具象と抽象の間、「生命」を描くユニークな日本画家。
日本画家・茶道(裏千家)講師 佐々木彬文さん
始めて「チェロを弾いている婦人」の墨絵を見た時、色彩のない絵から不思議と色と音色を感じました。佐々木彬文さんは日本画家であり茶道の講師でもあります。そのかたわら趣味でギターの演奏をされています。2011年11月19日と20日の2日間、ワールドポーターズ6Fのワインのイベント(ワインブテック伏見/主催)でギター演奏をされると知りインタビューに伺いました。
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具象と抽象の間、「生命」を描くユニークな日本画家と言われています。
絵を描くようになったのは?
神戸の長田に住んでおりました。そう、震災で大火事のあったあの長田地区です。
父は抽象画家でした。油絵です。私は小学校1~2年生の頃から父の影響で油絵を描かせられました。とにかく厳しい父親で「教える」というよりも「いじめられた」という印象が強いです。ダメだしばかりでしたから(笑) 面白いエピソードがありますよ。
小学生時代、動物園の写生会に父と一緒に行ったのですが、何度描いても父の「ダメだし」にあって、それならと父がスケッチしていたものをちゃっかりといただいて、コンテストに出したのですが・・・小学生の作品展に入選どころか「落選」しましたね。(笑)
厳しい父でしたが、父のお陰で家には貴重な美術の本がありました。次から次へと本を読みました。日本画は独学に近いです。最初に油絵を父に習ったこともあり、日本画を描くようになっても、色を作る時に絵具を重ねる子供の時からの独特の癖がユニークな作風になったと思います。
伊藤髟耳先生に色んなお話しを伺ったりしましたが、習ったと言えば、神戸の長田無線の2階に小笠原誠治先生が奥様と暮らして居られました頃にご教授いただきました。
どの流派にも属さないので、絵画の発表の場といえば「個展」になります。イル・ジョカトーレ横浜公園店 イタリアンレストラン(http://youtu.be/BgP0U33CiZ)では展示販売もしています。
茶道は大好きだった叔父の点ててくれたお茶がきっかけです。
目を養うことで、良いものがわかるようになります。本物を大切にしようと思う気持ちが生まれます。「大事にする」という気配りが美しい所作に繋がります。お稽古ごとも普段の生活の中に活かせる所作や学びでないともったいないです。
出稽古にも本物の茶碗を持って行きます。割れても「お茶碗の寿命」だと思う覚悟が要りますけれど、それでもお弟子さんには本物に触れて欲しいと思います。日本画家は漆に金箔を使うので、私は金継ぎができますから(笑)割れた時はね・・・・。
ギターが習いたくてクラッシックギター部のあった神戸商業高校を選びました。
近頃はこういったイベントのBGMを演奏しています。以前よりも気持ちはのびのびと弾けるようになりました。
阪神淡路大震災を経て横浜に。
1993年11月千葉で病に倒れ国立千葉病院に入院。特発性拡張型うっ血型心筋症という難病だと分かりました。芹山先生に命を助けられます。翌年の1994年6月に退院し、長田の実家に帰ったのが1994年9月。そして1995年1月17日に震災に合いました。
震災の後、実家の片づけ等は直ぐに手を付けることが出来ず放置されるままに、父の絵は全て雨などで傷んでしまいました。私は父があの世に持って行ったと思っています。 避難所の環境は、難病を持つ私にとって最悪の環境でした。私は鎌倉の友人を頼り、鎌倉へ移住。現在は横浜の中区山元町に住して居ります。
日本画家にとって、岩絵の具の種類が豊富な「絵具屋三吉」が近いので横浜はとても便利な所です。(絵具屋三吉:http://www.sankichi.com/)
あなたにとって横浜は?
大病を経験し、大震災に遭遇し、命の重さを考えるようになりました。 私の絵が命の創造と終焉、神との相対そして命の再生だと言われるのはこうした理由からだと思います。心臓のリズムを感じて絵を描き、ギターを演奏しています。
横浜に住んで見て、もっと美を身近に意識することを勧めていきたいと思っています。例えば、祭りや文化を発信する基地として「お寺」を有効活用したいです。「お寺ルネッサンス」とでも言いましょうか、
感謝をこめて、あなたへ(佐々木彬文さんの言葉のままに)
鎌倉の聖テレジア病院の小嶋吾郎先生が病気に付いてお話しして下さった事が有りました。
心臓移植とかしか根本的な治療の方法が無い病気ですが、移植は若い人順だからと話して下さり「私には移植のチャンスは来ない」と・・・・
私の活動を普段から見守って下さっておられました先生でしたから『この病気は偉大な仕事を残す為の切符だと思いなさい。』とお話し下さった事が有りました。
気持ちが楽になり競争とか人と比べるとかを捨て、思う儘に仕事をして参りました。笑って総てを受け入れ暮らせる様になりました。
今迄、私を助けて下さった多くの皆様ありがとうございました。
(文:高野慈子)
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