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書評 「今という一瞬に、一生の幸せがある」 廣済堂出版 矢作直樹(著)

by staff on 2021/5/10, 月曜日
 
タイトル 今という一瞬に、一生の幸せがあ
単行本 181ページ
出版社 廣済堂出版
ISBN-10 4331522288
ISBN-13 978-4331522288
発売日 2019/3/30
購入 今という一瞬に、一生の幸せがある

長引くコロナに、息詰まる思いをしていると思います。そんな時に、ふと手にとってみました。前書きにこう書かれます。「感謝の気持ちをもってみてはいかがですか」「今こうして息を吸っている。水も飲めるし、食べたいものを食べることができる。それだけで十分に幸せなことだと思いませんか。当たり前のことが当たり前にできるということに感謝だからこそ“中今の気持ちを持てば、きっと毎日が楽しくなりますよ」

第一章 心―穏やかな心を保つために
「人はどうして落ち込んだりするのでしょう。多くは過去の後悔や、未来への不安感から生じるのだと思います。しかしそれらにいちいちとらわれていたら、それこそ本当にうつ状態になってしまいます。だからこそ“中今”の心が必要なのです。」「過ぎ去った過去や来てもいない明日の心配などしても仕方がありません。そんなことを考えずに、今というこの瞬間に心を持っていいのです。とにかく今この瞬間を無心に活きること。今にだけ目をむけること。」そんな心持ちを習慣づければ、それだけで心の病から抜け出すことができるのだといわれます。

「負の感情の手放し方。それは、自分の体から外に引きずり出し、うち砕いてしまうことです。自分自身が生み出したイメージは、自分自身で捨てられます。」講演会のときに、問いかけることがあるそうです。「今日、鏡を見てこられた方はいますか?」するとほとんどの方は手をあげられます。自分の顔をよく御覧になりましたか、と尋ねると途端に手があがらなくなるそうです。鏡は見たけれど自分がどのような表情をしていたかは覚えていないようです。「人間の顔というのは、神様から与えられたキャンバスだと思っています。そのキャンバスにどのような表情を描くか。それは個人の生き方や意識次第です。」と言われます。

「不調和の感情が起きたら、それを素直に認めます。そしてその感情をを硬いものとしてイメージし、自分の体の外にグワッと引きずりだし、粉々に打ち砕いてしまいます。そしてそれをエイッと天に放り投げて、最後に深呼吸をします。」これはあくまでイメージのようで、慣れたら一瞬のことです、と言われます。こんな習慣を身につけるだけで、だんだん不調和の感情は生じにくくなるようです。

「まず、体を調える。そして、呼吸を調える。この二つができて、心が調います。」「人間は五感というものが備わっています。視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚の五つですが、さまざまな技術の発達によって、この五感が現代では鈍くなってきたと言われています。しかし医学的に見れば、五感の機能が衰えてきたというわけではありません。五感というのは、意識の持ち方によって大きく変わってくるもので、裏を返せば、意識さえ変われば感じ方も変わってくるということです。」「たとえば臭覚にしても、汗の匂いは誰でも臭いと感じるものです。ところが、自分がすきなひとの匂いであれば、不思議なことに臭いとは感じません。これは臭覚うんぬんの問題なのです。」要するに、人間にとっていちばん大切なことは、どんな意識を持って生きるかということだと言われます。

第二章 体―美しい体をつくるために
「腸を締め付ける服から、体を開放してあげましょう。それだけで内臓は健康になります。」「着物や浴衣なども帯で強く締め付けますが、きついと思えばゆるめることができます。つまり、自分の体の声を聞きながら調整できることが大切なのです。」「下痢と便秘を繰り返す人がいました。とくに検査をしても悪いところは見つかりませんでしたが、生活習慣をよく聞いてみれば、家にいるときはきついゴムパンツを身に着けていたことがわかりました。腸が締め付けられることによって、その働きが極端に悪くなっていたのです。その人はゴムパンツのパジャマから紐つきのものに変えただけで改善されました。」

「暴飲暴食は、自傷行為です。悪習慣を断ち、体の声をききましょう。」「どうしてつい食べ過ぎてしまうのでしょうか。ひとつには代償行為というものがあります。たとえば仕事がうまくいかなかったり、寂しさや苦しみなど、自分の欲求が満たされなかったときに、たべるという行為でそれをごまかそうというもので、それが習慣になってしまいます。」「人間はこのように、習慣によって引きずられることが多くありますから、まずは生活習慣を見直してみることです。自分の習慣が良いと思うのなら続ければいいし、悪いと思っているのなら直ちに変える努力をしてみることです。」

第三章 お金―豊かさを見極めるために
「日本人らしい魂は“知足”の心です。私たちはすでにそれを知っているという、奇跡の幸運を手にしています。」「日本語は世界の中でも素晴らしい言語とされています。たとえば“ありがとう”という一言をとっても、言う人の表情やその場面によっては、そのニュアンスを超えた深みを相手に伝えることができます。」「日本人の魂の在り方は、とても美しいものなのです。」「日本人の魂の美しさを象徴するものは”知足“の心だと思います。”たるを知る“ということで、すなわち必要以上に求めず、今ある現実に満足するという心根です。この”知足“の精神こそが、日本人が古来よりはぐくんできたものです。この世に人間として、しかも魂の在り方がとてもとても美しい日本人として生まれてきたーそれはまさに奇跡のような幸運です。」

「尊い仕事とは、職種のことではありません。なぜその仕事をしているのか。その動機が尊いか、卑しいかということです。」「命を預かる仕事は医師だけではありません。ほかにもたくさんあります飛行機のパイロットもタクシーの運転手も、お客さんの命を預かっています。保育士も学校の先生も、子どもたちの命を預かっています。農業に携わる人たちなどは、私たちが口にする食べ物をつくっているわけですし、そういう意味では、ほとんどの職業が人間の命にかかわっているともいえるのです。」「尊い仕事とは、仕事の内容や職種などではなくて、その仕事をしている動機の純粋さにこそあるのです。大切なことはその仕事に対する思いなのです。たとえば、金儲けだけが動機で医師になったとしたら、それは卑しい仕事になるでしょう。一人でも多くの人の命を救いたい。純粋にそういう動機で医師になったのならば、それは尊い仕事になります。」食べていける仕事があるなら、無心になって取り組み、また楽しみながら働くことです、と言われます。

第四章 命―命を使い切るために
「寿命は長ければいい ということではありません。長寿社会という幻想に惑わされず、死に方は自分で決めましょう。」「寿命に平均などというものはありません。寿命というのは、長いからいいとか短いから不幸などという問題ではありません。」「延命処置をするか否かの意思は、前もって確認しておくことが大事ですが、その時がきたら、家族としては本人が望むとおりにしてあげることがいちばん大事なことだと思います。」

「自然の摂理に逆らって生きることは、幸せか。人生とは、“今”をまっとうしているかどうかしかありません。」「動けなくなってから心残りを数えるのではなく、動けるうちにどれだけ命に感謝し、日々をまっとうして生きたか。そのように活きてきた人は、無駄な医療行為などのぞまないのではないでしょうか。」

あとがきから
「“中今”を生きるために“一人”になる」
「最後に”中今“にあるために大切なことをつけ加えるならば、”一人“の時間を大切にしてください。三〇分でもかまいません。自分自身に向き合う時間を持つことです。自分は何をしようとしているのか。自分が楽しいと思うものは何なのか。そして自分はどこに向かって歩いているのか。それを見つめ直してください。」

(文:横須賀 健治)

 

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