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オールラウンドなドラマーとして活動する武田 剛さん

by staff on 2020/11/10, 火曜日

ドラマーの武田剛さんをインタビューするにあたって下調べをしていると「カルラ・トリオ」という和楽器を取り入れたジャズバンドのことがヒットしました。ジャズの即興技術を活かし、日々の営み、命のありかた、自然の素晴らしさ厳しさを和太鼓と篠笛とピアノで心の赴くままに表現するという「カルラ・トリオ」。自作の和太鼓ドラムを叩いているのが武田さんです。2012年にご自身が代表を務める音楽スクール「Music School More Harmony」を横浜で設立、また今年(2020年6月)リリースしたセカンドアルバム『龍との約束』などご活躍されています。今回は武田剛さんの過去・現在・未来のお話を伺いました。

ドラマーの武田剛さん
武田剛さん
 
お名前 武田 剛(たけだ たけし)
お生まれ 1981年12月 座間市
お住まい 横浜市港北区日吉
ご家族 妻 子(男の子x2)猫(オス)
お仕事 音楽スクール運営
ミュージシャン
HP http://more-harmony.jp/
趣味 音楽全般 アート/芸術鑑賞
映画鑑賞 読書 など

 

芸術家のDNAを持って生まれた

3人兄弟の真ん中に生まれました。2歳上の姉と2歳下の弟がいます。幼い時に両親が離婚し、女手一つで育てられました。僕にも5歳と2歳の男の子がおりますので、今思うと母の大変さが分かる気がします。母は文化芸術にとても理解のある人で、日本舞踊を習っており、家のCDプレーヤーからは長唄やJAZZなど、いろいろなジャンルの音楽が流れていました。 祖父は趣味で工芸品を作ったり水墨画を描いていましたので、僕はきっと祖父や母のDNAを受け継いだのでしょう。幼い頃から絵を描くことや音楽が好きで、大人になった現在でも文化芸術に触れることに幸せを感じられるのは、母や祖父の存在があったからだと思います。

自転車で冒険の旅に出た

高校生まで住んでいた神奈川県座間市は相模川が流れる田園風景がとても素敵な長閑な町です。小学校では美術や体育が得意で、とても活発な子供だったと思います。地元のお祭りではお囃子、運動会で催されるマーチングバンドではスネア・ドラムを担当しましたので、ドラマーの種はここで蒔かれたのかもしれませんね。中学校に入学すると、友達と自転車の遠出をするようになり、日帰りで海まで行ったり、山中湖や道志村あたりの丹沢を巡る一泊旅行をしたりと、今でも大切な想い出の一つです。中2の頃から仲の良かった友達がギターを始めまして、仲間で集まってはバンドを作って演奏というよりは遊びの一環でした。もっぱら僕のパートはドラムではなく『シャウト係』で、歌うというよりもいつも叫んでいましたね(笑)。

そしてドラムとの出合い

バンド仲間にドラムセットを持っている子がいまして、中学3年の時に譲り受けました。自分の部屋に初めてドラムセットを置いた時は、王様になった心地でしたよ。最初はスポーツ感覚で始めたドラムですが、音楽のカッコよさに魅せられて夢中になっていき、独学でドラムを勉強しました。中学卒業ライブをホールの楽屋兼リハーサル室のような場所を仲間で貸し切り、同級生を集めて自主開催の初ライブをした事はとても良い経験となりました。母が作ってくれた奇抜な衣装で登場しましたので、すごく盛り上がり、これも良い思い出ですね。

高校は軽音楽部でバンド三昧

中学ではバスケットボール部に所属していましたが、高校に入学すると軽音楽部とラグビー部に入部しました。ラグビーはルールも分からず試合に出場したりしましたが、結局1年で退部を決めました。一方、軽音楽部ではロックや ポップスを中心に仲間とバンドを組み、文化祭や新入生歓迎会などで演奏しました。充実した高校生活でしたが「朝寝坊」の癖がつき、遅刻しないようにローラーブレードで登校したりしました。時には廊下をローラーブレードで走って先生方の顰蹙をかったことがありましたが、「またタケがやっているよ」と諦めの境地だったかと思いますよ・・・

大学そして社会人。 渡辺文男さんとの出会い

大学は短期大学の経営学情報科でした。短期大学は女性が多く、軽音楽部のドラムはほぼ独り占めで、勉強そっちのけでドラム三昧でしたね。大学生活は短く周りは就職活動や他大学への編入準備をする中、「自分のなりたいもの」 「自分のやりたい事」がようやく見つかり、人生を『ドラム』に掛けてみたいと、この頃に決意しました。

そんな折に、ふとつけたTVでJAZZの演奏が放映されてました。その時に演奏されていたのが渡辺文男さんで、もう一目惚れでしたね。

自宅近くのJAZZ喫茶に文男さんが出演しているのを知り、初めてJAZZクラブの扉を開け演奏を聴きに行きました。まだJAZZのことなどよく分からない中、厚かましくも文男さんに「ドラムを教えてください」とその場でお声を掛け、弟子入りを果たしました。

