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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第101回)

by staff on 2021/8/10, 火曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第101回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

プロスキーヤー&登山家である三浦雄一郎のお父さんは三浦敬三。八甲田山での山スキーに魅せられた日本スキー界の草分けの一人。100歳前後までスキーを滑り、更なる技術向上を目指すノートまで携行。“keep on(諦めないで粘り強くやり続けろ)” の塊。人生は先のわからない旅。だから合理的でないものが思考と行動の根拠になってはならないとの信念。長生きしたいためにスキーを続けたのでなく、スキーをやりたいために長生きを希求した人生。スキーが目的で、長生きはそのための手段。目的とは存在意義であり “思い”。自助・共助・公助もあくまで手段。垂直原理と水平原理、その中での斜めの視界と作法。独自工夫の体操や食事。100歳時点で測定した血流は、雄一郎や孫の豪太にも負けなかったとか。どの課題にも全力投球。どんなテーマも “部品の病” と“関係の病”。部品が治っても関係の病が同時に治ることはないこと。“人生は苦戦の連続。大事なのはこれを抜け出す内的エネルギーを持続させること”と評論家・立花隆。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

生きてきた中味は、己の豊かさの重量 夜の闇は人を謙虚にするもの
やってみたい、挑戦したいという風土 どのようにしてつくり出すか
社会は簡単に変わらない 飛ばない鳥は、飛ぶ必要がなかったからだ
雑音あっての共同体 貧者が想像する富であるならば、とエマーソン

エマーソンは米国の思想家。英国の思想家カーライルの読書を通じて彼の盟友であるエマーソンを知りました。エマーソンの中心軸は “個人の無限性”。自分自身を最大限に利用すること。大切なことは、自分が何を望むのか。また、失敗しないことではなく、失敗するたびに立ちあがること。新しい知恵が浮かばなかったら、古い知恵を上手に使う方法を見つけ出すこと。今後は知恵の活用が世の中で交響曲を奏でる時代に。“たくさん稽古をした上で、それらを惜しみなく捨てるのが舞台” とコメディアン・萩本欽一。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

不確実性の高い社会では 清潔・不潔、生きる・死ぬの二元論に陥りやすい
激動時代の成功法則 技術には拘らない・資金に頼らない・計画は立てない
小さいことを重ねる 想定外の変化を主体的に乗り切る力がリベラルアーツ
米国の柔軟性 年齢に関係なく幾つになっても したいことに挑戦する風土

世の中は、知的で高度・複雑なプロセスに適切に対処できる力量が求められるステージに。好き・嫌いの二元論だけでは乗り切れなくなり、想定外の変化を主体的に乗り切るスキルが必要。過剰なものにはイマジネーションは沸かないもの。“学ぶ” ことが生きる武器になること。さらに一般教養の源泉になること。それこそギリシャ・ローマ時代に理念的源流を持つリベラルアーツ。リベラルアーツ強化にはメンタリング手法との組合せが効果的かも。“バカをやらなきゃ何も生まれない” とホンダ創業者・本田宗一郎。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

ルチック艦隊の敗因 甲板掃除当番の勤怠の議論に終始したためという
事の軽重を意識する 同質だけでなく、異質なものへの好奇心を鍛錬する
欲は固定した密室の環境の中で生まれる リスクに対する過小評価を回避
フィンランド 地理的・歴史的に異質に囲まれた 学舎も異質者の集まり

北欧4か国にはいつも“北欧の小国” という冠がつくことが多いですが、21世紀の人や国のあり方を測る指標では、常に世界のトップグループに位置する賢明さ。よく知っている道が反対側から歩くと、全く新しい世界に見える理に近いかも。十数年前、出張で訪れた時も時間がゆったり流れて、豊かに生きることを紡いでいく場へと進化。フィンランドは、西はスウェーデン、北はノルウェー、東はロシアと隣接しながら生き抜いた国。流れには弾力的に対応する底力。“成熟:老いの中の天真爛漫” と画聖・雪舟。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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http://www.syplus.jp/ooura/

(第101回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

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