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夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ

by staff on 2011/11/10, 木曜日

♪夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ♪


絵・千絵崇石
 

 読み人:清少納言(せいしょうなごん)現代語訳は、

「あら!私の逢坂の関所は駄目よ 守りは硬いの、誘われても開けませんよ あの函谷関の関守は 鶏の泣き声に騙されて 門を開けてしまったけど・・・ね!」

 この函谷関の事はなぜか、私でさえ知っている歴史上のストーリー。かいつまんで説明すると紀元前299年前の中国戦国時代。斉の武将、孟賞君が秦の国から夜半ひそかに脱出しようとしたが、函谷関所の門は硬く閉っていて、夜明けを告げる鶏の鳴き声と共に開くと言う。立ち往生している一行の中に、幸運にも鶏の泣きまねが上手い人がいて、鳥の鳴き声をまねたら、関守が騙されて門を開けてしまい、孟賞君は危機一髪、秦の国からの脱出が出来た。と言う「史記」に残されているお話しです。

 清少納言がなぜこのような歌を歌ったのかは、前後の理由がわからないと面白くありません。もちろんとても楽しいエピソードが残されています。彼女は当時屈指の才子と言われていた大納言行成と親友でした。彼女の方がちょっと年上で、話の合う年下の男の子・・と言う感じだったのかしら、きっとポンポンとユーモアや機知のあるやり取りが遠慮なく楽しめる間柄だったのでしょう。ある日彼女の所に行成がきて、話しこんでいるうちに夜も更けて彼は明日の仕事のためにあわてて帰ってゆきました。そして翌朝、彼から清少納言のもとに手紙が届けられます。

 「昨夜は残念!鶏の鳴き声に催促されて帰ってきましたが、まだ話したらない気持ちです」彼女は早速返事を書きます。「まあ!鶏の声ですって?それはきっとあの中国の函谷関の鶏の事ね。」こんな面白い返事をもらったら、行成君でなくても有頂天に楽しいでしょうね。彼はそこでまた早速、返事を書きます。「いえいえ、同じ関でも函谷関とは違いますよ。私とあなたの逢坂の関の事ですよ」戯れめいていて、それでいてしっかりと彼女を誘っている大納言行成の文に、彼女が返したのが、「夜を込めて・鶏の空音は・・」という歌でした。この歌に彼は完全ノックアウト。行成君はあまりに見事な女友達の返歌を、色んな人に見せて彼女をたたえたと言われています。

 遠慮なく、楽しいやり取りが出来る異性の友達って中々出合うことが難しいと思いますが、この二人の関係はそんな難しさを上回る軽妙な機知があって、こうして千年以上も残っているのでしょう。清少納言と言う女性、頭の回転が速くて、明るくてドライでユーモアにあふれていて、他の女性歌人とはちょっと趣が違っています。私は彼女のひいお爺さん、9月のコラムに取り上げた”清原の深養父”にとてもおしゃれなセンスを感じるのできっと同じ気質を持っているのだろうなと・・現代人の知性に通じるものがありそうです。

毎月第2金曜日 10月14日 , 11月11日 , 12月9日 , 1月13日
6時30分~ 3回ステージ ¥5500ワンドリンク付き 入れ替えはありません。
出演:早苗ネネ パリ祭出演の歌手の方々2~3名。
新宿シャンパーニュ 電話 03-3354-8540(昼) 03-3354-2002(夜)
新宿一丁目。元新宿厚生年金前。http://www.champagne-live.com/

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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