文男さんからはテクニックやノウハウを習うのではなくて、人としての生きざまやミュージシャンとしての立ち振る舞いを学ばせていただきました。文男さんのご自宅へ伺うと、海外から送られてきた有名ミュージシャン(ドラマー)のライブビデオを一緒に見ながら 「ここが凄いんだ」 と感動を共有する・・・そんな楽しい時間の中で気づきや得るものが大きかったと思います。

並行して、アフリカンドラムを古澤良治郎さんに習いました。それまでは独学で譜面の読み方も曖昧な点がありましたが、古澤さんから基礎をしっかりと教えていただきました。JAZZドラムを渡辺文男氏、アフリカンドラムを古澤良治郎氏と日本を代表する両氏に師事できたことはとても幸運なことでした。

ミュージックスクール MORE HARMONY

ライブ活動やセッションをこなす日々が続き、いろいろなミュージシャンとの繋がりが出来て、おかげさまで演奏の仕事が入るようになり、同時にレッスンの仕事も増えてきました。レッスンで教える立場になって感じた事は、もちろん難しさもありますが、演奏活動同様に「楽しい!」 という気持ちが大きかったです。何よりドラムの楽しさ、音楽の素晴らしさを生徒さんへ伝えたい、知って頂きたいという一心でした。 その頃はいくつかの音楽スクールでドラムを教えていましたが、より多くの方へ音楽の素晴らしさを届けたい想いで独立をし、横浜に音楽スクール「Music School More Harmony」(http://more-harmony.jp/)を創設しました。

2012年に教室運営をスタートさせ今年で9年目となります。生徒さんの年齢層は幅広くお子さんからご年配の方まで在籍して頂き、様々な楽器や科目を学ばれています。

教室では楽器を教える → 習うの一方通行ではなく、先生方々や生徒さん達を交えたライブやセッション等、音楽を中心とした様々なイベントや企画を開催して交流し合い、皆さんへはより音楽を身近に楽しんで頂けるようにしております。何より僕が一番楽しんでいます。

あなたにとっての横浜とは

短大を卒業後に横浜で一人暮らしを始めましたが、暮らし始めて感じましたのは、文化芸術がとても盛んな印象を受けました。文化芸術が活発ということは、街が元気な証拠ですね。JAZZに限って申しますと、諸説ありますが、横浜は日本におけるJAZZ発祥の地という点から現在でも軒並みJAZZクラブがあり、毎夜素晴らしいミュージシャンによる演奏が繰り広げられています。

JAZZには「セッション」というライブとは違ったミュージシャンによる研鑽の場、交流の場、情報収集や交換の場がありまして、僕もセッションを通じてミュージシャン仲間との交流を深め、その輪を広げていくことができました。そうした横浜のジャズクラブで開催されるミュージシャン達とのコミュニティーの場では多くを学び経験をさせて頂きました。現在ではJAZZに限らず、ファンクやブルース、ロックなどジャンルを問わずセッションホストやライブをさせて頂いてますが、いつも新しい刺激や出会いがあり、また横浜のミュージシャン仲間と一緒に演奏できる機会はとても楽しく、僕にとって改めて「音楽って素晴らしいな」と感じられる大切な時間の一つとなっています。

僕が音楽から受けた恩恵の一つは 『人と人を音楽で結ぶ』 ことでして、今度は僕がそのコミュニティーの場を作り、それぞれの生徒さんをご紹介してバンドを作ったり、一緒にセッションや演奏して遊んだり、地域の方に音楽を聴いて頂いたりと、皆さんの新しい出会いへとつながっていけば幸いです。 また老若男女、年齢、性別はもちろん人種も関係なく一緒に演奏できる音楽は、とても懐の深い文化芸術だと感じていまして、その音楽を通じて人と人の出会いがあり、『人と人を音楽で結ぶ』場所を横浜に作り携われることをとても幸せに感じます。皆さんに笑顔の絶えない音楽ライフを送って頂きたく、これから僕自身も存分に音楽を楽しんでいきたいと思います。

人と人を音楽で結ぶ

バンド&CD紹介

ドラマー武田剛さんの呼び掛けのもと、結成された和楽器ジャズバンド「KARURA TRIO(カルラ・トリオ)https://karuratrio.wixsite.com/japanese-jazz」。 国内最高峰の『浅草ジャズコンテスト』で「グランプリ」と「浅草ジャズ賞」のW受賞をする。1stアルバム「KARURA TRIO」は世界最大級のジャズ専門店 diskunion Jazz TOKYOで週間売上ランキング1位を獲得。「JAZZ LIFE」「邦楽ジャーナル」「STEREO」各誌に掲載。またラジオ各局の放送により現代ジャズ・シーンで注目を集めるバンドとなる。 2020年6月に2ndアルバム「龍との約束」をリリースし、好評発売中。JAZZ×和楽器という新たなジャズのフォーマットを展開、深化させ生粋のJapanese JAZZを聴かせてくれる。 両アルバムのジャケットデザイン、アートワークは全て武田さんご本人の手によるもの。バンドでは和太鼓のドラムセットを演奏され、今後の活躍にも注目のバンドです。

(インタビューと文:高野慈子平安山美春

 

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