Skip to content

「事業計画書の読み方と書き方がよ~くわかる本」第二版
~社内新規事業からベンチャーまで~ 松本英博著 秀和システム発行

by staff on 2011/8/10, 水曜日
「事業計画書の読み方と書き方がよ~くわかる本」第二版 ~社内新規事業からベンチャーまで~ 松本英博著 秀和システム発行  

 筆者は、大企業のエンジニアからベンチャー企業の社長を経て、現在はデジタルハリウッド大学大学院で教鞭をとられている方です。

 本書は2006年に第1版が発行されました。その後、評判が良かったからでしょう。IT革命等の社会変革を加味した形で改訂版として7月に発刊されました。

 本書には、筆者の事業開発や起業支援の経験から得た経営ノウハウが示されています。タイトルが「事業計画書の・・・」となっていますが、新しく事業を始めようとする全ての人々に読んでいただきたい経営読本です。経営書にありがちな、ビジネスの現場からかけ離れた理論はありません。

 事業計画の立案には理論も必要だが、顧客との接点や現場の情報のほうが実際には役に立つという筆者の想いから、実践に生かせる考え方や手法が12章にわたって記述されています。

 本書の冒頭で、筆者は事業を進める推進力は、「人財」「資材」「資本」「情報」の4つだとしています。通常は「人材」とするところをあえて「人財」としているところにも、「人」を大切にする筆者の考えが表れています。

 本書では、事業コンセプトを固める「10の問い」が度々登場します。
   問い1 顧客は誰か?
   問い2 顧客のニーズは何か?
   問い3 顧客に情報て供する価値は何か?
   問い4 競合は誰か?
   問い5 差別化のポイントは何か?
   問い6 商品・サービスの内容は?
   問い7 事務フローはどうあるべきか?
   問い8 事業の成果を図る指標(KPI)は何か?
   問い9 事業のリスクは何か?
   問い10 今後の収益成長の見込みはどうか?

 この「10の問い」は、どの事業でも常に考えておかなければならない項目です。
筆者は、各問いについて「ありがちな誤り」と「改善のポイント」を例を挙げて説明し、私たちが適切な解答を出せるように導いてくれます。

 今回、第2版で筆者が力を入れられているのが、マーケッティング戦略についての記述です。インターネットによるICT革命等の影響により、マーケッティング理論が「AISAS」から「AIDEES」へ変化していることをわかりやすく解説しています。

 ※AIDEESとは
   Attention 注意が喚起され
   Interest  興味が生まれ
   Disire  欲しくなり
   Experience 購買し
   Enthusiasm 心酔し
   Share  成功体験を共有する
   Attention 新しい消費者に認知され

 そして、インターネットを利用した販売促進については、「企業人格力」の必要性を説いています。なぜ「企業人格力」なのでしょうか。それに対する筆者の回答は次の通りです。

 TwitterやFacebook等に代表されるソーシャルメディアでは、ファンとの対話が不可欠です。情報発信するファンとの対話を期待するなら、法「人」として人間同様、人格を確立しておかなければなりません。企業人格力があれば、顧客の視点で答え、対応し、一緒に考えることも可能となります。

 口コミが口コミを呼び込む現代社会において「企業人格力」をあげるためにも、綿密な事業計画が必要となるのです。

 本書は、事業計画を読み書きする人を「社内新規事業からベンチャーまで」としていますが、私は本書は経営を志す人々すべてに必見の書だと思います。

<Amazonで購入>

 

Comments are closed.

ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

Page Top