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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第109回)

by staff on 2022/4/10, 日曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第109回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

“フリーカラー” という言葉がビジネスの世界で最近使われるようになりました。従来は “ホワイトカラー/ブルーカラー” の2分類で語られることが多かったことを思えば新世界。時代は間違いなく新たな次元へ。ホワイトやブルーを超える色は何でもアリ。21世紀の的確で健全な意思決定には、状況への“強靭・機敏・柔軟”の組み合わせが不可欠とも。人材評価の仕組みも、20世紀最高の経営者といわれたGEのジャック・ウエルチ流スタックランキング(毎年下位10%を解雇or配置転換)だけではサステナビリティは持続できそうにありません。サステナビリティには自由と責任が前提で、何よりも自発性と創造性。その評価フィードバックもこれからはリアルタイムに。併せて教育システムの見直しも必須。常に何かに挑戦し続け、失敗しても継続して取り込むこと。計画ありきでなく再検討・見直しも厭わないこと。画家・横山大観も描き直しが多かったとか。“悪相の 魚は美(うま)し 雪催(ゆきもよい)” と俳人・鈴木真砂女。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

コミュニティが開かれていないと外から新しい血が入らない
悪用されない技術は偽物 子どもには予測できる毎日が必要
大きく稼げる時 大きなブラフを賭けられてそれをはずすか
こちらが大きなブラフをかけ効いた時、と勝負師・木原直哉

木原直哉はプロポーカープレイヤー。誰でも人生の様々な局面で勝負を回避することは不可。勝負の本質は、大きなブラフを賭けられてそれをはずすか、こちらが大きなブラフをかけて有効な時。数年前の世界ポーカー選手権大会では、日本人選手として初めて優勝。コンセプトとしての芸術と具現化する技術の融合。リアルとオンラインのポーカーでは、リアルの身体的クセなどからオンラインのレベルが格上。これはDX時代の生き方の教訓にも。“異常に緊張する時は練習が足りない時” とバレリーナ・森下洋子。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

日本企業は縦割り構造 業界内では企業同士の競争に拘り
企業は日本一になるのが目的 中国や韓国は世界一が目的
日本の技術はタテのストック 中国技術はヨコのストック
技術流出でなく交渉力が問題 流出に見合う対価こそ眼目

“日本企業の縦割り構造” は今も不変。それを体系的に指摘したのは中根千枝教授。社会人類学研究で、東北から鹿児島まで農村調査、更にインド・イギリス・イタリアなど広範囲のフィールドワーク。その過程での気づきは “日本の集団構造はどこも同じ”。そこから名著 “タテ社会の人間関係” が誕生。DXで村社会構造をどう止揚できるかが日本組織の課題。プロセスや人間関係は今も農村社会。核心は一に多様性、二、三も多様性。“楽器を弾きこなせれば善い音楽になるとは限らない” とピアニスト・秋吉敏子。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

ベンチャー企業の仕事の時間配分 三分の一はクリエイティブ
三分の一はアイデアを形に 残る三分の一はマーケティングに
お金 必要と意欲があれば手に入る ひどい製品も何か学べる
中小企業ネットワーク 同地域で異業種・離れた地域で同業種

ベンチャーは、新しいサービスやビジネスを創造。ベンチャー企業の時間配分は1/3がクリエイティブ、1/3はアイデアの商品化、残りはマーケティング。“成長したい・仕事を楽しむ・自分で産み出したい・挑戦したい・落ち込まない・プレゼンが得意” などが武器。採用基準は、学歴・学位は一切評価せず、損失を被ったらそれにより受ける利益を逆に直感できる人材。学歴社会の崩壊は30年前から粛々と進行。“数学の論理:仮定が正しい限り正しい。だから仮定の検証を重視” と数学エッセイスト・小島寛之。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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(第109回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

 

 

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