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楽しみながら環境を一緒に学ぼう! 株式会社オオスミ代表取締役 大角武志さん

by staff on 2022/7/10, 日曜日

 

お名前 大角 武志(おおすみ たけし)
お生まれ 横浜市生まれ
50歳代後半
お住まい 瀬谷区在住
お仕事 株式会社オオスミ代表取締役
HP https://www.o-smi.co.jp/
趣味 アウトドア キャンプ 釣り

夏至と冬至の年二回発行される環境グッズマガジンがあるのをご存じですか。「ZERO CHRONICLE」 というタイトルの雑誌は横浜市瀬谷区に本社のある株式会社オオスミの大角武志社長とブランド戦略の専門家である村尾隆介氏が共同編集して発行されています。

Winter2021の特集は「SDGsを学べる機会やきっかけ その点日本は恵まれている環境!?」でした。SDGs・・と聞いて、拝見しましたが内容の濃さにびっくり。
今回は編集長の大角さんに「ヨコハマこの人」にご登場いただきました。

「ZERO CHRONICLE」第5号

幼少の頃はどのような少年でしたか

父は化学系の技術者で、化学分析の仕事をビジネスとして1968年に会社を立ち上げました。私が小さいときは家の敷地内の小屋の中で仕事していました。ビーカーや試験官がたくさんありましたね。その中で一生懸命働いていた父親の姿を覚えています。

小学校・中学校は公立に通っていました。ボーイスカウトに所属していて山に行ってキャンプをしていました。今もアウトドアが大好きなのはその影響があるのでしょうね。

ボーイスカウトでは学年の違う方々とのチームワークが重視されていました。そこでは、人のことを思いやる、面倒を見るというリーダー哲学を学ぶことができました。

中学校・高校ではバトミントン部に所属していました。中学校は公立で弱小チームでしたが、高校は全国大会に出るような強豪校で練習が厳しかったです。特にランニングはきつかった。レギュラーにはなれませんでしたが、一生懸命やっていました。
高校では学業よりも運動を重視する雰囲気で、自分にあっていましたね。

ボーイスカウト時代 右から3番目です

半導体の技術者だったとか

高校生のときは、父の会社でアルバイトもしていましたが、大学に入学するときは、父の会社を継ぐことを全く考えていませんでした。通信工学を専攻して、半導体について学びました。実習でラジオを作ったこともありますよ。
大学1,2年は札幌での学生生活でした。
スーパーのレジ係やレストランのウェーターなど、サービス業関連のいろいろなアルバイトを経験しました。そのときの経験から、社会人になってからは、お客様の立場に立って物事をとらえるということが常に念頭にあります。3.4年は、神奈川での学生生活でした箱根の温泉旅館でも布団敷きのアルバイトなどをしていましたね。

卒業後は一部上場会社で電子部品の設計をやっていました。紙に書くと4畳半の広さになるものが、ICチップになると1cm四方になるのです。凄い技術でしょう。
3年ほど設計業務に従事していましたが、クリーンルームの中で行う仕事なので、日に日に青空の下で働きたいという気持ちが強くなりました。社風も福利厚生もいい会社だったのですが、退職して建設設備の会社に転職しました。

その会社で、外で働きたいと希望したところ、空調機や大型冷蔵庫などを販売する営業に配属されました。法人相手の営業でしたが、そこでの営業経験は今も生きていますね。5年間勤務しました。営業成績も結構よかったですよ。
ここで頑張って営業部長を目指そうと考えていた矢先に、父から会社に来てくれないかと声がかかったのです。当時の上司に相談したところ、親を手伝ったらと背中を押され、30歳にして考えてもみなかった父の会社に就職しました。

今思うと父は私に人生経験を積ませたかったのでしょうし、経営者としての適性を見ていたのかもしれないと思います。

営業部員時代

30歳にして入社してどうでしたか

父の会社は創立から順調に発展していて、社会に対して貢献度の高い素晴らしい仕事をしているところだと思っていました。ところが実際に入社して営業をしてみると、これまで自分や会社の看板で仕事していたのだと思い知らされました。中小企業だとまず会ってもらえないのです。会社の業務内容をわかってもらうために何度も足を運んだこともあります。

うちの会社は、環境を汚さないようにすることをサポートする、アドバイスする仕事です。水質や大気などの環境調査・分析をメインにやってきました。工場や建設現場の空気や水や土について法律で規制されている数値が守られているかを測定しています。神奈川県や横浜市からの調査依頼もありますが、民間のお客様からの問い合わせも多くあります。

私が入社したときは、環境に関心が高まってきた時代でした。ISO14001(環境のISO)の影響も大きかったですね。会社の業務内容も変化してきていました。測定技術の進歩もあり、調査項目も増えていました。ダイオキシンや環境ホルモンなど微量でも地球環境に影響を与えるものについても測定ができるようになりました。それに伴い、測定機器の価格も跳ね上がりましたね。

将来は社長になるのだと言われていましたから。30歳代後半から、ピーター・ドラッカーの講座などに通ってマネジメントの勉強を続けていました。
2003年に父から引き継いて社長になりました。それから20年近く経ちますね。

