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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第107回)

by staff on 2022/2/10, 木曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第107回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

“実現の可能性が非常に高いと考えられることは、一般的な予想よりもずっと早くに起こる” という法則を指摘するのはフランスの思想家ジャック・アタリ。数年前、東京で講演を聴く機会があり冷徹な威厳に感服。私たちの生きる社会環境は底の方から変化していること。時の流れは加速し “アジャイル(機敏な)” という言葉は、ビジネスだけでなく日常生活にまで影響力が増大していること。とはいいながら、情勢変化を先取りして機敏に対応するのは簡単ではなさそう。それでも、情勢変化に合わせて機動的に方針を変えることは不可欠。それには個々人の地力の底上げが唯一の解決策。まさにリベラルアーツの強靭化。これからはECビジネスより教育ビジネスが先端にくる気配。気候変動の対応でも、ビジネスや金融の世界でも肝心なのはヒト。モデルが正しくともパラメータが誤っていれば結果は悲惨。米国の衰退も経済面よりは教育面の遅れ。大学は世界一でも幼稚園から高校までが難題。“命 荒々しく自由に” と俳人・金子兜太。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

大きな桶に何度でも繰り返し柄杓で水を掬う
何度も水を汲むという態度にこそ生きる価値
多様性の重視・グローバルな視野・適材適所
一〇年前の非常識は現在では常識 技を磨く

コロナの影響もあり “生きる” ことへの執念が揺らいでいます。“何度も水を汲むという姿勢に生きる価値がある” ということをもう一度噛みしめる時かも。指先のコントロールを支えるのは、肩・背中・腰などの大きな筋肉とか。これらが安定するほど、細かな筋肉をより柔軟に動かせるとのこと。絵を描く場合でも、生まれ育った風土がベースになるもの。いままでの常識が非常識に、これまでの非常識が今は常識。“いけばな:個々の花の個性が無くなるぐらいに空間を面白く創りあげる” と芸術家・勅使河原宏。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

技術/スキルのポートフォリオ 技術の成熟度・技術の重要度・技術水準
それぞれのポジションと資源投入量を評価 業界・他社の状況と比較する
研究開発テーマそれぞれへの資源投入は事業戦略と整合性がとれているか
自社開発状況と業界・他社開発動向を分析 探索研究・開発研究・事業化

イノベーションの議論が盛んですが、技術/スキル・知識・ノウハウを包含する技術マネジメントが最優先。すべて “顧客が期待する価値” に収斂させること。そのための技術戦略・プロセス構築・資源マネジメント・文化風土の醸成。商品を販売するというより商品がもたらす効能を誓約すること。ローマ帝国繁栄の要因の一つにリーダーの “粘り強い思考” が指摘されています。仕事の進め方/考え方を “能力” として深化させる必要性。“枯山水:瑞々しさを感じさせるためにあえて水を抜く” と経営学者・今井賢一。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

英雄とは・人間とは 好奇心がすべて
ほんとうの玄人は素人を馬鹿にしない
深いところでは、すべてが法則になる
人類の成功は 個体差の幅の著しい点

サービスが複雑さを増し、提供者と顧客が共にサービス内容を深く理解する必要性が増大。サービスサイエンスの概念も誕生。顧客との協力体制を築き、顧客、特に先端顧客から学ぶ必要が出てきており、これぞサービス・イノベーション。知的好奇心が突破口になりそうですが、単なる力業では無理な話。“ひらめきやセンスも大切だが、苦しまないで努力を続けられることが何よりの才能” との指摘も。色んなものを擦り合わせ続けること。“若者はいっぱい余計なことをしなきゃいけない” と映画監督・山田洋次。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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http://www.syplus.jp/ooura/

(第107回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

 

 

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