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『街場のメディア論』内田樹 著 (光文社新書)

by staff on 2010/11/10, 水曜日
『街場のメディア論』内田樹 著 (光文社新書)

ヨコハマNOW第3号に登場された株式会社新藤の藤澤さんに
「内田さんは難しいことをさらっとわかりやすく説明できる凄い人だよ・・・」と伺いました。早速手にしたのが「街場のメディア論」です。

著書の内田樹氏は、神戸女学院大学の看板教授で人気ブログ『内田樹の研究室』で有名な方です。毎月一冊のペースで著書が発表されているそうで「街場」シリーズもこれが四冊目です。

この本は神戸女学院大学で2007年に行われた「メディアと知」という講義がもとになっています。大学二年生を対象とする入門講義だったというだけあって、平易な言葉で「メディア」が語られています。

しかしながら、新聞やテレビ、出版社等の「メディア」に対しては厳しく鋭い問題提起をしています。

例えば、第六講の「出版は生き延びることができるのか?」では、内田氏は出版関係者に対して努力不足を指摘しています。「本を読みたい人は」は減っていないし、読者の知的劣化も起こっていないのだ、出版の危機は「読み手に対するレスペクトの欠如」にあるとしているのです。そして「読みたい(でもお金が支払えない)」人よりも「金は払う(でも読む気はない)」人が優先される仕組みになっている現状を批判しています。

この本では「メディア」とは何かということを通じて、人間のコミュニケーションのあり方にも触れています。未知の者同士の交流は、不思議に思う贈り物の価値を認めることから始まるというのが内田氏の理論です。コミュニケーションの本質は、「贈り物を察知すること」にあると定義づけています。

内田氏は訴えます。
自分にとって疎遠と思われる人、理解も共感も絶した人をやがて自分に豊かなものをもたらすものと直感して「ありがとう」と告げること・・・人間のコミュニケーションは「ありがとう」からからしか立ち上がりません。

いつもどこにいても、平常心と感謝を忘れないことという内田氏の言葉は読者に多くの気づきを与えてくれることでしょう。文庫本サイズで持ち運びも便利で、電車の中でも読めます。何度でも読みなおしたい一冊です。

内田樹の研究室 http://uchida-tatsuru.blogspot.com/

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