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チャレンジ(第17回) リアルコミュニケーション

by staff on 2020/1/10, 金曜日

リアルコミュニケーション

こんにちは。 C.P.FACTORYディレクターの平安山美春です。2020年の幕開けですね。今年は干支のスタートの子年であり、オリンピックイヤーでもあるので日本にとっても重要な年になるでしょう。しかし、残念ながら我が家は喪中の為、静かなお正月を迎えました。

3年ほど前から体調を崩していた母が難病と診断され、あっという間に進行してしまい、昨年の10月の末に亡くなりました。78歳でした。人生100年時代での78歳は「若い!」と、多くの方たちに惜しまれましたが、若かった分、父が亡くなってから9年、母は自分なりにコツコツと終活を進め、自分の治療、延命について、その先の葬儀やお墓の手配まで、全て自分の意志で決めていました。そして、日本の約9割近い人が自宅以外の病院または施設で息を引き取るのに対し、母は自宅で最期を迎えることを希望し、その通り自宅で息を引き取ることができました。

母の件で一番ラッキーだったのは往診してくれる「ホームドクター」が見つかったことでした。連れて行ける限り病院に連れて行こうと思っていましたが、それも難しくなり、往診に切り替え、出来る限りの訪問看護とヘルパーさんに来てもらい、あとは家族がローテーションを組んで介護にあたりました。

とにかく家族全員が横浜市内在住で近く、人数も多く、一人の負担が少なかったことも幸いでした。

しかし、母自身の「延命治療はしない」という気持ちと、「1日でも長く生きて欲しい」という子どもたちの気持ちのズレは辛いものでした。80近い体での闘病は辛かったと思います。自分自身に置き換えても延命治療はしなかったかも・・・と思います。その状況にならないと本当の当事者の辛さ、気持ちは解らないと思っていますが、その分、私が最後まで心がけたのは、「対面で話をする」ことでした。

同じ親に育てられたと言っても、人の意見は皆それぞれ。その子ども達が自分の母親の最期を決めないといけないと悟ったとき、「対面で話をする」ことは必須で、更に、第三者(医者や看護師、、ヘルパーなど)の助言や立ち合も重要なんだと思いました。

私は時間がある限り母と話をしました。私に話せない弱気な内容は言わないかも知れないから、訪問看護士に頼み、辛いこと、希望などを聞いてもらいました。延命治療に関しては医者の前で本人の意志を聞きました。今でもこれで良かったのか、もっと出来ることはあったのではないだろうか? と思うことがあります。でもホームドクターや訪問看護士から、

「教科書に載せたいくらいの素晴らしい在宅医療の最期でした」
「○○さん(母)だから、自宅で息を引き取ることが出来たんですよ。選ばれた人しかできないです」

と、言われ気が楽になりました。

母と話し合い、奇跡的に自宅で看取れたことは、私の今後の人生についても大きな影響を及ぼすでしょう。私は母と徒歩10分程の距離に住んでいたので、少しの時間で会いに行くことが可能でした。遠方だったらこうはいかなかったと思っています。それでも、現代はネットの環境が整い、スマートフォンでも気軽に顔を見ながらトークができます。便利なツールも駆使しながら、今年も私はリアルコミュニケーションを心がけ、仕事もプライベートも精進していきたいと思います。

次回は「今後の展開」です 

(第17回了)

筆者紹介

 
本 名 平安山 美春(へんざん みはる)
略 歴 1973年横浜生まれ。
高校時代に米国イリノイ州立ネーパービルノース高等学校に留学し、本場のアートと最先端のコンピューター技術を学ぶ。
 
帰国後、東京工芸大学 画像工学科(現メディア画像工学科)にて色彩画像工学を学び、卒業後、画像加工技術を活かしたグラフィックデザイナー兼DTPディレクターとして制作会社に勤務。
 
2003年長女出産を機に退職、フリーで活動を始める。
Photoshop歴25年。2児の母。
 
現在は、DTPやWEB関係の制作や解析業務、ワークショップ形式を用いた様々な講座やイベントを主催する傍ら、自分の技術を福祉の役に立てたいと考え、精神障がい者が作る自主製品のアートディレクションなども手掛けている。

 

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