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オアシスデラーナ代表 小野寺知恵さん

by staff on 2020/5/10, 日曜日

神奈川区の大口商店街では『まちゼミ』という取り組みをしています。店主やスタッフが講師になって、専門知識や得意とすることを無料で教えるという取り組みです。大口商店街からちょっと外れた所にあるオアシスデラーナも、この『まちゼミ』に参加し、美と健康などをテーマにいろいろな講座が開かれています。また1月には『音楽サークル』を立ち上げ、障がいの有無に関わらず、人と人とが音楽で繋がる活動を始めました。今回はオアシスデラーナ代表小野寺知恵さんからお話を伺います。

小野寺知恵さん
オアシスデラーナ代表
小野寺知恵さん
 
お名前 小野寺 知恵(おのでら ともえ)
お生まれ 1970年8月(横浜市南区)
お住まい 神奈川区大口
ご家族 夫 息子 犬 猫
お仕事 オアシスデラーナ 代表
(一社)エスバイシーーベネフィット協会 理事
『オフィスの保健室』等でのセルフケア講師
コミュニティスペース提供
大口まちゼミ会場提供
音楽サークル代表
趣味 歌 旅行(地域交流)

 

大人しかった少女時代

大人から「子供らしくない子供」って言われていました。ぬりえや折り紙でひとり遊びをしているような、無口で大人しい子供でした。性格が暗いわけではありませんよ(笑)。
今思うと周りをじいっと観察していたのかもしれません。
小学校では国語が大好き。教科書を音読するのが好きでした。音楽も好きで、鼓笛隊や合唱部に入りました。先生が厳しい方で腹式呼吸と腹筋を鍛えられました。合唱部ではコンクールに出たこともあります。腹式呼吸のお陰で発声が良くなり、学芸発表会で『ごんぎつね』のナレーションをしたのが思い出です。

自分をみつけた中学時代

中学生になって「環境が変わったら自分も変われる」と思い、スイッチが入ったように積極的になりました。中学時代はそれぞれが個性を主張する時期だと思います。「もっと自分を出そう」としていた私を友人は理解してくれて、家族といるより友人と過ごす時間が楽しいほど本当に良い友達に恵まれたと思います。
中学でも合唱部に入りました。大勢が協力して1つのものを作り上げるには、個性を主張し始めた頃でもありストレスもありましたけれど、それに勝る達成感を味わうことができました。

歴史から多くを学んだ高校時代

県立高校に入学して、軽音楽部に入りました。中学校の合唱部で体験した『達成感』を期待して入部した軽音楽部でしたが、チームで何かをやるにはメンバーが少なくバラバラな印象だったのでがっかりして半年で退部しました。見切りをつけるとその後の行動が早いのは今も変わりません。(笑)

帰宅部になったのでアルバイトを始めることにしました。友人と3人で近所のスーパーのレジ打ちをしました。昭和が終わる頃のことです。町全体がまだアナログの雰囲気でしたから、お客様、特におばさん達が声を掛けてきました。短い時間のおしゃべりでしたが、見ず知らずの方とお話をする機会はそうはありません。いろいろな年齢層の方とお話できたのがとても勉強になりました。

クラス委員や文化祭の実行委員はなり手が無く、皆がやりたくないことを引き受けて『やる』ようにしていました。『やる』からには自分がやりたいように『やる』をモットーにアイディアを出し、企画することが好きでした。

文化祭ではカレー味、ケチャップ味の焼きそばや、『たこ』じゃない食材を使った『たこ』焼き(注1)を販売したり、ロゴやイラストを描いてオリジナルTシャツを製作したり・・・中心になって現場を取りまとめるのが得意でした。

授業科目では『歴史』が好きでした。特に日本史が好きで、歴史の中でも「人」に関心がありました。天下分け目の関が原の戦いも、そこに関わった「人」の生き様や「ターニングポイント」その時、なぜ人がそう動くのか」ばかり考えていました。

『歴史』は過去のことですから、原因となったこととその結果を見ることができます。不幸な結果ならば、不幸にならないようにどこでどう動けば良かったのかを読み取ることができる『お手本』のようなものです。『歴史』には『お手本』が沢山ありますから私の「人」に対する関心が高まったことは言うまでもありません。

高校時代は沢山の本を読みました。歴史や時代小説の他には「自己啓発本」も読みました。古典も好きで『源氏物語』はいろいろな方の現代語訳を比較しながら読みました。和歌を詠むことは詩を書くことに通じていて、今では作詞ができるようにまでなりました。可笑しな話ですが、昔から平安時代の十二単を着た女性が憑いているように感じることがあります(笑)不思議でしょう?!

