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最低、今の日本を変えるエキスがないと仕事とは言わない、
皆がやっているのは単なる作業だ!
横浜中央卸売市場 本場 水産仲卸 坪倉商店代表取締役 坪倉良和さん

by staff on 2011/3/10, 木曜日

 坪倉さんは「日本をつくり直したい」という想いで、職業や地域を超えて広範囲な活動をしている方です。「坪倉さんとの出会いはどなたにとっても衝撃的なものです。」と言われる坪倉さんに「これまでのこと」と「これからのこと」をお話していただきました。

坪倉良和さん   横浜中央卸売市場 本場 水産仲卸 坪倉商店 代表取締役
大口通商店街 「魚屋カフェ」 オーナー
かながわ朝市ネットワーク副代表
濱の市代表

名前 坪倉良和(つぼくらよしかず)さん
出身 横浜市神奈川区
年齢 2011年4月21日で還暦(60歳)
家族構成 母・妻・長男家族(4人)の4世代7人家族
趣味 真面目に国家に逆らうこと(?)
性格 自己顕示欲が強く超自己中心的に生きている
ナルシスト

坪倉市場HP http://kaneiti.net/
坪倉さんブログ http://morning-market.seesaa.net/

どうして坪倉商店を継いだのですか

 滋賀県出身の祖父が横浜に出てきて坪倉商店を立ち上げました。祖父は88歳で亡くなりましたが、とても迫力のある人で、戦後日本のフィクサーだった児玉誉士夫みたいな凄味がありましたね。父はプラント機器関連の坪倉興業を興して、祖父とは全く別の仕事をしていました。

 小学校のときにお受験をして、山手の聖光学院に入りました。小田和正の4年後輩になります。長男で優等生だったので母にとてもかわいがられました。真面目だったし勉強ができると思われていました。それに反発して子供ながら斜にかまえているようなところがありました。聖光学院では柔道部に入りました。柔道をやったことで精神的に強くなりましたし、根性がつきましたね。

 学生時代にときどき市場の坪倉商店に遊びに行って、現場の厳しさを見ていたので自分としては祖父の商売はやりたくなかったですね。大学は農学部だったのですが、当時は学園紛争の真っ最中で授業がありませんでした。そのときに友人から紹介されたアルバイト先が築地市場の中島水産でした。それが自分の人生を変えましたね。マルエツ糀谷の水産物売場に配属されたのですが、そこで見たのが女性チーフがぐちゃぐちゃになった「たらこの切子」を手で上手に成型して商品として販売している光景です。工夫次第でなんとでもなるという商売のおもしろさを感じました。

 「大学に行っていないなら、うちの商売(坪倉商店)」をやらないか」と父に言われたのは20歳のときです。
「いいよ・・ただし二つの条件を聞いてくれ。」と言って、「口は出すな!」「つぶれてもあきらめてくれ!」という条件を出して、坪倉商店を手伝いました。

坪倉商店でのお仕事はいかがでしたか

 その頃、坪倉商店の業績は悪化していました。店に行って一週間たってから社員を集めて「じいさんのやり方にも問題があるが、あなたたちもくさっているね。」と文句を言ったところ、翌日から番頭二名が来なくなりました。まあスタートから大変でしたね。まず市場のシステムがわからない、セリ人が何を言っているかがわからない、だから品物が買えない。同業者に頭を下げて品物を分けてもらっていました。とにかく10年間はがむしゃらに働きました。社員に対しても相当きつかったと思います。
「たらこ」の件は早速実行しましたよ。同じことを「鮭」でもやりました。(笑)

 坪倉商店は業績を回復し、横浜中央卸売市場の仲卸では十指に入るまでになりました。「もっと大きな仕事をやりたい」という野望を持って川崎北部市場に川崎南部市場の三幸水産と共同で店を出しました。ところがこの店で大きな負債を作ってしまったのです。川崎から撤退することを決め、負債は自分が全部負うことにして、父の資産を担保に入れてもらいました。このとき生まれて初めて父に頭を下げました。精神的にもきつかったですね。妻や周囲の人たちの大きな愛がなければどうなったかわからない状況でした。

