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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第113回)

by staff on 2022/8/10, 水曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第113回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

“Fail Harder” という言葉をシリコンバレーで何度か聞いたことがあります。“思い切りやってハデに失敗してみろ” という意味とか。ただ “Think Different” であることが前提。他にない視点があって初めて価値を生むというもの。夢が破れても人生、夢が破れた後も人生。人間は遺伝子を更新させながらここまで到達。今までの人間観を破壊させる絶好機。遺伝子を更に進化させる手として、AI・ロボットと共に進んでいくという選択。AI・ロボットとの関係性も多種多様で複雑なものへ。社会には改革・革新が求められていますが、人間自身にも改革・革新が必要な段階に。人間という存在への革命。最適化にこだわらず多様性を重視。それが人間の思慮・判断力を深めることに繋がるかも。詩人の本能・直観と科学者の理性・論理。“価値を売る”ことに徹することが生き残る道。どの世界も人材第一、戦略二の次。自分自身を説得できるかどうかが最優先。“南極:風土の厳しさは人間をもう一度素直にさせてくれる” と建築家・吉阪隆正。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

組織は今どこにいるのか 五十年後はどこにいるのか
想像を巡らせないと危険 確実だけでは先は見えない
夜の生物 視野から星が消えると 敵の襲来に気づく
キノコ 菌糸が冬の到来を予感 子孫のため傘を開く

組織の二十年後、五十年後はどんな姿になっているのか。組織の変革が叫ばれていますが、何かを変える場合には何を変えて何を変えないか、特に “変えないもの” を特定することが肝心。確実なものだけでは先を透視できず、想像力を加味しないとかえって危険。特に、自分たちの力量の範囲内で課題を解決できると信じる罠も。キノコの菌糸は冬を予感して子孫のため傘を開くとか。時間とともに老熟。“自然界:変革の原動力を多様性に求める。それが種の生存に繋がるから” とヴァイオリニスト・ハイフェッツ。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

グーグルの真実 ユーザーに焦点を絞ること 他のものは後からついてくる
一つのことをとことん極めてうまくやるのが一番 外部には常に情報がある
情報のニーズは全ての国境を越える スーツはなくとも本物の仕事はできる
素晴らしいではダメ ウェブでも民主主義は機能する それでお金は稼げる

グーグルは事業展開や仕事ぶりからして、高学歴集団とのイメージがありますが、大学を卒業していないメンバーも15%前後いるとか。世間のレッテルには一切固執せず、あくまでも事業の方向に合わせた人材を独自に評価・採用するから。ビジネスの枠を超えたミッションを設定し、顧客に焦点を絞って観察を執拗に繰り返すこと。解決策をゼロから創ることに固執せず、スーツを捨てて本物の仕事をする文化風土。“時間をいかに凌ぐかしか考えないから身につかない” とラグビーコーチのエディー・ジョーンズ。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

ナレッジマネジメントとメンタリングをうまく関連付ける
積極的に受け入れようとする意志がなければ成功は難しい
成長と変革の機会 多様情報・知識アクセスの手段や源泉
異分野の深い経験・ノウハウから学ぶ 自己への深い認識

イノベーションは広大な網の目。魚が網にかかるのは網目の一つに過ぎないけど、網目一つだけの網では魚は捕えられない道理。メンタリングの役割はここに存在価値。対象をフォーカスしても他との関係を断ち切らないこと。マニュアルで処理できる仕事も多いけど残りは簡単に予測できないもの。多くは必然で残りは偶然。パフォーマンス評価では、目標達成だけでなく制約や目標変更の軌道修正策も包含。“修行にすぐ結果を求めない。修行することで次のステップが生れる” とコメディアン・萩本欽一。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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http://www.syplus.jp/ooura/

(第113回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

 

 

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