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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第118回)

by staff on 2023/1/10, 火曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第118回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

“カオス:複雑系” という言葉が流行したのは20年以上前。メタバース(仮想空間)が登場した現在、10年後・20年後の姿をアバター(分身)で創り出し、複眼の環境を実現、脇侍として活用する手も。これからの人間はクリエーターに生まれ変わらないと生きていけない時代。何かを生み出す行動でなければ行動とはいえないはず。好奇心があり、しぶとく・楽観的であれば御の字。ただ、人間は間違うもの、間違った後をどう生きるか。ルールを創らないで、ルールを考えなくともやれる環境を創りだす。課題解決のカギは、一人一人の個人に委ねられることを自覚する必要がありそう。これからは “モノやお金の経済” から “人間個々の命の経済” へシフト。複雑系はビジネスの世界から拡散し、個人環境全般にまで拡大。リスキリングの習得スピードに比べて、環境変化・技術革新のスピードの方が速い未体験・異次元のゾーン。スポーツでもレフリーのスキル向上より選手の成長スピードが超越。“大事なことは言わないで伝える” と松尾芭蕉。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

二一世紀は、さまざまな資本主義が共存する 政府主導型が台頭し、鬩ぎ合い
イタリア人はマニュアルを持たず周囲を見回さず 歩調を合わせる意識もない
トラブル、それもまたエンターテインメント イタリア人は人生を生きる達人
面白おかしく生きる、これも資本主義 真似する必要はないが学ぶ余地はある

二一世紀は多様な資本主義が台頭。資本主義は、封建主義の後に現れ産業革命・米国独立・フランス革命などによって確立。個人が営利目的で事業に挑戦するのが基本。それを推進する思想は自由主義。最近は国家主導型が登場し鬩ぎ合いに。マニュアルなし、歩調を合わせる意識もなし。さすれば、面白おかしく生きるのが資本主義の持ち味。高い理想と泥まみれの現場感覚でエンターテインメント化。“挑戦して確実に報われるのなら誰でも挑戦する。報われなくとも情熱・気力を継続するのが才能” と棋士・羽生善治。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

成長性や革新性、もう一度真正面から向き合う 好況、不況は所詮人間のなせる業
剣や鉄砲の戦争に勝っても、経済の戦争に負けると国は仕方がなくなる、と勝海舟
イノベーションに境界なく、経営にも国境がない 日本企業、今後は多くが多国籍
局地戦だけに固執しないこと 世界のピンとキリを、全体からシッカリと押さえる

勝海舟は無役の旗本。山岡鉄舟・高橋泥舟と共に幕末の三舟といわれた人。西郷隆盛との会談で江戸を丸焼けにすると脅し、窮地を脱したことは有名。ナポレオンのモスクワ遠征で、ロシアの将軍がまともに戦ったら勝ち目はないことから、モスクワを火の海にして冬将軍の力でナポレオンをパリへ敗走させたことを知っていたのかも。“世の中に無神経ほど強いものはない” とうそぶいたとか。“歴史的には何度も不可能だったはずのことが起きている。それは不可能なことを求める人がいたから” と社会学者・大澤真幸。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

企業研修に変化が出ている 幹部研修にリベラルアーツを導入する機運
顧客も自らニーズを語れない 想定外の事態に、衝撃を受け止める工夫
余白を自らの中につくり出す 戦略、戦術も大事だが感性や直観も重要
戦術は教えられるが、感性はできない 組織も個人も固有名詞で生きる

社会が高度化・複雑化し、その中で生きていく上での術が大きく変わってきています。学校のお勉強だけでは対応しきれず、個人それぞれが自らの血や肉を自力で獲得していく必要が求められているのかも。ギリシャ・ローマの未開で過酷な時代を切り開く上でも、労働力だけでは不十分で、総合的技芸全般を身につけることが求められました。それがリベラルアーツで、知の集大成・総合芸術。これがローマ帝国の象徴的な巨大建築や社会システムを実現させました。“つまらないことをきちんと行う” と作家・幸田露伴。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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(第118回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

 

 

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