 40歳の時だったか、聖光学院の同級生の松島病院(横浜市西区)の現院長から人生についてさとされたのが転機になりました。大変感謝をしています。そして丹沢湖で出会ったブラックバス釣りに夢中になったのもその頃です。土・日曜日ごとに霞ヶ浦に通うのが楽しみでした。今はフライフィッシングに変わりましたが・・・。(笑)
 「人としてのありかたに気づいたこと」そして趣味とで、嫌なことから決して逃げないで再起ができたと思っています。

市場の活性化に取り組んだきっかけは何ですか

 人と同じことはやりたくないという目立ちたがり屋だったかもしれませんが・・(笑)、15年ほど前に横浜中央卸売市場の市場活性化委員会に自ら望んで入っていったのです。日本中の市場を見て回って、このままだと日本の市場はダメになるという危機感を持っていました。

 まず市場では温度管理ができていませんでした。10度以下で保管しなければならないという法律基準を満たしていない、それを皆知っていながら見ぬふりをしているのが現実でした。いい加減なことをしているから、スーパー等による市場外流通が増大してしまったのです。スーパーが販売者の主役となり、対面販売の商店がどんどん減っていったのも市場の衰退を引き起こしました。
 うちでは倉庫会社と提携して物流センターを作って、取引先に直接納入するという事業も始めていました。

 市場活性委員会の委員長になって、人脈ネットワークが広がりましたね。市場をどうすべきか一生懸命勉強しました。
 私の持論ですが、私のいる横浜卸売市場本場は横浜の街の将来という見地からも「食のテーマパーク」にすべきだと思うのです。ここで対面販売の良さを感じてもらいたいと、委員長のときに市場開放につながる「濱の夕市」を始めて、一般消費者を市場に呼び入れましたが、今は、市場開放、一般消費者を呼び込むことには反対の立場です。

 私は「市場人」としての誇りが持てる横浜中央卸売市場にしたいと思って頑張ってきました。真の市場の活性化は、流通の川上と川下の仲立ちをして、食の体系を抜本的に直してき、地方が元気な日本を作ってく、その気持ちが日に日に強くなってきました。そして個人商店が元気になって商店街や街が元気にならないと日本は本当にダメになってしまうと真剣に思っています。

 
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地域活性の想いを強くするきっかけがあったそうですが・・・

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 2007年にイタリアに行きました。そこで見た風景が私のターニングポイントになりました。ある村の何百年も続く養豚やオリーブの生産農家が、街中に素敵なお店を経営しているのです。彼らは皆笑顔でとても自信に満ちていました。日本の農家や商店とは全く違う光景でした。一次生産者もお店そして街も何百年間も変わっていないということにも驚きました。
 「一次産業者・生産者が立派に食えて、販売者が誇りを持って、地域から愛され続ける商店街や街を作ること」これが私に課せられた使命なのです。

 2007年から横浜中央卸売市場の有志が核になってヨコハマポートサイド地区などで「濱の市」を開催しました。目指したのは気持ちのいい空間創造、そこではお客様との会話がこんなに楽しいものだということを再認識しました。
濱の市HP http://www.hamanoichi.com/

 現在、神奈川県内の商店街有志と「かながわ朝市ネットワーク」を結成して地域活性化に取り組んでいます。2009年11月に平塚市八幡大門通りで開催した「第二回朝市サミット」では県内各地から100店が通りに集まりました。半日で3万人以上の集客がありました。さびれていた平塚八幡宮の参道(八幡大門通り)が、これ程の人で溢れるとは誰もが想像していなかったでしょうね。開催に消極的だった地元商店街に何度もカツを入れましたよ。(笑)
かながわ朝市ネットワークHP http://www.scn-net.ne.jp/~shiokaze/asaichinet/asaichinet.html

 商店街の活性化を目指すのであれば、自ら商店街に入っていこうと2年ほど前に神奈川区の大口通商店街に「魚屋カフェ 濱の市」を開店しました。ここでは新鮮なお魚も販売しますし、美味しい魚料理も提供します。お客様がくつろげるようなテーブルを置いて、小売りの原点であるお客様とのコミュニケーションを模索しています。