社長になられてから様々な事業展開をされていますね

それがこれです。
「私たちは 地球に暮らす人々に『安全』と『安心』を環境面から提供しつづけます」

そして今後の事業展開について3つの目標を掲げました。
一つは海外に進出することです。
おかげさまで、2020年10月1日より株式会社オオスミはベトナムダナン市にて現地法人Osumi Vietnam Co.,Ltd. を設立いたしました。ベトナムに進出している日系製造業に、省エネ診断、省エネ効果の見える化などのトータルサービスを提供しています。その他にもJICAと協力してアジア諸国の環境調査を実施しています。

ベトナム人スタッフ

二つ目はエネルギーの省エネ診断やコストダウンのコンサルティングに力を入れることです。弊社はメーカーではないので、対策品を買って欲しいという視点ではなく、コストダウンについて公正にジャッジすることができます。細かいことまでご提案するのでお客様に喜ばれています。

三つ目は材料や製品解析の分野に進出することです。これは、製品が壊れたときに破断面を調べて壊れた原因を探ることで、製品の問題点などを明らかにしていくことです。製品がリコールになってしまうのを防ぐために第三者機関の弊社に解析を依頼されるのです。これは信頼性が問われる責任重大な仕事です。

常に社会変化や技術進歩に遅れないようにスタッフの研修には力をいれています。

CSR(企業の社会的責任)や社会貢献活動に取り組んでいらっしゃいますね

創業50周年を迎えた2017年に、「私たちは地球のドクター」というコーポレートスローガンを掲げました。地球環境が少しでも良くなるために、私たちが培ってきた経験や技術を皆様に提供していきたいという想いが込められています。

弊社は横浜型地域貢献企業として認定を受けています。社内では使用済み切手やエコキャップ運動や周辺mp清掃活動などを行っています。「よこはま運河チャレンジ」に参加して、運河をきれいにする活動の一環として水質調査などを行っています。また、省エネに関する出前授業なども行っています。

自前のカヤックで大岡川の清掃活動に参加

オオスミ本社で使用する電力は秋田県八峰町峰浜風力発電所から供給を受けているので、再生可能エネルギー100%です。

昨年から鎌倉で開催する環境特化型研修「カマクラス」を立ち上げて、会社のスタッフたちと一緒にみんなで楽しく遊びながら環境を学んでいます。

第一回(2021/9/18)は環境に取り組む店舗の見学、SDGsボードゲームの体験、蜜蝋ラップを実際に作ってみるワークショップ、村尾隆介さんのミニ講演など盛りだくさんの内容を、鎌倉の古民家である “旧村上邸” で行いました。「カマクラス」は社員研修ですが、一般の方々も参加可能にしています。

カマクラスでの美化活動(第3回2022年6月18日開催)

最近では、山梨県道志村でハッピーバレーを展開している太田さんの水田で田植えを経験してきました。根っからのアウトドア派なので、なんでも自らやってみていますね。

9月に食のイベントを開催されるそうですね

「ZERO CHRONICLE」を発刊したのは、日本での環境への取り組みが遅いことを知ってもらうため、海外の事例を通して環境問題の重要性を皆様に知っていただきたいという想いと、オオスミはこんな活動をしているのだということを知ってもらいたいという想いからです。

村尾隆介氏の協力を得て、6号(SUMMER 2022)まで発行しています。累積の発行部部数も15,000部になりました。おかげさまで「株式会社オオスミ」の認知度も高まってきました。

「日本の脱プラスティックとゼロウェイストに貢献したい」というテーマで始めた雑誌ですが、最近は一般消費者、個人の意識を変えないと環境問題は解決しないのでは―。という想いが強くなってきました。特に、食料自給率の低い日本において、輸入食材や食品ロスの問題など「食」をめぐる問題は山積です。

それでこのたび、9月17日に「食」をテーマにした環境イベントを開催しようということになりました。横浜の「食」に関わる8名の方々に登壇していただきます。映画の上映会も行う予定です。このイベント構想を社内で話したら、自分が登壇したいという猛者もでてきて、嬉しかったですね。現在、各部から希望者を募って10人のプロジェクトチームで企画を進めています。

9月17日(土)会場は、横浜市緑区文化センター「みどりアートパーク」です。入場無料ですのでご興味を持ってもらえたら、ぜひお申込みいただきたいと思います。

あなたにとっての「横浜」とは?

横浜は「一番誇れる街」ですね。
街に暮らす人たちが仲が良くてまとまっているし、キラキラ輝いていて大好きな街です。
横浜は都会ではなくて、地方都市の良いところも併せ持っている町だと思っています。

この良さをこれからもなくさないで、子どもや孫たちに引き継いで行きたいですね。

私にとっての横浜は、
「一番誇れる街」です

 

<取材を終えて>

大角さんはご自分が経営される会社だけでなく常に地域、そして地球の環境ことを考えられています。自社の宣伝媒体ですよ・・と仰っていますが、雑誌「ZERO CHRONICLE」の内容の充実度は、単なる自社宣伝のために作っている雑誌でないことは一目瞭然です。9月に開催される食のイベントも、入場者はすべて無料という「太っ腹」の企画で、日本の食を取り巻く状況に危機感を感じて開催されるものです。大角さんの環境に対する危機感を、私たちも共有しなければと思います。

 

(取材・文責 渡邊桃伯子)

 

 

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