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楽しい文字の世界(第23回) 面白漢字 生き物編

by staff on 2020/8/10, 月曜日

第23回 面白漢字 生き物編

以前にもテーマにしたことがありましたが、同じ漢字を2つ横に並べてできる漢字や面白い形をした漢字を理義字(りぎじ)といいます。また、同じ漢字を上に1つ、下に2つで3つ重ねた漢字を品字様(ひんじよう)と言います。
その中には生き物の漢字を重ねる文字が多くあります。動物によって、2匹3匹と重ねた時の意味がとても面白いので今回はそこに絞って「面白漢字ベスト10」を作ってみました!
1.2.3…沢山などとも言いますが、どの漢字も、共通して生き物が3は「たくさん」を意味します。

1位は 「犇(ひし)めく」

牛+牛+牛
意味「牛が驚いていっせいに走り出す。ひしめく。押し合いへしあいする。」
塊になってどどどどどっ!!という感じが文字から伝わります。

2位は 「猋 つむじかぜ」

犬+犬+犬
「犬がさっと走り抜ける様子から、渦を巻きながら吹き上げる風、つむじ風。」
牛と比べ、犬は軽く駆け抜ける感じを受けます。

3位は 「麤(あら)い」

鹿+鹿+鹿
意味「鹿が連なって遠くへ走って行く意味を表す。お互いの間が透けて見えた様子から、ばらばらになる、ざっと集まっている、きめが粗(あら)い。」
確かに牛の塊と比べて、透けた感じは伝わりますね。この違いがとても面白いです。

4位は 「龘 トウ」

龍+龍+龍
意味「龍が空を行く様子」
龍は普段水中や地中に住み、いざと言うとき空中を飛行して、雲や雨を起こすと言われていました。
幸運を運んでくれるとも言われる龍が空を行く様子は、上を向いて生きる力が湧いてくる文字に見えます。

5位は 「驫 とどろき」

馬+馬+馬
たくさんの馬がかける様子。
多くの馬が駆ける音を「とどろく」(響き渡る)と表す。たくましくもあり、高貴な感じも受けます。

6位は 「羴 セン」

羊+羊+羊
意味「集まるの意味。生臭い。こってりしすぎて、しつこい。」
古代中国において, 羊はもっとも大切な家畜であり、大切な供え物でありました。そこから生き物の「生臭い」がとても身近だったのだろうと想像できます。

7位は 「贔 ヒ、ヒイ 」

貝+貝+貝
意味「貝(財物)を3つ合わせた文字で、重い荷物を背負うことを表す。力を出す、そのもののために力をだす。」
御贔屓(ごひいき…自分の気に入ったものを特に可愛がって力を添えること。)がなぜ貝かというと、ここから来ているのですね。

8位は 「虤 ガン」

虎+虎
意味「虎が怒る。虎のように怒る様子。」

9位は 「鱻 セン」

魚+魚+魚
意味「魚の肉が生で新しい。小さな魚。」

10位は 「蟲 むし」

虫+虫+虫
意味「もともとはマムシを表すが、一般的に虫を代表して、たくさん数の多い虫を表す。」

筆者紹介

 
書家名 粟津 紅花 KOUKA AWAZU
本 名 粟津 絵里 ERI AWAZU
略 歴 愛知県生まれ。 横浜市在住。
3歳から筆を持ち、書を学ぶ。
銀行勤務を経て紅花書道塾を主宰して26年。
現在10か所の教室で門下生を指導。
また古典書道の作品制作に加え、店舗ロゴ、商品ロゴ、ポスター等のデザイン書道を手掛ける。
書道パフォーマンス、障害をお持ちの方への書のボランティア指導、セミナー講師などにも力を入れるなど、国内外で幅広く活動中。
読売書法会会員。
謙慎書道会会員。
横浜書人会審査員。
日本デザイン書道作家協会正会員。
カルチャーセンター講師。
著 作 法華経書写書き込み練習帳―釈尊の究極の教え
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