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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第88回)

by staff on 2020/7/10, 金曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第88回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

14世紀に欧州で大流行したペストは人口の3分の1が死亡。人口減少が封建社会変質の一つの要因に。 “新型コロナウイルス” も世界を大きく変えそう。14世紀のペストはルネサンスを準備。新型コロナウイルスも “21世紀ルネサンス” を準備することに。トラブル満載の現実は想像力を掻き立てる起爆剤。世界はフラットでなくデコボコ。未知のウイルスも含めて考えれば、今後100-200年はずっと人類に大きな影響を与えそう。これからは義務としての仕事でなく、喜んでやる仕事を見つけ出すことが必須のテーマ。ピカソは、自分がやりたいことを好きなようにやれる環境を自力で開拓。これぞ今後の生きる指針。世界は複雑性を増し、要因と結果の関係も一律的判断は不可能。人体も複雑システム。腹痛のツボの一つが背中、腰痛のツボの一つが腹。 “実数” から “複素数” の世界、猛進だけから逃散も織込む世界へ。梁塵秘抄では “吹く風に 消息をだに 托けばやと思えども よしなき野辺に 落ちもこそすれ” とあります。風の便りは確かな消息とはならないこと。 “試合前の独自の2時間体操はリベラルアーツ” とイチロー。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

創造的階級の台頭、とリチャード・フロリダ 仕事と人生に創造的に立ち向う
自らクリエイティブな場所に住みたいと思う人々が新しい社会をつくる時代へ
組織の都合で移住するのではなく 組織の側が働く人の暮らしたい地域に立地
仕事と文化をリンクさせる 新たな仕事文化の場を創造 ヒトには詩情も必要

テレワークの動きが表舞台に。仕事の成果が明確に問われることは不可避。テレワークこそ、目に見えてないことを見える形にするチャンス。 “価値観・アイデア” と “直感・適応力” が基本軸。仕事と人生に正面から立ち向かう人間の出番。創造的階級は、都市空間を選ぶ時代からネット・コミュニティ空間を選ぶ時代へ。底辺からひっくり返す “グレート・リセット” 。稼ぎだけでなく、才能や能力を鍛える環境の実現。都会も地方もなく、自分の意志で新たな空間を構築。 “内容を惜しんじゃダメ。今やれることを全部吐き出す。後になれば、また新しいアイデアが出てくる” と脚本家・橋田寿賀子。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

業績評価制度の狙いは 部門責任の遂行を促進、部門業績・全社業績の達成を図る
評価の基礎となる業績目標・評価尺度の設定を通じ各部門目標と責任範囲の明確化
成果をきちんと測定 腕力での繁栄はあり得ない、しっかりした道徳と文化が根底
憧れの明日はやがて平凡な今日に変り灰色をした昨日になっていく、と与謝野晶子

与謝野晶子が残した歌は約5万首。一方で12人の子だくさん。亭主の与謝野鉄幹の稼ぎが芳しくなく孤軍奮闘。くる仕事はすべて引き受けなければ家計が成り立たず、歌集の原稿料を前払いしてもらっていたとも。それでも鉄幹のいるパリへ。渡航資金はなくとも目的だけは明確。目的が明確であれば手段は知恵一つ。お金がなければつくるまで。この突破力が歌を創るパワーの源泉。欧州での4か月間、イギリス・ドイツなども訪問、体感をフル稼働させ人間世界・文明世界を吸収。エッセンスは、求めるべき第一の権利が教育の自由であること。 “想像力は人間の諸能力の女王” と詩人・ボードレール。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

マーケティングの権威フィリップ・コトラー 市場変革期の点検ポイントの具体策
市場の変化とは顧客の行動の変化 新価値をどこに見出すか、何を大切と考えるか
顧客が渋れば第二・第三の商品の検討 物流・顧客サービスの点でも見直しを図る
不要サービスを削る 今後どこと組むか・自社イメージを損ねている要因はなにか

フィリップ・コトラーといえば、世界を代表するマーケティングの権威。世界の俊英が米ノースウェスタン大学ケロッグ校へ殺到しました。市場変革期の点検ポイントは “新価値をどこに見出すか” “何を大切と考えるか” 。顧客が歓迎しないなら、第二・第三の商品の検討や物流・顧客サービスを見直すこと。マーケティングの4Pにpublic opinion(世論)・processes(プロセス)・physical evidence(物的証拠)などを加えたことでも有名。要は、顧客の自己実現を支援・促進するような商品やサービスを開発すること。 “何かがアルことよりも、何かがナイことに惹かれる” とプロデューサー・川村元気。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(九)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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(第88回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(九)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

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