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生活介護事業所&COCO(あんどここ)所長。 小菅敏朗さん

by staff on 2022/4/10, 日曜日

横浜駅東口から徒歩8分ほどの場所に2021年7月に開所した生活介護事業所&COCO(あんどここ)。「楽しいことも、悔しいことも、時には悲しくなることもあるかもしれないけれども、色々な事を経験して皆で作りあげる場所にしたい」。そんな想いを持って活動している&COCO(あんどここ)の小菅所長をご紹介します。

小菅敏朗さん
 
生活介護事業所&COCO(あんどここ)
所長
小菅敏朗さん
 
お名前 小菅 敏朗(こすげ としろう)
お生まれ 1982年9月19日
新潟県上越市
お住まい 横浜市栄区
ご家族 妻 子供3人
お仕事 生活介護事業所&COCO(あんどここ)所長
趣味 読書,独りキャンプ

 

内気で無口、一人遊びが好きな子供でした

両親が新潟県上越市で旅館業を営んでおりました。私は3人兄弟の真ん中、兄とも弟とも2才違い、現在、旅館は2歳下の弟が継いでいます。私は、大人数が苦手なちょっと内気な子でした。友達も少なく、近くの金谷山でいつも一人遊びをしていました。野山を駆け回わり、おかげさまで、駆けっこは早いほうになりました。

担任の先生

友達付き合いが下手で、引っ込み思案な性格、いつも「こんなことを言ったらどう思われるか」と人目を気にしていました。5年生の時のことです。担任が「自主学習ノート」を皆の前で褒めてくれました。一生懸命やった努力を認めてもらえて嬉しかったこと、そしてクラスメートの視線を浴びて誇らしかったことを今でも覚えています。

兄を追いかける

中学、高校と公立校に進みました。2歳上の兄が陸上部の部長をやっていたので、私も陸上部に入りました。中一の時は1,500M、中二からは400M、高校は800Mの選手になりました。走る度にベストタイムを更新できたので、練習は苦しいけれどその努力が結果となって報われるのだと思いました。

大人数が嫌いで内気で無口な性格でしたが、高校では陸上部の部長に選ばれました。「責任ある立場」になると無口ではいられず、少しずつ積極的になっていったと思います。

兄の影響は他にもありました。兄は中学生の頃からバンドを組んでいました。私も中学1年でギターとドラムを始めバンドを組むようになりました。高校3年の時、大学が決まり卒業までの間、アルバイトをして8万円のギターを買いました。クラスでギターを弾ける男子は何かと重宝がられました。ギターは趣味となり、今の仕事でも出番があるのですよ。

母の介護に

母がパーキンソン病だと診断されたのが高校生の時でした。運動機能に問題が生じる病気で、進行すると寝たきりとなり、専門的な介護が必要となります。それまで特に進路を決めていませんでしたが、いつか介護をするのならばその時のために…と割と安易な気持ちで大学は千葉市にある淑徳大学に決めました。都会への憧れも大いにありました。

3年の時に「すごく良い実習が出来る」と先輩の勧めで障がい者支援施設「横浜らいず」で実習を経験しました。これが私と「横浜共生会」との長きに亘るご縁の始まりとなりました。

「横浜共生会」は「障がい者支援施設」 「地域活動ホーム」 「地域生活支援センター」 「地域ケアプラザ」などニーズに合わせ多様な介護施設を運営している団体です。
実習先の「障がい者支援施設 横浜らいず」では介護の経験が無くても出来る掃除や洗濯などの仕事から受け持つことから始まり、少しずつ介助の見学、実施をさせてもらえるようになりました。ご利用者の生活を中心とした支援、コミュニケーションの難しい方との関わり方など、福祉のの仕事に就くことを決めていた私にとって、ここでの体験は非常に貴重なものとなりました。

横浜共生会の介護施設で働く職員さんは「やる気」があり、何か問題にぶつかると皆で考えて「工夫を生み出す」という積極的な姿勢がありました。先輩が実習に勧める所以なのだと思いました。

何度かの挫折…

横浜らいずで実習やアルバイトをするうちに「卒業したらうちに来ないか?」と先輩から声を掛けてもらったのですが、施設の立ち上げを経験したいという思いがあり、就職は平塚に拠点を置く別の障がい者支援施設にしました。
そこでは横浜らいずの家庭的な雰囲気とは違い、ワンフロアに大勢の方が暮らす施設の仕事に戸惑いながらも、先輩、同期にも恵まれ、ボランティア担当、日中活動担当などを担当させてもらいました。
しかしどうしても、ご利用者に対する支援の考え方についていけず、悶々とした日々を過ごしました。自分ができる事、できない事、したい事をいろいろ想い悩む時期でした。
2年を待たずして、就職先を探し様々な施設の実習、見学を繰り返しましたが、就職したのは、実習でお世話になった横浜共生会でした。今思えば最初から自分の中で答えは出ていたのかもしれません。

その後、横浜らいずでは、入所の方の生活支援、日中活動支援、重症心身障がい児者のデイサービスなど様々な部署での仕事を積ませてもらいました。どの期間も一緒に働く人に恵まれ、自分の成長につながる経験をたくさん積ませていただきました。

障がい者支援施設 横浜らいずで10年働くうちに、もっと地域で暮らしている障がいを持っている方を知りたいと思うようになりました。どの施設も人手不足の中、法人の中での異動が難しいのも重々承知の上でしたが、希望を伝え続けることで勤続11年目に西区にある地域活動ホーム 【ガッツ・びーと西】 に異動が叶いました。
この時、送り出してくださった上司の方、受けとめてくれた「ガッツ・びーと西」には本当に感謝しています。これまで経験で培った、ご利用者との関わりを武器にしながら、念願だった地域を意識した仕事に就くことができました。

