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書評 「大丈夫! 雲の向こうは、いつも青空。365日を「日々是好日」にする禅のこころ 」 実業之日本社 松原正樹(著)

by staff on 2020/10/10, 土曜日
 
タイトル 大丈夫! 雲の向こうは、いつも青空。
単行本 208ページ
出版社 実業之日本社
ISBN-10 4408339210
ISBN-13 978-4408339214
発売日 2020/4/10
購入 大丈夫! 雲の向こうは、いつも青空。 365日を「日々是好日」にする禅のこころ

そうなんだよな! と題名を見て手に取った。コロナの閉塞感のなかで、なにか手がかりがないかと考えていて、「雲の向こうはいつも青空」のフレーズが勇気を感じさせてくれた。

最初に出てくるのが、次のフレーズでした。「Zen helps me」でした。著者は松原泰道さんのお孫さんで、松原哲明さんがお父さんでした。現在は、ブラウン大学宗教学部などで、非常勤講師として「白隠」を教えておられるという。佛母寺の住職さんですが一年の半分以上をニューヨークで過ごされているそうです。

「ポーズ!」
「イラッとしたり、カッとなったりすることは、誰にもあります。人間ですので感情があるのは当たり前ですし、むしろ、感情があることが生きている証拠でしょう。感情というのは、自然と湧き起るものですから、それは仕方ありません。カッとしたりムッとしたり、あるいはしゃくりあげるほど大泣きしたりするのは、それ自体は悪いことではありません。感情は、ため込むよりは発散した方がいいとも思います。」怒っている時に判断して、いいことはありません。「そういうことがしたくなったら、その時はいつもおもいだしてください。」「ポーズとは深呼吸することです。これは、強制的に行うべきものです。無理にでも、自分で自分の感情を“一時停止”させてください。カッとなっているときには、どんな判断もしてはいけない。言いたい言葉が頭に浮かんでも、ぐっと抑えなければいけません。」

「迷っても、大丈夫!」
「30年という長いご勤務、本当にご苦労様です。家庭と仕事の両方に責任を持ち、さぞや大変なご苦労があったことでしょう。これまでの30年間、仕事に心血を注がれてきた。それが、まずは素晴らしいことだと思います。」いまその会社から宣告外通告のような憂き目にあっているわけです。「人生の残り時間を考える意味ではいいチャンスだと思います。あと何年生きられるのか、と考えたとき、一番だいじなのは時間です。まず、あなたに対する“wake-up call”だと受け止めてみてはどうでしょうか。」大事なのはポジティブに考えること。「ポジティブに物事を考えると、不思議なことに自然とその道に必要なものが集まり、自然と人との出会いにも恵まれるものです。」人は一歩踏み出すときがとても難しい。「今回のことは、その難しい一歩へ背中を押してくれているのです。」「一度しかない人生を考えるとき、勝たないといけないレースなんてないのではないでしょうか。今まで会社に時間を費やしてきた分、これからは自分に時間を費やしていきたいですね。」

「不安いっぱいでも、大丈夫!」
「入社して1年とのことですから、まだ仕事のことも一部しかわかっていない頃だとは拝察します。果たして本当に向いてないのでしょうか。結果的には向いてないとしても、今そう断言するのは時期尚早なのではないかと私は思います。いまの仕事のすべてがつまらないことばかりではないと思うのですが、どうでしょうか。あまりいっぺんに大きなことを考えずに、まずは身の回りに小さな喜びを探してください。」それはお客様や先輩から“ありがとう”と言われた。“訪ねてこられたお客様に笑顔で対応してもらえた”というようなことだと。
「いまあなたは、仕事を通して充実感を得たいと思っています。それは誰でもが望む人生ではとても大事なことですが、いったん視点を変え、自分以外の誰かを喜ばせよう、と考えてみてください。職場ではとてもそんなことは望めないというなら、一緒に暮らすご家族でもいい。」「相手が喜ぶために自分は何ができるかを考え、実行する。喜んでもらえたら、さらに喜んでもらえることを考えて実行する。それを繰り返していくうち、必ずあなたの中に喜びが生れます。」

