ゆるマナー講座(第69回) 能登は優しや土までも
マナーアドバイザー/フレアLLP 柳田 圭恵子
先日石川県の能登半島に仕事で行く機会がありました。数日滞在できたおかげで日本海に沈む夕陽や山の木々の美しさを満喫することができました。そして何より出会った能登の方々の温かさや暮らしぶりに触れて心が洗われる思いでいます。
土地の人に教えていただいた「能登は優しや土までも」という言葉に、今私達に必要な「サステナビリティ」について改めて考えてみます。
サステナビリティということ
SDGs「Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標)」について、ニュースなどでも取り上げられることが多くなり、難しい言葉にも耳慣れてきたのではないでしょうか。
17の目標があります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と構成をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
日本はこれら17の目標をどのくらい達成しているでしょうか。今後SDGsを意識していない企業は世の中に受け入れられなくなるでしょう。
企業だけでなく街づくりにもサステナビリティの考え方は大切です。11~15を身近に実践している人もいるのではないでしょうか。
自分の使うものや地域、自然に対して、責任を持ち思いやりを持つことです。ゴミのリサイクルをしっかりする、ゴミを路上や海や山などに捨てないなど当たり前のマナーを守ることです。
これなら個人でできそうですね。
温故知新
能登で「能登半島は家の前には海が広がり、必要な時に魚や貝や海藻も取ってくることができる。裏には畑があり野菜はいつでもある。だからその日に必要な分だけ取ってくるだけでいい」という話を聞きました。都会で暮らす人には何とも贅沢な話ですが、自然に対して「節度」のある生活信条が、本当に豊かな暮らしぶりの所以であると感じました。
そういえば私も子どもの頃は同じ様な暮らしをしていたと懐かしく思い出しました。今でも地域によっては必要なものを必要なだけ…という生活をしているのでしょう。
サステナビリティは、意外と身近なところ、日本人が昔から当たり前のようにしていた暮らしにヒントがあるようです。
ところが能登では、自然に対する節度ある生活信条とは違い、不思議なことにどのお家も総2階建てで立派なことに気づきました。土地の人に話を伺うと、冠婚葬祭が華やかで親戚から周りの人まで多くの人達が「お呼ばれ」するのに相応しい家を建てるのだそうです。親族や地域の結びつきを大切にしているのですね。昔の日本の風景、暮らしを見るようでした。
能登は優しや土までも
今回の能登訪問でサステナビリティについて新たな気づきがあり、自分自身の生活を見直す機会をいただきました。「断捨離」をすることで単に部屋を片付けたいと思っていましたが、先ずは物を大切にすることやリサイクルから始めることが大切ですね。
少し前の日本人はリサイクルを当然のようにしていました。子どもの頃、母が古くなった着物を解き、洗い張りをして、布団や座布団に縫い替えている姿を覚えています。古いものから新しいものが生まれてくるのを母の近くでなんだかワクワクしながら見ていたものです。
このような縫物の技術がなく古い洋服を持て余しているのが私の悲しい現実です。
食材や洋服、家具なども簡単に捨てる習慣はそろそろやめないと私たちの生活も自然も持たなくなりそうです。
能登の人々の自然や物、人を大切にする優しい暮らしぶりは、今の私たちが忘れていた大切なものを思い出させてくれました。サステナビリティ…身近なことから始めてみましょう。
筆者プロフィール
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柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ) |
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岡田 承子(おかだ しょうこ) |
本の紹介です |
「ゆるマナー 始めましょ」 |
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ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
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