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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第102回)

by staff on 2021/9/10, 金曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第102回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

千利休は戦国時代から安土桃山時代にかけての商人・茶人。わび茶(草庵の茶)の完成者として茶聖とも称せられています。幼名は与四郎で、後に利休。号の由来は “名利、既に休す” の意味とか。現在では “利心、休せよ” (才能におぼれずに老古錐:使い古して先の丸くなった錐)の境地を目指せとの意とも。“新型コロナウイルスのパンデミック” “気候変動問題” “人権問題” など、世の中はこれまでとは別世界。“客観を主観で捉え、主観を客観で捉え返す” との詩人の思考原理をもう一度振り返ってみる必要がありそう。それを通じて新たな世界観を構想する力量が求められているのかも。それには何かの奴隷ではなく、自由な人間として新たな教養・スキルとしてのリベラルアーツが不可欠。当然、リベラルアーツの中身も棚卸し。これまでの延長線はありえないこと。コーチングのレベルでなくメンタリングの次元へ。メンターの選択は何でもありで好き放題。“戦国時代の日本人は丸裸で生(なま)のままに生きた” と作家・和田竜。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

スキャンダルが闇に葬られ、情報が隠蔽される時代は危険
見えない世界と見える世界をつなげる これが宗教の役目
読書の良さは読み直せること 歴史上の知己に出会う幸運
一つの文化の修業なしに異質の文化吸収は至難、と江藤淳

江藤淳は文芸評論家で東京工業大学教授などを歴任。保守派の論客として論壇で異彩を放ちました。プリンストン大学への留学を通じて、アメリカ社会とどう向き合うかに生涯取り組み、戦後日本における西欧模倣の近代化を鋭く批判。“奴隷の思想を排す” “夏目漱石” を執筆し、吉本隆明や三島由紀夫などに大きな影響を与えました。何よりの読書好き。読書の良さは読み直せることと、歴史上の知己に出会えること。一つの文化の深耕を通じた異質な文化の吸収。“気持ちで打ったことは一度もない” と打者・イチロー。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

あきらめは毒、夢は薬 お経は詩であり人間そのもの
色即是空 あると思っているものは空であり何もない
六〇歳過ぎてからの夢の実現 これこそが人生の本番
最後の勝負 いつでもどんな時も得意技で押していく

“色即是空(しきそくぜくう)” は “般若心経” にある言葉で仏教の根本教理。この世の全てのものは常なる実体はなく、縁起によって存在するものとか。“色” は宇宙に存在する全ての形ある物質や現象。 “空” は常なる実体が無いという意味。歳をとるのも一つの新しい世界。生き延びたいと思う者は何がなんでも生き延びていくもの。六〇歳過ぎてからの夢の実現こそが人生。欠陥こそが生きる出発点。やるからには得意技で勝負。それ故に必殺技にフォーカス。“森羅万象みな俳句にしてやった” と俳人・小林一茶。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

下り坂の人生を楽しむスキル 学びの習慣がキャリアに直結
船会社が建築業 パーツでなく船全体の仕事をしてきたから
人間は慣れると崩れる 追い詰められ切羽詰っても構わない
遥かなる・果てしなき道なれど選びたる道、と作曲家船村徹

船村徹は日本の作曲家。何でもないことを何でもなく作曲するのが演歌。盟友の作詞家・高野公男との出会い。高野は茨城弁で歌詞を書き、船村は栃木弁で作曲するとの覚悟から出発。最初のヒット曲は “別れの一本杉”、その後は “王将” “矢切の渡し” “風雪ながれ旅” などのヒット曲を連発。手がけた曲は5000超。人生に泣き、酒に笑い、音楽の心を知る人生。遥かなる・果てしなき道なれど選びたる道、とはまさに実感かも。“飼い馴らされない生き方。それが誇りある生き方” と作家のフェーリクス・ザルテン。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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(第102回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

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