「つらくても、大丈夫!」
「つらさの原因の一つは執着です。失ってしまったものに対する執着。あるはずだったと思う未来への執着。今あるものを失いたくないという執着。こうなってほしいという執着などなど。それらが苦しみを生み出します。実は“死”というのは独立した“点”ではなく。“生”というラインの沿線上にあるものです。」「人は誰も、誕生日ごとに死に近づいている。実際は毎日毎日、1秒1秒、死に近づいている。人生というラインの戦場に、いつの日にか”死“のポイントが表れる。”死“も、あなたの未来です。」そう考えると、死は逃げたり避けたりするものでなく、積極的に向かい合うものだということに気づくでしょう、と言われます。「私たちがコントロールできる”今“をしっかりすることによって初めて、未来をコントロールできるようになるのです。そう気づいたとき、今生きていることへの奇跡や喜び、感謝の方に目をむけることによって、これまでやみくもにとりつかれていた”死にたくない“という生への執着から離れることができます。」

「さびしくても、大丈夫!」
「あなたは“自分がいなくても誰も困らない”と感じているとのことですが、絶対にそんなことはありません。あなたに代われる人間は、ほかに誰一人存在しません。あなたの人生を代わりに生きてくれる人はいません。あなたという存在は、独自の存在であり、掛けがえのない、代わりのきかない存在です。あなただけなのです。」私たちは一人では決して生きていくことができません。「あなたはお一人だと感じているかもしれませんが、今日の夕食のお米もお野菜も農家の方が作ってくれたものです。ガスや電気や水道も、その仕事に従事している人たちのおかげで、私たちは毎日不自由なく使えています。」どうか深呼吸して、窓を開けて空を眺めてください、と言われます。「この瞬間、瞬間に息をしていることこそが奇跡です。生かされている、ただそれだけで十分に幸運なことです。ただただ感謝しかありません。いつ途絶えるか予想がつかない、与えられた一瞬一瞬があなたへのギフトです。次の瞬間どうなっているかわかりません。楽しいこともあれば、つらいこともあるでしょう。さびしいこともある。それが人生です。」

「人生に忍耐は必要」
「1947年、ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャーであるブランチに見いだされてチームに加入して以来、ジャッキーは様々な嫌がらせを受けます。チームの定宿だったホテルからの宿泊拒否、試合中の相手チーム監督や観客からの嘲笑、仲間であるはずのチームメイトさえも彼を邪魔者扱いし、一緒に戦うことを拒否します。どんなときも“仕方ないや”という表情でじっと耐えていたジャッキーですが、ある試合でバッターボックスに立ったとき、会場にいる観衆たちから一斉にブーイングを受けてしまいます。おまけに、投手の球は、故意としか思えないデッドボール。さすがのジャッキーも怒りを抑えきれません。バットを持って激しい勢いでロッカー室に向かいながら、何度もバットをぶつけて叩き折ろうとします。そこにあらわれたのが、ジャッキーをチームに招いたブランチ。荒れ狂うジャッキーに、彼は言います。 “暴力で、強さを見せるな。耐えることで強さをみせてくれ”」
「相手に対して怒りを感じている間は、それは結局、相手の土俵にいるということです。相手を許したときにはじめて、すべての失念から解放されて自分自身の土俵に立つことが出来ます。だから、許すというのは相手のためにするわけではありません。自分自身のために、相手を許すのです。」許しこそが本当の強さだと語られます。

「人生にはいろいろなドアがあり、道がある」
「アメリカでよく使われる言葉に、つぎのようなフレーズがあります。
     “When one door closes. another opens.”
     (一つのドアが閉じるとき、もう一つ扉が開く)
ひとつ何かが終わっても、次の何かがまた始まる。もっとたくさんのドアがひらいているということを教えてくれるのです。」「ピンチはチャンスという言葉もありますね。パナソニック創業者の松下幸之助氏も、この言葉をよく口にされたと言います。人間は、長い歴史の中で、なにか辛いことや苦しいこと、残念なこと、不幸なことがあったとしても次のドア(=チャンス)があると自分を、あるいは他人を励まして歩んできたのです。失敗したら、取り返せばいいだけのこと。転んだら、立ち上がればいいだけのこと。落ちたらはいあがればいいだけのこと。諦めず続けることが大事です。あきらめないかぎりは負けなどないのです。」

帯の最後に「いまのあなたの悩みは、いつか人生の光になる」と書かれています。元気に悩んでまいりましょう。

(文:横須賀 健治)

 

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