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「愛―マザー・テレサ 日本人へのメッセージ」 女子パウロ会 三浦元訳

by staff on 2011/4/10, 日曜日
「愛―マザー・テレサ 日本人へのメッセージ」 女子パウロ会 三浦元訳  

 「貧しさの中にこそ祈りがあり、誰一人いらない命はない。私はあなたのそばにいる。貧しい人の為にキリストは神から使わされた。一緒に祈りましょう。」マザー・テレサは語りかける。

 3月11日昼大惨事が発生する。まさかまさかの情報がどんどん入ってくる。信じられない被害をもたらした。恐ろしいほどの津波が、家を、人を、車を、そして尊い命を根こそぎ持って行ってしまった。誰もが体の震え、心の震えを感じた。そして限りない励ましの言葉がさまざまな所からはいってきた。日本人を見捨てない。いままでの日本の行動に感謝している。あらゆる支援をしていきたいと。それでも消えた命は戻らない。今私たちは惨事に、そして被災した方々に寄り添う事が求められている。そしてその時におもいだされるのがこの本なのであった。

 「愛は、どこからはじまるのでしょう。家庭です!で、どういうふうにして愛しはじめるのでしょう。祈ればいいのです。祈りは清純な心を醸し出します。」そして「日本は裕福な国だとおもっています。確かにそうです。

しかし、あなた方がご存じないことがあるはずです。親戚の方のなかにも、とても困っていらっしゃる方があるのを、ご存じないだけかもしれません。一人きりで寂しい想いのお年を召したお母さん、身体に障害のあるお子さんなど・・・みんなとても寂しいのです。それが貧しいということなのです。それなのに、もしかしたら、あなたがたはちょっとほほえんであげる暇もないほどのありさまかもしれません。五分でいいから、ちょっと坐って・・・それも、忙しくてだめなのでしょうか。」「祈らなければならないのです。そして、祈りの実りは知恵です。知恵の実りは愛・・・愛の実りは奉仕です。それで、皆さんにお願いしたいのは、いま。ここに集まっているわたしたちが生きているかぎり、ご一緒に世界的な大都会、東京で子どもも、大人の男も女も、だれも望まれていないとか、愛されていない、あるいは世話をしてもらえない、などということがないように努力しようという決意を表明したいということです。」マザー・テレサは飢えには二つある、ひとつは食料がなくて飢えている物理的な飢えであり、もう一つは愛に飢えている精神的な飢えであり、こちらの方は、簡単には治せないと話します。

 「私どもの修道会の修道女や修道士は飢えという貧しさ、孤独で、愛されず、世話をしてもらえないという貧しさに苦しむ人々にとって、神の愛の日ざしとなりたいと願っています。孤独で望まれない人々には、あなた方やわたしなどの愛、つまり、そういう人たちに対しても神の愛の表現しか、苦しみを取り除く方法はありません。」

 マザー・テレサは来日中にいくつかの質問に答えています。「人間がお互いに愛し合うように、イエスは愛に飢えた人間の心を満たすために、ご自分がいのちのパンとなられたのです。それから、ご自分を飢え、身にまとうものも、家もない者にされました。わたしたちが飢えている人々を養い、着るものもない人々に衣服を与えることで、イエスはわたしたちの愛に飢えた心を満たすのです。」

 貧困の問題は私達の身近な問題であること、精神的な貧困では東京という世界有数な都市での問題として提起をされた。物質的な面でも今日的な問題であった。「世界中で行っている仕事と同じことを日本でしたいと思います。飢えているといっても愛に飢えている者もいれば、裸といっても着る服ではなく、人間の尊厳がなくて裸でいる人間、拒絶され、見捨てられ、愛されていないという宿なしの人たち。日本であろうと、米国であろうと、ヨーロッパであろうと、そういう人たちがいます。その人たちのために奉仕するのが、私達の仕事です。」「こんどはあなたが愛の運び手になって下さい」と語る。大きな課題を頂いた。この度の大震災の傷跡は果てしなく大きい。やれることをコツコツやる。包み込む深い愛を自己犠牲の上にすることが求められている。

(文:横須賀 健治)

<参考>

 

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