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Yokohama is the foundation of my life
ナミナミチョークアートスタジオ主宰 衣山 裕見子さん

by staff on 2021/4/10, 土曜日

取材で衣山さんのチョークアート教室に伺うと、1時間ほどで初心者体験ができると知りました。その時のテーマは「カップケーキ」を描くこと。B5サイズのブラックボードに下絵が描かれてあり、素材感の異なる「金属のカップ」 「ケーキ」 「生クリーム」 「イチゴ」をオイルパステルで表現します。絵が苦手な私ですが、コツを教えてもらったら「大人のぬりえ」感覚でチョークアートを楽しむことができました。夢いっぱいのチョークアートを描く衣山さん、その創作の原点は彼女の笑顔だと感じました。波乱万丈の人生だったようですよ。笑顔が素敵なチョークアート アーティストの衣山裕見子さんにお話を伺いました。

チョークアート アーティスト衣山裕見子さん
 
チョークアート アーティスト
衣山裕見子さん
 
お名前 衣山 裕見子(きぬやま ゆみこ)
お生まれ 1968年 東京都練馬区
お住まい 横浜市神奈川区
ご家族 夫・犬
お仕事 ・ナミナミチョークアートスタジオ
・一級インストラクター講師
・看板&壁画etc.アート製作
HP https://naminami-studio.com/
趣味 犬と散歩

 

引っ越し好きの両親の犠牲?

私は三姉妹の長女で真ん中の妹とは3歳、下の妹とは一回り近くも離れています。私が生まれたころは父が起業したばかり、両親は忙しく家も小さかったと思います。

父の仕事が軌道に乗り、少し余裕ができると少し大きな家へ引っ越す、妹ができると少し大きな家に引っ越す、といったことを繰り返し、東京都練馬区内をあっちへこっちへと引っ越しばかりしていました。
母が大変だったでしょうと訊かれるのですが、設計から建材の指定、カーテンやカーペットなどのインテリアやエクステリアなど母の意見や趣味が活かされたので、毎回、楽しそうでした。

私は引っ越し毎に小・中学校も転校しましたから、幼馴染とか親友と呼べる友達を作ることができませんでした。習い事も続けられなくて・・・両親の犠牲でこうなりました(笑)

6歳の時に描いた家の花瓶の絵

絵を描くのが好き

最近、実家の妹から電話があり、部屋を片付けていたら私が6歳半の時に描いた絵が出てきたよ、とメールで絵の写真を送ってくれました。おたふく風邪で幼稚園をお休みしていた時に描いた絵です。

私は絵が好きで暇さえあればそのころ流行っていたTVアニメ「キャンディキャンディ」の絵や花の絵などを描いていました。 母は油絵が趣味で、長谷川昇画伯と縁戚だと聞いております。絵を描くことが身近な環境に育ったと思います。

絵が好きと言うと、物静かな女の子だと思われがちですが、外遊びが好きで、一緒に遊ぶ子がいない時は「児童会館に行けば誰かいるかな」と友達を求めて会館まで遠出しましたね(笑)。

スポーツも得意でした。小学校は陸上部、中学ではテニスやバトミントン部に入りました。共学の高校では、応援団に入りました。華やかなチェアダンスだけかと思ったら、直立不動で立ち応援団旗を持って大声で応援する「応援団」で声が潰れ唾に血が混じったこともありました。学科では理数系が好きでした。

美大に行きたかったけれど・・・

絵を描くことが好きだったので、美大を考えたこともありましたが、その頃は「美大を出て絵描きにでもなるの?」と言われた時代でした。就職先は学校の美術の先生くらいだと思われていました。母からも「美大を出て仕事に就けるの?」と言われて進路を悩みました。その時、担任から玉川大学文学部芸術学科児童専修過程(今はない)が合うのではないかと言われて受験しました。ここで保育士の免許を取得しました。後にこの体験がプラスになりました。

交通事故・・・辛いリハビリの日々

バブル期でどの会社も人手不足、私は一般事務職で大手損保会社に就職しました。仕事が面白くなった頃に高速道路で事故に巻き込まれ、車外に放り出されてしまいました。外傷性クモ膜下出血、それと腰椎にダメージを受け車椅子での生活を余儀なくされる事態となりました。
二度の手術は寝たきりの状態が続き辛かったですが、リハビリの期間は、支え励ましてくれる人がいてくれて頑張ることができました。リハビリの甲斐もあって病院を退院するころには車椅子の生活から開放されました。

その後、車椅子同士お互いを支え合った仲間とは、少しずつ距離が離れて行きました。人間関係がうまく行かなくなった時は「全て、私がいけないんだ」と罪悪感に悩みました。

苦しみ悩む私の姿を見ていた家族から、環境を変えることを勧められました。思い切って新たな出会いをしようと「婚活」を始め、今の夫に出会うことができました。

Kinuyama Yumiko Art Work

チョークアートとの出合い

結婚し、夫の仕事の関係で転勤生活が始まりました。広島県呉市に引っ越した時のことでした。
地域の広報誌でチョークアートを紹介していました。紹介されていたチョーク(実際はオイルパステル)を使った絵を見て、黒いボードに描かれた色あざやかでポップな絵に魅了され、無性に「やりたい」と思いました。

