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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第120回)

by staff on 2023/3/10, 金曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第120回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

“毒” の展覧会。先日まで上野の国立科学博物館で開催。毒と薬は裏と表。ビジネスの世界も不況は毒で、その状況にどう対応するかのキーが薬。本来、すべての物質は毒。毒は人間世界の中で様々に存在。毒にやられるだけでなく毒を逆手に利用。毒の存在は生物の進化の要因にも。毒を通じて薬を創るという智慧。毒は薬の原石。“毒をもって毒を制す” ためにも毒(本源)を徹底的に究明。植物毒・動物毒・きのこ毒・微生物毒・鉱物毒など毒もさまざま。毒はお化けで、お化けは簡単には消滅しないもの。論理一辺倒から論理を超越する発想・視点へ。世の中はいつも修羅場。学習より創造。毒を吸収しながら身体を強靭化。熱をかけたり乾燥させたり。適量に使って薬にする方法も。量と使い方次第。毒と薬は似たもの同士。人間も自らをアップデートしながら自然な形で毒と共生する方向へ。選択肢は多々あるはず。不合理なことをすることで最終的に合理的な成果をめざす。“死ぬなよ:生きて生きて生きて生き抜くんや” と書家・石川九楊。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

経験に基づいた直感を信じる 一つを実現するには、もう一つを切り捨てる
総てのものには限りがある 縁側空間、世界に通用する知恵を最大限活かす
人間は 面白おかしく楽しむためだけに この世に生まれてきた訳ではない
美しいものにも悪が潜む 不幸・悲しみの世であることを胸に淡然と生きる

直観とは成熟した知的領域の中での推論・類推。論理プロセスを経ない直接的・即効的な認識。分析的な理解とは異なり、直截・本源の鷲掴み。時には、解析力や判断力よりも直観が正鵠を得ていることが多々あるもの。人間世界に閉じこもっていたらわからないことが、ゴリラやネコの視点で視ると新たな世界が見えてくることも。“縁側空間” は全世界とつながる宝物をもたらしてくれるかも。この世はノイズが一杯、人間の身体もノイズの塊。“写真は、撮るものでなく創るもの”と写真家のアンセル・アダムス。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

皆が参加しても参加しない意志 シマウマがライオンを蹴り殺すこともある
木を植えるにも十年の計 過去のことで苦しまない、明日のことで思い悩む
人の真似だけはしない 真正面から問題点を指摘してくれる敵を大事にする
敗因の責任転嫁は決して許されない 危機感に駆られるだけの開発は要注意

皆が参加しても参加しない意志が必要になっているのかも。最近使われなくなった“志” という言葉も改めてかみしめる必要がありそう。過去のことで苦しまない、明日のことで思い悩むのが本道。世の中は粘土みたいなもの。志を貫くためにも、形を変えながら進化・変身。真面目を貫くとは真剣勝負の世界を生きること。真正面から問題点を指摘してくれる敵を尊重。時には豆腐の上を歩く慎重さ。シマウマがライオンを蹴り殺すこともある。“眼よ。眼は心を表わすから一番大事” と女優のオードリー・ヘップバーン。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

才能豊かで周囲から高い評価を受けても 必ずしも成功する保証はない
そう評価された人のほとんどが いつのまにか、どこかに消えてしまう
自らにプレッシャーをかけられず 一方であまりにも完璧に拘りすぎる
苦手は誰にもある 難題を一つずつ克服することが他にないものを生む

才能豊かで周囲から高い評価を受けても成功する保証はなし。目にみえるモノを追うだけでは通り一遍で大抵はダメ。目に見えない直観する力が最後は勝負を決めることも。人間世界だけに閉じこもっていたらわからないことも一杯あるはず。人間関係・存在感・社会的影響力を日々磨くしかなさそう。何事もことを起こす時は成功を語らず失敗から考えること。余り完璧に拘りすぎないこと。ただ、人間や道具の関係性には拘ること。“何かにハマる:通から好き者へ、更に道楽者から極道者へ” と生態学者・梅棹忠夫。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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http://www.syplus.jp/ooura/

(第120回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

 

 

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