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 大口通商店街は昔は賑わっていたようですが、今はさびれています。ここだけではないのです。日本の商店街はこのままだと多分あと2.3年で壊滅的になくなってしまいます。先日、学生と話していたら「シャッターが閉まっていて、アーケードのある通りが商店街なのかと思っていました。」と言われました。
 商店街はもう駄目だと言われていますが、皆があきらめていることを、だから俺がやってやろうじゃないか、やればできる、やってみせるぞ!という気持ちです。

 早くも大口通商店街での手ごたえを感じています。3月25・26・27日にストリートワゴンセールをやることになったのです。参加するのは120店舗中50店舗程度でしょうが、それでいいのです。まず始めることが大切なのですから・・・

2011年4月から新しいプロジェクトを始められるそうですね

 「地方と商店と街そして市場を元気にしたい」という想いで「坪倉市場」を立ち上げます。
「坪倉市場」では、日本各地の「想い」のある一次産業者・生産者の商品を集めて、横浜市内の小売店あるいはこれから創業したい人に卸します。「坪倉市場」は生産者と販売者をつなぐ物流情報拠点になります。仲卸として長年培ったノウハウと市場流通のインフラを生かします。このプロジェクトはこれまで私がやってきた様々な活動の集大成になると思っています。

 4月に還暦を迎えますが、これからまた新しいスタート、やっと人生の折り返しにきた気分です。せいぜい長生きして孫たちの代が誇りを持って暮らせるすばらしい日本を作るためにまだまだ頑張りますよ。(笑)

横浜との関わりについて話してください

 生まれてから横浜を離れたことがないので、横浜歴60年になります。
 横浜は水辺のイメージですね。フラフラする前に仕事を始めたので横浜を離れられなかったのです。
 とにかく私は逆境のほうが燃えるのです。燃焼していないとダメなようです。
 「逆境、挫折、失敗は神様からのプレゼント」だと思って楽しんでいます。
 こんな人間なので、最近は仕事関係だけでなく中学校や不登校スクール、大学からお呼びがかかって人前で話すことが多くなってきました。若者たちには「好き勝手に生きろ。だがもう一人の自分を裏切るな。自分で納得すればいい。」と自分の体験を話しています。これも横浜への恩返しだと思っています。

 
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魚屋カフェの風景

入り口は魚屋さん、奥にはいるとレストラン&バー&カフェの「魚屋カフェ」。
落語、古典の地唄三味線、尺八、お笑い等のライブも定期的にやっています。
絶対にこの大口で、いや横浜で一番美味しいまぐろが食べられます!

(下の画像クリックして拡大写真をご覧ください)

 

魚屋カフェ Date Map


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〒221-0002 横浜市神奈川区大口通2-7
TEL/FAX 045-633-7835

営業時間:毎日曜日~土曜日10:00~18:00(L.O)
毎月曜日のみ 10:00~14:00(ランチタイムにて終了)
(原則:18時以降等の営業時間外のお食事はご予約のみ承ります。)

ランチタイム:平日 11:30~14:00 土・日・祝日 11:00~14:00

アクセス:JR「大口駅」西口より徒歩10分

3月の濱の市 大口通店の情報

濱の市PRESETS LIVE!
3月12日 土曜日 19:00~
Cherie’s Bar@濱の市(大口商店街)
出演:三重のDIVA「詩 慧璃(しぇり)」

ストリートパフォーマンス
3月6日・20日 共に日曜日 15:00~18:00
出演:尺八マン 他
雨天の際は中止!

「おおぐち壱の市 」
第6回おおぐち壱の市(大口商店街 一丁目会)
3月12日土曜日 15:00~18:00
ストリートタイムワゴンセール&ストリートパフォーマンス
雨天の際は、翌日13日 日曜日に順延。

3月の濱の市 朝市・昼市の情報

古淵朝市
3月13日 日曜日 8:00~9:30
会 場:古淵南公園

横浜海の朝市フェスティバル
横浜はもちろん神奈川県下の「朝市名人」が大集結して、
海の幸・山の幸の地産物を提供します。
3月25日 金曜日~27日 日曜日
25日/10:00~18:00
26日/ 9:00~18:00
27日/ 9:00~17:00
会 場:臨港パーク一帯((パシフィコ横浜展示ホール ウラ)

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

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