大人難民

高校生までは障害者を受け入れる教育を目的とする施設は多々あるのですが、18才以上になると、就労や作業所、日中に通所できる所は限られてしまいます。
その通所できる作業所はどこも定員オーバーでなかなか入所できません。
1週間のうち土日が休みとして、同じ作業所に5日間まるまる通えることは稀で、曜日ごとにいくつかの作業所に平行して通うことも珍しくありません。

特に、重症心身障がい者の方は、通所できる場所を見つけることはもっと大変です。既に定員を超えている事業所も多く、最終的に週の何日かは通所が叶わず、自宅で過ごす方もいます。
だからと言って在宅で、いつも家族と一緒では社会との接点も無くなってしまいます。
これから学校を卒業し、期待を胸に社会に出てくる若者の生き生きと過ごせる場所の確保が地域で求められています。

&COCO(あんどここ)

西区の地域活動ホーム「ガッツ・びーと西」も毎年のご利用者の受け入れから登録者が増え、部屋が手狭になってきていました。次年度の受け入れが難しい状況の中、行き場がないのであれば作るしかないと、有志を募って「新規事業所プロジェクトチーム」が立ち上がりました。

まずは物件探しです。
車椅子を使う通所者がおりますから、施設は1階でなければいけません。施設内も車椅子で移動するのである程度の広さが必要です。そんな物件を西区で探すのは至難の業です。見つかっても家賃が高すぎて諦めざるを得ないことが続きました。
そんなこんなで苦労していた時に、ある福祉施設が移転に伴い、その後を使わないかとお声がけをいただきまいた。それがこの場所です。西区ならではの顔の知れた関係性に救われた形でした。

次に内装工事です。
障がいに関心がある方だけでなく、どんな人でもぶらっと立ち寄れるカフェを併設しようと思いました。地域の人と関わっていくことで通所者にも良い刺激になると思ったからです。
既存の壁や仕切りを取り外し、広い空間を作りました。カフェはフリースペースとして地域の方に貸し出し、作品展やギャラリー、ワークショップなどを開いていただけるようにと考え、色も邪魔をしない白やアースカラーを使いました。壁にはワイヤーを入れて様々な作品を飾れるようにしました。

入口のスペースはリラックスできる「みどり」、相談室は太陽のような温かみを感じる「オレンジ」、トイレは介助中にベッドの上を見上げていることの多いご利用者をイメージして天井を「青」にしました。

設計図を描いては直し、修正を入れ・・・と慣れない仕事に戸惑いながらも、始めから作り出すワクワク感を味わいました。この「0から作り出すワクワク感」を是非通所を始めるご利用者と味わいたいと思いながら開所準備に明け暮れました。

施設の名前
「&COCO(あんどここ)」という名前にしました。「&」には地域の様々な人と結びつき、組み合わさって作り上げていくこと、『あれもそれも』と貪欲に乗り出していく意思、そして『それから』という未来に向けた「ワクワク」が込められています。また、安堵=安心感をもち、通える・集える場所という意味も含んでいます。
「COCO」には『個々』の個性が発揮できる場所、『ここ』から歩み、『ここ』へ帰ってくるという集いの場という意味がこめられています。(&COCOのチラシから転記)

ワクワク感を共に

予定はあくまで予定。
気分が乗らない時もある。別のことをやりたい時もある。天気がよければ室内でいるのはもったいない。「&COCO(あんどここ)」ではご利用者の一言で予定が変わることもよくあります。
全てがお膳立てされた中で活動するのは簡単です。しかしそれでは想定のことしかおきません。失敗も含めて経験。「~がしたい。~をやってみたい。」からそのために必要なことを一緒に考え、ゆっくりでも寄り添いながら一緒に様々なことを体験し、一緒に悩み、楽しんでいきたいと思っています。
ご利用者との話し合いの中で、つい職員の目線で考えて決めてしまっていたと気づかされることも多くあります。

「&COCO(あんどここ)」は皆さんが皆さんらしく通う、職場であり、居場所であり、交わる場であり、休息の場でもあります。
「今日は楽しかった」「次こそは楽しく」「来週も楽しみ」そんな風にこれからも一緒にワクワクしていけたらと思っています。

あなたにとっての横浜とは?

私にとっての横浜は「ワクワクを想像・創造していけるフィールド」です。

人と人とが交わる場所「&COCO(あんどここ)」を通して「どんなことをしたら楽しいか」を会社や世代や業種を超えていろんな人と一緒に考え、ワクワク感を共有できる場所だと感じています。

これまでにないものをみんなで考え、生み出し、ワクワクの輪を広げていく。
自信を持って「ここ」から出掛け、たくさんの出会いを見つけて、地域と繋がっていく・・
そんな「ワクワクを想像・創造していけるフィールド」が私にとっての横浜です。

「&COCO(あんどここ)」は平沼交差点ガストの脇を入ってすぐにあります。美味しいクッキーも常販売しています。カフェタイムに多くの方々のご利用をお待ちしています。また、フリースペースの貸し出しも行っています。是非、ご利用いただき、ワクワク感を共有しましょう!

私にとっての横浜は、
ワクワクを想像・創造していけるフィールド

<取材を終えて>

障害者の仕事を創る活動をメインテーマとするC.P.FACTORYと&COCOと協働でイベント企画しています。夏は、「楽しいをつくっちゃおう!大人も子供も夏休みの自由研究ワークショップ」、12月には「大人のクリスマスマーケット」を今年も開催します。
詳細は、C.P.FACTORYディレクター平安山さんの コラム でもご紹介していきますので、ご覧ください。

 

 

(インタビューと文:高野慈子平安山美春

 

 

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