源氏物語絵巻から

注1) 令和2年の現在では珍しくもなんともありませんが、当時はカレー味の焼きそばとかチーズやたくあん、餡子などを入れたたこ焼きには皆が驚くほどでした。

華やかな世界で感じた矛盾

子供の頃に大人びていたせいでしょうか。早く自分の世界を創りたいと思う気持ち、経済的にも自立したいという気持ちが強く、高校卒業後は早々と就職を決めました。担任や顧問からは銀行や証券会社を薦められましたが、堅苦しい型にはめられて不自由そうに思えてしまい、大手化粧品メーカーS社を選びました。

もともと美容とメイクに興味がありました。「自分に自信がない」と消極的だった方が、メイクの力を借りて、ちょっと外観を変えることで、性格が明るくなったり、積極的になったり・・・それが自信に繋がっていくことに興味がありました。人が『変化』することに関わりたいと思って選んだ仕事でしたが、女性特有の上下関係や謂われもない嫌がらせなどに振り回される現場をみていると黙っていられなくなることがありました。

私はこの仕事が好きで会社に入ったのですから、仕事以外のことで『辞めたい』と思わされることは避けたいと思いました。「うまく社会でやる」には、ある意味『処世術』が必要です。誤解を招くような言葉や仕草は避け、卑屈にならず凛としていること。『媚びない』『泣かない』を心に決め、堂々とした態度で居ることで、いじめても面白くない対象となり、同僚が辞めていく中、一流百貨店のコスメコーナーやホテルのインポートブティックなどへ派遣されることが増えました。
百貨店では一流の接客が求められ『おもてなし』の精神を学びました。360°どこから見ても姿勢や笑顔、立ち居振る舞い、商品の説明はもとより店内案内も完璧にこなすことが求められました。会社の看板なのだから女優であれと教育されました。

同じS社からの派遣先にはスーパーやドラッグストア、町場の化粧品店など様々ですが、百貨店に出向できるのはトップクラスの販売員でした。当然販売目標は高くて、それがジレンマになりました。売ることを優先したら、必要としない人にも勧めなければなりません。自分の中で「本当のサービスって何かしら?」という疑問が湧いてきました。

接客のマナーとプロ意識を学び貴重な経験ができたことに感謝し、その気持ちを胸に新たな道に踏み出すことを決めました。

信じた道を進もう!

100人のお客様がいらしたら,100通りの希望に応えられる店を作りたいと思い独立を決心しました。大口駅前にエステ・コスメ『ラーナ』という店をOPENしました。5年後に同じ地域の入江2丁目に移転リニューアルし『オアシスデラーナ』と改名。美と健康、癒しのメニューに加えコミュニティスペースも併設しています。起業家にコンサルティングをしながら『シェア・パートナー』として顧客とスペースのシェアで支援を行っており、現在約10名のパートナーと連携して活動しています。

ここで開かれるイベントや講座には老若男女、障がいをお持ちの方、子育てママ・・・だれでも参加できるコミュニティ、つまり人を繋ぐ場づくり。職場や家庭とは異なるもうひとつの居場所づくり。差別の無い社会を作るには、一緒に交流できる場やイベントが必要です。
今年(2020年)1月18日に発足した「音楽サークル」のことをタウンページ神奈川区版(1月30日号)で紹介されました。障がいのある人の活動をサポートする地域活動支援センター・むすびの施設利用者とサロンのスタッフで行ったイベントですが、もっと地域の方々にも参加してもらえるような活動にしたいです。

例えばエステは顔や体だけの美容ではありません。心や精神の健康も美容に繋がります。それが予病になると考えています。医療従事者ではありませんから、薬で治すことはできませんが、一人ひとりに寄り添い、自分でできる予病方法をアドバイスするセルフケアを伝えたくて講師をしています。

企業向けには『オフィスの保健室』を定期的に行い、働く人々のストレス解消の糸口を見つけるお手伝いを行っています。欧米ではストレスが溜まると『カウンセラー』に相談する方法が一般的ですが、日本ではまだまだです。体の不調を相談するだけでなく社外の専門家に悩みを話すことで気が晴れたり、不安を解消したりできることがあります。伺った内容を整理し、セルフケアのアドバイスをしています。

魅力的なひと、もの、ことを繋ぎたい

講師、司会など人前で話すことが多くなり、ボイストレーニングも始めました。話し方、声の出し方は仕事はもちろん子供のころから好きだった『歌』にも繋がり、社会人バンド“Blue Moon”を結成。もちろん私はヴォーカルです。コミュニティスペースや近くのお店を借りてライブもやっています。お店のお客様やシェアパートナー、仲間や近所の方々が遊びに来てくれます。

C.Pファクトリー(注2とはイベントで販売されていた商品が気に入って「私のお店に置かせてください」と話したことから繋がりました。代表の平安山さんは西区の精神障がい者が通う地域活動支援センターで、自主製品のアートディレクションをしている方です。センターに通われるほとんどの人は、作業にやりがいや価値を見出すことが難しいそうです。でもみんな、自分が作ったものが売れると、作る達成感と他者から認められることが嬉しいといいます・・・そんなお話を聞いて繋がった平安山さんは同じく(一社)エスバイシーーベネフィット協会の理事・講師になりました。
セルフケア講座の講師として平安山さんのお話も聴く事ができます。
他にも様々な講座を開いておりますので気軽に覗いてみてください。

注2) C.P.Factoryはこちら: https://cpfactory.jp/

あなたにとっての横浜とは?

この横浜で培った経験を地方の活性化に繋げたいと地方に出かけ種を撒いています。地方と横浜も繋げたいです。
私にとっての横浜は、「歴史をつくる場所」
~私たちの経験と軌跡を後世に伝え、次世代に生かしてもらうことで命を繋いでいきたい~

(文:高野慈子 写真提供:小野寺知恵)

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
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