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書評 「毎日が楽しくなる素敵な色づかい――ときめく色に囲まれた、上質な日々の過ごし方」 クロスメディア・パブリッシング 横田 真由子(著), Cato Friend(イラスト)

by staff on 2021/1/10, 日曜日
 
タイトル 毎日が楽しくなる素敵な色づかい――ときめく色に囲まれた、上質な日々の過ごし方
単行本 208ページ
出版社 クロスメディア・パブリッシング
ISBN-10 4295404764
ISBN-13 978-4295404767
発売日 2020/11/20
購入 毎日が楽しくなる素敵な色づかい――ときめく色に囲まれた、上質な日々の過ごし方。

プロローグの言葉に気が止まった。「世界が静止してしまったような長いおうち時間を過ごす中、あるとき、マリーゴールドをテーマにした歌が流れてきました。」この次が「懐かしささえ感じる、そのメロディーと声に癒されながら、目の奥にはマリーゴールドの黄色い花が、緑の草原の中で揺れている風景が広がっていきました。」でした。イメージしていると次のフレーズに入るのです。「その場所には、燦々と降り注ぐ太陽太陽に抜けるような青い空。そんな背景をキャンパスにして、存在感を示すように、すくっと立つマリンゴールドの黄色い花が、ふあんだった私の心に希望という根っこを下してくれるように感じました。」と。

「色という気の粒子をまとう」というところで「白い手袋をはめて、私はガラスの戸棚の鍵を開け、小さなクロコダイルの真っ赤なバッグをお客様の前に、そっと置きました。」「この赤いバッグが入荷してきたとき、その色のあまりの美しさに息をのみました。凍りついた自分の心に、赤い血液が流れ出したような瞬間でした。“これを堂々と持てるような女性になりたい。”このバッグを見せてとおっしゃるお客様は、皆、色気のある、自信に満ちた華やかな方ばかりだったのです。」「色の気と書いて色気。気持ちが色づいていて、彩り豊な存在感を放つ人のことを“色気のある人”というのかもしれません。やる気・元気・勇気と気のつく言葉は他にもたくさんあります。目に見えない気は、その人の内側に薫るように存在していて、その人を包んでいる空気中にも粒子として飛んでいて、周りの人たちに伝染するのです。色という気をまとうことは、心に彩りの粒子を持つこと。その粒子は生命力の粒となって、人生を動かしていくのではないかと思います。」

「黒という色の奥深さ」というとこで「黒という色は、妥協や諦めで身に付ける弱い色でなく、意思のある強い色で、究極にお洒落な色です。着ている人の中身の充実度が出る色です。」「ライダースジャケットなどの辛口テイストで格好良く黒を着ている人、シンプルなブラックドレスを華やかに着ている人など、素材や合わせ方、小物使いで表情が変わります。」「おすすめは、自分が上品に華やかに見えるシンプルなブラックドレスを探してみることです。シンプルな黒ほど、素材や方の良し悪しが出ます。自分を美しく魅せてくれる納得した一着を選べたとき、黒がしっくり似合う大人への第一歩になるのだと思います。」

「春を引き寄せるスプリングコート」というところで「したての美しいコートは3メートル先からでも、分かります。ハッと目を見張る存在感がありました。計算しつくされた後ろなのです。春の始めに、こんな素敵なスプリングコートを着て、颯爽と歩いていた先輩の女っぷりは、確実に2割上がっていました。足取りも軽く、“春が来るよ”というワクワク感があふれているように感じました。ひと足先に、重いコートは脱ぎ捨てていたのです。」「本来なら追いついて挨拶するところなのですが、その後ろ姿を見ていたくて、3メートル後から、ずっとついて行ったことを思い出します。私もそろそろ、この思いコートとブーツを脱いで、うまれかわろうと思った瞬間でした。春のファッションは、重いものを脱ぎ捨てる解放感があります。」試着の際は、後姿のチェックを忘れずにと言われています。

「オフィスで愛される着こなしは“抜け感”」というところで「丸の内にて、ある日のランチ時のことです。“決め過ぎずハズすのよ。後輩から話かけられやすくなるから”と、明るいパステルブルーのシャツを着た30代の女性は、嬉しそうに言いました。これは、仕事のやり方の話かと思ったらファッションの事でした、自転車通勤をするようになって、パンプスをスニーカーにチェンジ。きちんと決めたいときは、会社のロッカーの置きパンプスと起きジャケットを着用というスタイルに変えてから、普段の着こなしも変わったとのことでした。」いまどきのファッションには、軽さや抜け感はハズせないものになっているようです。

「幸せを運ぶ ティファニーブルー 文具」というところで「私は大切な人へ手紙を書くとき、テイファニーブルーの封筒と便箋を使っています。この色には“大切なものを守る”という意味もあることから、大切な人との絆も守ってくれる気がします。このブルーの封筒をポストへ投函するとき、幸せの青い鳥が飛んで行くところをイメージします。

幸せを象徴する色と広く認知されているので、テファニーはブライダルギフトとして選ばれることも多いですね。友人へのブライダルギフトとして食器をプレゼントしましたが、箱を見ただけで、“わぁ、素敵!”と歓声をあげてくれました。そして、箱にかけられた光沢のある白いリボンは、幸せを願う気持ちをぎゅっと結んだ証です。そのリボンをゆっくりとほどくときの相手の笑顔を見ると、私まで幸せな気持ちになります。」

「ニューヒロインの水色のドレス ―映画」というところで「ディズニー映画“アナと雪の女王”は、子供だけでなく大人の女性にも絶大な人気があります。共感しながら何度も観たという方も多く、それは、大人の女性の“生きづらさ”が描かれているからだと思います。エルサのドレスは水色。水色には、精神性や哲学といった自分の内面に目を向けるというメッセージがあり、空や水の色でもあることから、変化・変革という意味があります。皆、弱い自分、ふがいない自分を代えたいと心のどこかで思っているから、この映画のテーマは、心に刺さるのではないでしょうか。」「水色には、解放・自由・自立というキーワードがあり、私たちは、あのシーンで自分を認めることの意義や、自由の素晴らしさを実感するのです。突然、王子様が現れ、見初められ、ハッピーエンドとなるような他者依存の物語ではなく、自己肯定することで生きる意味を見出していくストーリーが、多くの女性の共感を得たのではないでしょうか。」

「年齢とともに重ねたいピンクの魅力」というところで「あなたの好きな色はなんですか?私は、迷うことなくピンクです。元気のないときは、ピンク色の空気を胸いっぱいに吸っているイメージしながら、大きく深呼吸します。そうすると、しあわせの粒子が体中に広がっていく気がするのです。」「今の年齢になってもっとも惹かれるのが、ピンクベージュ。ピンクにベージュを混ぜたようなピンクベジュは、パリのマダムのイメージです。パリのオペラ座の前ですれ違ったマダムは、サテンの黒のジャケットの胸元からピンクベージュのキャミソールが覗いていて、ドキッとしたことを覚えています。」

いよいよ終局にきてしまった。「透明感のある生き方をする」「運命の手袋を選ぶということ」「未來の出会いが過去の出来事も変えてくれる」「風の時代を、しなやかに生き抜く色」「雨が降るから美しい虹を見られる」まだまだ魅力ある内容が続く。新年に是非読まれたらいいなと思います。

(文:横須賀 健治)

 

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