そして3回ほど教室に通った時です、またまた夫が横須賀市に転勤することが決まり、横須賀で続けられないかと教室を探していたところ、先生の知り合いで横浜市港北区大倉山にある教室を紹介してもらえることができました。

基礎から段階的にステップアップして行くのですが、私の周りは上級者ばかりでした。これはラッキーなことで、先生からもクラスメートからも技術やコツを学ぶことができました。



壁画のお仕事

チョークアートの魅力

チョークというと白墨をイメージされる方がいらっしゃると思いますが、そのチョークを使ったアートは「黒板アート」と呼ばれることが多く、私がご紹介する「チョークアート」はオイルパステルを使っています。

チョークアートは、もともとは看板画からきています。看板ですから、レストランの看板ならばメニューに描かれた料理と提供される料理が同じ様に描くことや、本物以上に「美味しそう」に描くことが求められます。

水滴が着いたみずみずしい野菜、こんがり焼けたパン、ピザからはとろけたチーズが伸び、濃厚な生クリームがかかったケーキ、泡がこぼれそうなビール・・・美味しい瞬間を切り取ったようにオイルパステルで黒いボードに描きます。黒いボードの表面はザラザラしていて、紙に描くのとは少し違った感じを受けます。

看板なのである程度の距離から見ることで仕上がりの良さが実感できます。ですから、光の表現が重要となります。立体感や透明感、素材感を光の表現で描き出します。

ペンテルのオイルパステルは49色あり、色を重ねてみたり、重ねた色を指で伸ばしたり、色を混ぜることができます。ただパステルで描くというよりは指も使って描くことが面白いです。グラデーションは指のハラを使ってぼかしていきます。

パステルを薄く塗って、下地の黒板のザラザラを細かい黒点のように見せて描く手法もあります。細かいところは鉛筆のようにパステルを削って、尖った先端で描いたりもできます。はみ出てしまったり、縁取りを綺麗にしたい時は黒鉛筆を使います。特殊な消しゴムで消すことができるので、失敗してもやり直すことが可能です。描いた作品に文字を入れ、色止めのスプレーをかけたら出来上がりです。

初心者から上級者、プロとそれぞれに合った難度で描くことができ、難度が低くても、魅力的な絵に仕上げることができます。初心者にとっては失敗しない「大人の塗り絵」のような感覚で始められたら良いかと思います。何人かと一緒におしゃべりをしながら始められます。(現在はマスクをしてコロナ対策をしながらレッスンしています)

もちろん、お子様への指導も文学部芸術学科児童専修過程での経験があり「好きです!」

東京小金井市「西洋菓子工房マグリット」の看板製作

銀座「アルビオンドレッサー」のオーダー制作品

ナミナミチョークアートスタジオ

チョークアートのプロとなるにはいくつかの試験を受けなければならなくて、お店の看板画の製作が課題となりました。利用している店にお願いしたら良いのでしょうけれど、小心者の私は(笑)「もしも気に入ってもらえなければ、お店に行き辛くなるのは嫌だな」と思い、入ったことのない店に飛び込みで「看板を描かせてください」とお願いしたのですよ・・・快く引き受けていただき、看板を描き始めると、チョークアートを理解していただき、本当に喜んでもらえました。

こうして、いくつかの課題をクリヤし、プロとしてスタートすることになり、2010年にスタジオを構えることになりました。 「ナミナミ」は、学生時代のあだ名が旧姓から「ナミちゃん」 「ナミナミ」と呼ばれていたことを屋号に残しました。こうしてナミナミチョークアートスタジオがスタートしました。看板、壁画アート、イラストなどのオーダー制作だけでなく、横浜でチョークアート教室を開講し、現在プロとして活躍している生徒さんもいらっしゃいます。

2015年横浜大さん橋で開催した教室店

2017年みなとみらい構内「SUBWAYGALLERY M」で開催した教室店

まさかのイベントの中止/コロナ禍

「みなとみらい線のサブウェイギャラリー」などギャラリーやイベント会場で作品展を開いてチョークアートの魅力をご紹介したり、チラシを配ったり、体験レッスンを開いて生徒さんを集めたりしておりました。
昨年(2020年)からはこのコロナ禍で自粛要請が出て、イベントが少なくなりました。家に居る時間が増えて余暇の過ごし方も変わってきています。趣味に費やす時間が増えて絵を描くことに関心が高まっているように感じています。

初心者でも楽しんで描けるチョークアートをもっと皆さんに知ってもらいたい! と思っているのですが、体験レッスンの場であるイベントが中止となり、チョークアートをPRする機会がなくなりました。飲食店からは、時短要請が出てから看板制作の仕事が少なくなりました。

私はと言えば自分の趣味の「犬の散歩」で出歩くことがストレスの解消となっていて、道端の草花を観察したり、通りすがりのお店の看板を見てはチョークアートの参考にしたりしています。

早くコロナが終息し、日常が戻って欲しいと思います。そして、チョークアートの魅力をご紹介する機会が増えることを願っております。

ご自宅で、ご近所の会館で、イベント会場で・・・出張して教えることもできますので、ご興味がございましたらご連絡ください。お待ちしております。

私にとっての横浜とは

「The foundation of my life」現在の私の生活の土台を作られたのが横浜です。

The foundation of my life

 

(インタビューと文:高野慈子平安山美春

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

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