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きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき 一人かも寝む

by staff on 2020/2/10, 月曜日

♪ きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき 一人かも寝む ♪



絵・千絵崇石
 

読み人:後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)

歌意:コオロギが鳴く霜降る夜。寒々とした筵の上に衣を敷いて 私は一人で眠ります。

百人一首に記されているお名前の中では2番目に長いこの歌人の本名は藤原良経さん。ちなみに一番長いのは彼のおじい様で、藤原忠道さんの 法性寺入道前関白大政大臣。藤原良経さんは平安末期から鎌倉時代に入ったころに生きた貴族。歌人で書家。ちょうど源氏と平家の政権争いの渦中に生まれて、高倉天皇、安徳天皇、後鳥羽天皇、土御門天皇、の4天皇に仕えました。彼のお父さんは、激動の時代にうまく立ち回って一見日和見的なスタンスを取っていましたが、それでも政権争いに巻き込まれ、失脚して第一線を退きます。

息子の良経さんも蟄居を命ぜられますが、後鳥羽天皇の時代になって、政権に復活。大政大臣にまでなりました。書家としては後京極流と言われる流れを作った方で、日本中が揺れ動く、大変な激動時代に彼が残したいろいろな書物は今では貴重な文献となっています。

後鳥羽院制の下で始められた新古今和歌集の撰者に選ばれ、冒頭の仮名序を残しています。この時代は、朝廷が力を失い、武士が権力を握り、それぞれが信望する仏教に力を注ぎ、僧侶たちも武力化してお互いの僧門のチカラを競い合うという権力争いに明け暮れていた時代です。その真っただ中に生まれた文化人の良経さん。時代が時代ならサラブレッドとして、才能にあふれた若者として、優雅に楽しく生きていたのかもしれません。

亡くなったのは38歳。突然亡くなったので一説には、刺殺されたとも言われています。そんな時代に育った彼の作風は世の移り変わりに対しての無常観にあふれ、移ろいゆく栄枯盛衰への達観とした和歌が残されています。又書家としての実力は相当なものがあったようで彼の書のスタイルが鎌倉中期には一世を風靡しました。

もっともっと彼の事が書き記されたエピソードが残っていても良い才能あふれる歌人なのですが、時代が時代なだけに他の事件やドラマチックな出来事が多発していて、一人の青年としてどんな若者だったのか全く記録が残されていません。彼が生まれて生きた38年間の間に4人もの天皇が即位している事によっても狂乱時代であった事がうかがわれます。

高倉天皇は20代で崩御 その後の安徳天皇は 壇ノ浦にて平家一族と共に入水された時は6歳でした。そして後鳥羽天皇、土御門天皇、と目まぐるしく移り変わる暗転直下。その後、百人一首でも最終の和歌として残されている順徳天皇が即位されて、最後には後鳥羽上皇と順徳院が幕府と対立して敗北。完全に天皇主権の時代は終わりを告げるのです。

桓武天皇から始まり、約400年の長きにわたって続いてきた平安時代の終焉。そんな流れの中38歳の大政大臣として亡くなった良経さん。彼の最後の業績は自宅で開催した「600番歌合」。判者に藤原俊成を招き、作者は藤原良経、藤原定家、慈円、顕彰等12名の作者があらかじめ選んでおいた和歌1200首を二つに分け600番の歌合せとしてその時代の和歌の風潮や美意識などの全てにわたり活発な意見を取りかわして行われた歌合わせでした。後の勅撰和歌集や新千載集等に多大な影響を及ぼしたと伝えられています。

(早苗ネネ♪)

 

迎春

 

ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)を立ち上げました

日本古来の大和ことばで綴られた和歌を現代の調べにのせて歌う「和歌うた」。私 早苗ネネはもう20年近くこの「和歌うた」を歌い続けています。お蔭様で、じゅん&ネネと共に「和歌うた」は私のアーティスト活動の中心軸となり、多くの方々からご支援を賜り各地で和歌うたライブを開かせて頂いております。

この度立ち上げたネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)は、「和歌うた」とHULAや太極拳などの異文化や全国に受け継がれている伝統文化とのコラボレーションをはかります。世界の民族が持つ固有の文化とその文化の根底にある言霊が「和歌うた」と融合することで生まれる新しい表現をみんなで共有する取り組みです。

「和歌うた」のライブは歌い手と聴き手という構図です。ライブ会場はみんなで一体になって盛り上がりますが、歌い手と聴き手という構図は否めないものがありました。ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)ではワークショップ形式で参加して下さったみなさんと一緒に作品を作り上げていきたいと考えております。みんなで作った作品にはみんなの愛情が込められています。出来上がった作品はみなさんの元気の源の一助になることでしょう。

ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)Official Website:
nenegoose.love

 

三十六歌仙CDアルバムによせて

 

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。

和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

早苗ネネ/京都・高台寺 北の政所・ねねさまに捧げる三十六歌仙 『和歌うた』CDアルバムは、 ヨコハマNOWオンラインショップ で販売しております。

 

早苗ネネさん 和歌うたLIVE

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
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