初に撮影したのはアカハラです。コマドリの鳴き声は聞こえるのですが、姿を見せてくれません。
コマドリではありません。アカハラです。
次に出てきてくれたのは、ソウシチョウでした。ヒマラヤから中国西部から中南部に生息している外来種です。ササ類の生い茂っている環境で繁殖しているとの事なので、峠のササの中は格好の繁殖場所のようです。
ソウシチョウ
コマドリは2017年には午前7時30分に出てきてくれましたが、2018年は午前8時を過ぎても現れません。「ヒン・カラカラ」という囀りは聞こえてくるのですが・・・。アカハラ、クロジ、ソウシチョウと順番に出てきてくれるのですが。前座ばかりで本命の出番はまだのようです。
12時30分、待ち焦がれていたコマドリがやっと出てきてくれました。光の状況は良くありません。初夏の強い光が撮影を難しくします。あまり迷ってもいられないので、シャッターは押し続けましたが・・・
午後4時を過ぎると、太陽は山陰に隠れてくれました。周囲はまだ明るく、あと1時間くらいは撮るチャンスはありそうです。
午後4時20分、コマドリがやっと出てきてくれました。『待てば海路の日和あり』ですね。
そして、きれいな声で囀ってくれました。
尾羽を立てて囀るオス
盛んに囀るオス
午後4時30分、近くで盛んに囀っていて、まだまだ現れてくれそうですが、十分に撮影できたので、帰ることにしました。午後5時、峠の駐車場を出発し、勝沼に出て、中央道、圏央道を通り、東名道の横浜町田インターチェンジで国道16号線に降りるルートです。連休初日の高速道路は渋滞に会うこともなく、午後7時15分頃自宅に着きました。
筆者紹介
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ヨコハマNOW 動画
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