早苗ネネ エッセイ ONENESS LOVE #26
セロ弾きのゴーシュ(音楽療法)
だいぶ前から 音楽療法の事は知っていました。私の親しい友人のエレクトーン奏者も音楽療法の勉強をしていて、もうすでに資格を取って仕事を始めていると思います。
これからの激しく変容してゆく時代を人々が健やかに乗り切ってゆくのに音楽療法は重要な地位を担ってゆくのではないかと思います。が、では音楽療法とは一体どんな物なのか。
先日 私は本物の「セロ弾きのゴーシュ」先生に音楽療法をしていただき、正に素晴らしかったので、今回はその体験談を皆様にシェアしたいと思います。
佐藤美代子さん。世界的なバイオリニストです。今年で79歳と伺っています。
彼女が岡山県の日本基督教・倉敷教会にてソロコンサートを開かれました。普通バイオリンの演奏会と言うとピアノの伴奏もつきますが、彼女の場合は純然たるソロです。
その演奏は時にはメロディアスで、時には奔放で、私の心身にダイレクトに伝わってきます。教会のきっちりした板の椅子に座って其のバイオリンの音色をひたすら浴びる。お客様の中にはこっくりこっくりとご自分の顕在意識を遠ざけて音楽を聴く方もいます。
日本人の場合は特に周りに気を遣う事が美徳とされている文化がある為に 神経がへとへとに疲れていて自分の顕在意識と潜在意識が、かけ離れていて断絶しているような状態の方がたくさんいらっしゃいます。自分の好きな事をやってよいと言われても何をやってよいのかわからない。迷惑はかけたくないと、常に周りの人の目を気にして、親や、他人の評価を自分の基準にして生きている。人の心に寄り添うように、そんな訓練がなされている。
そういうような状況下では忙しく働く表層意識をいったん休ませ、その音楽が深層意識に働くように寝てしまう方法があります。特に情緒的な音楽、や、単調な繰り返しの音楽などは聴く側の、まるでタービンの様に回り続けている思考、すり減っている自立神経などの回復には必須で、そのひと時だけでも雑事の気苦労を遠ざけて休む。
この段階での音楽療法には 案外どなたでも体験があるのではないでしょうか。
落語なども話し手の導入部分で徐々に眠気が来て、意識を失って 周りのお客様のどっとした笑い声に目を覚まして、又それが終わると寝てしまう、そんな繰り返しで疲れが取れてすっきりされる方もいると思います。以前の私は、自分の舞台で眠ってしまう方がいると、自分の舞台が面白くないから、と、自己批判的にネガティブに考える傾向がありましたが、最近は客席で寝る方はそれだけ疲れているという認識でそっとしておいてあげる必要を感じます。話しがそれたので又佐藤美代子さんのコンサートに話を戻します。
その日の佐藤美代子さんのバイオリンはまるで奔放な弦の遊びの様な感覚で、その演奏が有名な作曲家のバイオリン協奏曲であるとか、そんな事は全く予想も出来ないほど、彼女の両腕、両指から紡ぎ出されるバイオリンは自由自在に音が飛び交い、時にはクレージーな、私の概念や常識を飛び越えて張り詰めた弦が乱舞する。そして突然大草原の様なスケールの中にポンと放り投げ出されたり、弾き手の確かな音の羅列だけが頼りと言う名医に託す安心感の中で細胞の隅々まで音のメスが入ったような、そんな感覚がありました。
パリの音楽学校を首席で卒業され、世界中のオーケストラをバックにソロのバイオリにストとして長い間、演奏されてきた、その確かな足取りが彼女の中に血肉となっていて一音一音にその蓄積が彼女の無償の愛と共にその場にいる全員に送り届けられます。
時には激しく時には優しく、ただ無心にその響きを全身で浴びて気が付いたら休憩でした。
20分ほどの休憩に、穏やかな観客の談笑を聞きながら、私の身体は全細胞がエコ―の様に響き合って動けません。自分の細胞も70パーセントは水だという事を感じました。その体内の水の中でクジラの鳴き声を聞いているような。バイオリンの言霊が細胞内で響きわたっているのです。そしてとても静かな涙がはらはらと目からこぼれてゆきます。
あ~整ってゆく! あ~緊張で固まっていた神経が!ほぐれてゆく! あ~助かった!
私の指先から、髪の毛から。足の指先まで、グァンガンと繊細に響き合っているのです。
細胞内に響くエコーを感じながら、子供の頃に絵本で読んだ宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」の絵を思い出しました。ゴーシュさんがセロを一心不乱に弾いているその軒下で、傷ついた動物たちが集まってその演奏を静かに聴いている絵です。
私はモグラさんかな?タヌキさんかな?
そんなことを思いながらハンカチで流れてくる鼻水をかみました。余りにも大きな音で恥ずかしかったけど。沢山の鼻水で何度もかみました。
佐藤美代子先生ありがとうございます。
帰り道の足取りはとても軽くて駅から自宅までの歩きはスキップしているような気分。
翌朝、左肩の射すような痛みの凝りが消えているのに気が付きました。
一番うれしかったのは最近特に目覚めて起き上がり時に感じる目眩が取れていた事。
皆様も是非 「セロ弾きのゴーシュ」となって良い音楽療法を施してくれるドクターの演奏を体験して、体を整えて、 師走を乗り切ってください。
(早苗ネネ♪)
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「和歌うた 小倉百人一首」公式音楽ビデオ 「ひとりかもねむ」
迎春
ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)を立ち上げました
日本古来の大和ことばで綴られた和歌を現代の調べにのせて歌う「和歌うた」。私 早苗ネネはもう20年近くこの「和歌うた」を歌い続けています。お蔭様で、じゅん&ネネと共に「和歌うた」は私のアーティスト活動の中心軸となり、多くの方々からご支援を賜り各地で和歌うたライブを開かせて頂いております。
この度立ち上げたネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)は、「和歌うた」とHULAや太極拳などの異文化や全国に受け継がれている伝統文化とのコラボレーションをはかります。世界の民族が持つ固有の文化とその文化の根底にある言霊が「和歌うた」と融合することで生まれる新しい表現をみんなで共有する取り組みです。
「和歌うた」のライブは歌い手と聴き手という構図です。ライブ会場はみんなで一体になって盛り上がりますが、歌い手と聴き手という構図は否めないものがありました。ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)ではワークショップ形式で参加して下さったみなさんと一緒に作品を作り上げていきたいと考えております。みんなで作った作品にはみんなの愛情が込められています。出来上がった作品はみなさんの元気の源の一助になることでしょう。
ネネグースプロジェクト(Nene Goose Project)Official Website:
nenegoose.love
三十六歌仙CDアルバムによせて
10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。 |
和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。
早苗ネネ/京都・高台寺 北の政所・ねねさまに捧げる三十六歌仙 『和歌うた』CDアルバムは、 Amazon で販売しております。
早苗ネネさん 和歌うたLIVE
早苗ネネさん プロフィール
木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。
心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。
早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。
そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。
<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?
ヨコハマNOW 動画
新横浜公園ランニングパークの紹介動画 | ||
ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
横浜中華街 市場通りの夕景 | ||
横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。 |
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