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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第108回)

by staff on 2022/3/10, 木曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第108回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

“アメリカ大陸鉄道を建設したのは駅馬車の持ち主ではなかった” とはよくいわれる話。新分野に無縁な企業家にこそチャンスがあるということで、これぞイノベーションの原点。無形資産が経済を支配する時代。花形分野の専門家も事業の移り変わりと共に新しい知・技を身につけ続ける必要性。留意すべきは目的と手段の本末転倒。手段が固定化・権威化し目的化するという落とし穴。 “事業は社会・市場とどう関わるのか” “事業のトレンドはどう推移していくのか” “事業の中で自身のポジションと必要スキルはどう変化するのか” をしぶとく食らいついて探索するしかなさそう。それには仕事とオフの間を自由に行き来できること。正しいと信じる目的を松明として掲げ、時にはドサ回りも覚悟。ミラノ・スカラ座のプリマドンナも女王の地位を維持するにはドサ回り経験が必須とか。 “危機は何時終わるか” でなく “都度起きる危機にどう対峙するか” の構え。 “美術学校の試験を3度失敗、正規の美術教育をあきらめた” と彫刻家・ロダン。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

リスクマネジメントの成功要因 作業プロセスを簡潔にする・独自性をもつ
自分の頭で考える リスクを組織全体から抽出・分析・評価・対応すること
リスクはメリットを生む機会と併せて検討 文化風土を尊重した進捗を重視
教育は深く繰返して行う 組織トップの支援と参画 危機・難局は正面突破

“近代とは人間を裸にして、その値打ちを推し測る時代” と語ったのは作家の司馬遼太郎。リスクマネジメントとは、不利益になり得るリスクを裸にすることで損失を最小限に抑える手法。成功要因には “作業プロセスを簡潔にする” “独自性をもつ” “自分の頭で考える” などがあげられます。クライシスマネジメントは “危機的状況は発生する” という前提のもとで検討すべき危機の対処法。リスクマネジメントは予防、クライシスマネジメントは危機が起きた後の対処法。 “理を優先し、情を添える” と松下幸之助。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

情報化投資評価手法構築の視点 経営戦略との連動
ICT革新と世界標準 定量化評価プロセスの簡潔
投資効果の分類(直接効果、戦略効果、間接効果)
企業文化 足を引っ張る文化から知恵創造の文化へ

“難解で複雑なものに惹かれ、考え続け、それに喜びを感じる” と棋士の羽生善治。DXはあくまで手段。経営戦略の枠の中核が前提。更に企業文化との融合。足を引っ張る文化から価値創造の文化へ。現代人は技術文明の上では巨人になったが、芸術文化の面では木偶の坊になったとの指摘も。アドバイスに依存し過ぎると路頭に迷うことになる怖れ。DX投資の優先順位はあくまで戦略効果が第一。続いて間接効果。目先の直接効果は三番手。 “いつの時代にも間に合う芸をするのが芸人” と漫才師・花菱アチャコ。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

フィージビリティスタディ(実行可能性の検証)は一段と重要に
にも関わらず、最近はますます軽視する風潮 一定の失敗は許容
ライフサイクルを重視 事業全体のフィージビリティを検証する
自らが誤る可能性を自覚 諦めず硬直化しない発想を念頭におく

先が読めない時代、フィージビリティスタディ(実行可能性の検証)は一段と重要に。失敗はつきものですが、一定の失敗は許容すべきもの。ライフサイクルを重視した総合的フィージビリティを検証。自らが誤る可能性を自覚する必要も。一度歩いて知っているはずの道が反対側から歩くとまったく新しい道に見える例えも。モノづくりの段階で最初から売ることを考えすぎると構想が小さくまとまってしまう怖れ。遠い目標への指向性の弱体化に留意。 “設備投資こそ成長経済の最大の動因” と経済学者・下村治。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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http://www.syplus.jp/ooura/

(第108回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

 

 

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