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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第116回)

by staff on 2022/11/10, 木曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第116回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

“リスキリング” という言葉が浸透してきました。本質は、単なるスキルアップじゃなく転依・変身。ミレニアムの2000年、OECDは “21世紀の人材像” を発表。主要三項目の一つが “何を学ぶかを特定し、それを持続的・効率的に学ぶことができる能力”。学び続けることが生き続け・仕事し続けるための生命線。典型的ロールモデルはイチロー選手。一日も欠かさず、素人が見ても退屈するほどの学習・工夫の繰り返し。これぞ成果を生む原動力。学び続けるエンジンは好奇心。英雄ナポレオンも死ぬ直前のインタビューで “人間とは何か?” と問われて言下に “好奇心がすべて” と答えたとか。好奇心を拡大・深化させるにはリベラルアーツを強靭にするしかなさそう。何より “自由人” であること。自分が面白いと思った領域を、粘りに粘って掘り下げるしかないのかも。弱みも磨けば個性。すべては抽象的で具象的。古代ローマ時代のリベラルアーツから21世紀のリベラルアーツへ。“毎朝毎時鍛える。今日の我は昨日の我に勝つ” と宮本武蔵。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

問題解決には熟慮が原則 ただ決断の遅れは命に関わる
籠城する敵を落とすには 敵の三倍を超える兵力が必要
誰もが高く跳ぶ前に 膝を曲げて力を貯める時期がある
収入よりは満足に目を向ける、とヨルゲン・ランダース

ヨルゲン・ランダースはノルウェー・ビジネススクール教授で、持続可能な発展&シナリオ分析等が専門。問題解決には熟慮が不可欠、されど決断の遅れは致命傷。ローマ・クラブの “成長の限界” から40年目の2012年には、今後40年のグローバル予測と題する新しい報告書を提示。限界を超えて生きていくための選択。人間は創造的活動をしないと退屈してしまう生き物。未来は総カルチャーセンター、金銭より心の満足に関心を持つ時代。“演技が変わらなかったら人間の成長が止まっている” と喜劇役者・藤山寛美。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

世界の優良企業のCEO データから有意義な洞察
洞察をアクションに結び付ける 限界を超える手段
日本企業 死蔵されているデータをどう活用するか
イシュー(論点)に全力投球 イシュー分析を活用

イシュー分析は、複雑なテーマへの課題解決手法。対象を “キー・イシュー” として設定し、必要な数の “サブ・イシュー” に分解。サブ・イシューは更に必要に応じて “サブ・サブ・イシュー” へと順次展開。深堀りはイシューに対する分析可能な証拠材料(エビデンス)獲得の目安がつくまで実施。元・国連難民高等弁務官の緒方貞子さんが得意としたアプローチ。ビッグ・データも証拠材料を産みだせなければ無力。“温故知新:古い知識の蓄積の価値を知るものが新しい発見に辿り着ける” と物理学者・本多光太郎。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

米国ではグレーは白 日本ではグレーは黒
電子チラシ 新聞をとっていない世帯増大
失敗の力 創造を阻むものの枠組みを変え
それを逆転させることで新たな価値を生む

“われうたえども やぶれかぶれ” と詩人の室生犀星。“やぶれかぶれ” は誰でも一度や二度は体験するもの。失敗や挫折は一種のパワー。創造を阻む枠組みを粉砕し、状況を逆転させることで新たな価値を生む原動力。一級や二級でなく別格を生む源泉。今後、AI技術が産む利益は一段と偏在化。人間は土壇場でこそ真価を発揮、自分の持ってるものを大事にした上での充実。連帯を求めて孤立を恐れず。“人間が恐怖を感じるのは信頼が足りないから。私は私を信頼する” とボクシング王者モハメド・アリ。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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http://www.syplus.jp/ooura/

(第116回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

 

 

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