ゆるマナー講座(第56回) 時代を生きるしなやかさ
マナーアドバイザー/フレアLLP 岡田 承子
前々回、オンライン化について触れました。オンラインの受講も工夫次第で楽しそうだとか、今ひとつ他人事だったような気がします。ところが緊急事態宣言が出され、急転直下、正に自分事になってしまいました。
オンラインで繋がる
会議や打ち合わせだけでなく、大学の授業もオンラインとなり、慣れない操作に四苦八苦。授業で使う資料もオンライン用に作り替え、どうやったら学生が90分を飽きることなくちゃんと聞いてくれるかを考え悩み、授業の後では一人反省会。時々、仲間とお互いに情報交換しながら、少しでも取り入れられるものは取り入れようと試みています。超のつくほどアナログ人間のささやかな挑戦です。
学生はというと、入学したものの一度も通学できない、学校だけでなくアルバイトにも行けない、就職活動もままならない等、さまざまな状況を抱えています。オンライン授業の受講も初めての学生が多くいますが、柔軟な頭の彼らはすぐに慣れてしまい、長い授業もそれほど苦痛ではなさそうです。
オンラインでも、とりあえず授業が始まったので、生活のリズムはできているように感じます。欠席も遅刻もほとんどいません。ちょっとホッとしているところです。
これはほんの一端。
オンラインで繋がる波は、身の回りでも急速に、確実に、広がっています。
距離も時間も費用もかけずに、遠くに住む人と簡単に、自宅にいながらゆっくりと話ができる。世界中どこでも、それも大人数でも可能。この気安さを知ってしまうと、これは手放せないと思ってしまうのです。
前に進むチカラ
一方、足を運んでもらわないと困る場合もあります。
友人は小料理屋をやっている女将さん。お客様に来ていただき、お料理を楽しんでいただくのが仕事ですから、今回の緊急事態宣言は大打撃でした。
そこで彼女は次々と対応していきました。
まずは、完全に閉めずに営業をできないかと考え、営業日、営業時間の短縮。
テイクアウト用の料理を作り予約を受けて販売(これで受け取る時に密にならない)。
当日購入のお客様でお待ちになる方用にシールドを立てた一休みスペースを設け飲み物サービス。
自粛一部解除後は、予約のお客様をお座敷・ホールとも一組限定(2~3名)で再開。
その間にも、マスクを作ったり、お酒のテイクアウトが可能になる「期限付き酒類小売業免許」を取得したり、お店の写真を撮って「オンライン飲み会」用のバーチャル背景を作ったり、テイクアウトの料理をSNSに載せたり(その前にさまざまに試作していますが)・・・。
大忙しですが、へこたれていません。
もちろん、同業者で同じように対策を講じながら、この苦境を乗り越えようとそれぞれに知恵を絞って対応している方も多くいらっしゃいますね。
しなやかに生きる
どのように努力してもお店の継続を断念せざるを得ない状況になった方もいる現実は消せるものではありません。それでも彼女の生き方を見ていると、どんな時代にあっても、どんな世の中であっても、時代を乗り切る「しなやかさ」のようなものを持つことの大切さを実感します。
新しい生活様式が求められるようになり、今後マナーの形も変わっていくことでしょう。私たちの知っているマナーが時代にもまれながら今のような形に変化してきたように。
握手もハグも名刺交換も、どのようになるでしょうか。
これからの社会がどのように変わっていくかは未知ですが、変わらないのは、人を思いやる「こころ」だと信じて、私たちの祖先がどのような状況をも乗り越えて今に繋いでくれたように、私たちも今をしなやかに、やわらかく、生きていかなくてはと思います。
筆者プロフィール
![]() |
岡田 承子(おかだ しょうこ) 携わる。現在は、自治体、企業での接遇研修や、NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師として大学で指導をしている。 |
![]() |
柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ) 座を行っている。NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師。 |
本の紹介です |
「ゆるマナー 始めましょ」 |
ヨコハマNOW 動画
新横浜公園ランニングパークの紹介動画 | ||
![]() |
ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
横浜中華街 市場通りの夕景 | ||
![]() |
横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。 |
Comments are closed.