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CITYNET事業部長 ベルナディア・イラワティ・チャンドラデウィさん

by staff on 2012/6/13, 水曜日

 みなとみらい地区、国際会議場に隣接したパシフィコ横浜5階に横浜国際協力センターがあります。横浜市国際交流協会(YOKE)やアジア太平洋都市間協力ネットワーク(CITYNET)などの国際機関の事務局が入っていて、さまざまな取り組みを行っています。今回、ご紹介するベルナディアさんはCITYNET事業部長として活躍する傍ら、地元鶴見区のまちづくりに積極的にかかわり、また一方では、「持続可能な都市づくりをめざして」世界中を飛び回っています。鶴見国際交流ラウンジで、ベルナディアさんにインタビューしました。

CITYNET事業部長 ベルナディア・イラワティ・チャンドラデウィさん

パシフィコ横浜5F CITYNET事務局にて

 
お名前 ベルナディア・イラワティ・チャンドラデウィ
Bernadia Irawati Tjandradewi
現在のお住まい 横浜市鶴見区
ご職業 CITYNET事業部長
横浜カーフリーデー実行委員会理事
ご家族 両親と6人兄弟の2番目
ご出身 インドネシア ジョグジャカルタ
アジア太平洋都市間協力ネットワーク(CITYNET)
  http://www.citynet-ap.org/ja
横浜カーフリーデー実行委員会
  http://www.ycfd.jp
横浜市国際交流協会(YOKE)
  http://www.yoke.or.jp
鶴見国際交流ラウンジ http://www.tsurumilounge.com

「持続可能な都市づくりをめざして」 CITYNETは設立25周年を迎えます

 CITYNETは、都市と都市が協力し、環境、都市経営、都市基盤サービス、災害リスクの軽減、貧困緩和などの分野で「人に優しい都市づくり」を達成できるよう支援することを目的とし活動している非営利団体です。CITYNETは現在では24か国から,124会員(都市・団体など含む)を擁する国際ネットワークに成長しました。

 横浜市はCITYNET設立以来、25年間にわたり、会長都市として活動を支えてきました。

 世界に誇れる素晴らしい組織ですが・・・横浜市民でさえCITYNETのことを知らないのが現状です。とても残念なことです。

 2012年4月23日に開催した第16回CITYNET日本フォーラムでは、韓国の都市交通改善に貢献されたキム・ギョンチョル博士をお招きしました。キム博士は、『ソウル市清渓川の再生事業』について、高速道路で塞がれた川を元の川に戻し、ソウル市民の憩いの場に変えるプロジェクトに貢献されました。

 こうした他の国の活動や専門家を日本に紹介したり、一方、日本の活動や専門家をアジアに紹介しています。いろいろな講座を開いており、中高生・大学生向けの講座もあります。

 CITYNET YOUTHは大学生が中心となってグローバルに活躍できる人材になるために、国際交流を深めています。

 この機会に是非、横浜の国際機関を訪れてはいかがでしょう?

 

(クリックで、第16回CITYNET日本フォーラムのPDFを表示)

(クリックで写真拡大)


国際機関が入っているパシフィコ横浜

 


CITYNETの機関紙

少女のころから外国に行くことを夢見ていました

 小学校1年生の時に、「将来は何になりたいの?」と訊かれて「国連の事務総長」と答えたそうです。外国に憧れていました。ボゴール農業大学に入学するとインターンシップ留学を許され、最初に行った国はオーストラリアでした。当時は私も「若い女性」でしたので(笑)自己アピールを積極的にする文化に馴染めずにいました。

 そんな折、奨学金で名古屋大学の大学院で大気物理学を学ぶチャンスがあり、日本に来ました。日本は女性に安全な国、交通や生活は便利で、夜の一人歩きも怖くない、同じアジア圏で文化が似ているので、日本を選びました。

 名古屋大学の大学院では地球温暖化のことなどを学び、卒業後はインドネシアに戻り、人々の為に働こうとJICAにアプローチすると、幸運にも仕事がもらえました。

 「貧しい人々のため」「環境を守るため」「教育に貢献するため」「社会に貢献するため」に働きたいと思い、ソーシャルサイエンスを学ぼうと、JICAを1年で辞め、再び奨学金でシンガポール大学大学院に入りました。その後、再び来日し、東京大学都市工学科で博士号を取得しました。

 CITYNETとの関わりは、東京大学時代に仕事を手伝ったことが始まりです。本格的にCITYNETの一員としての仕事が始まると、海外出張が多く、のべ50か国へ行きました。一人で行った国もあります。いろいろな人に会って、いろいろな文化があり、異なる考え方や違いを理解することで、その国の心と触れることができました。少女の頃の夢が「実現」しました。

学んだことを実践し継続していくことが大切だと思います

 横浜市立大学で平成17年から都市開発や国際協力のことを教えています。私の考えを押し付けるのではなく、学生とコミュニケーションを取りながら「考え実践していく」ことを目指す授業です。

 カンボジアでは「分別ごみ」について、プノンペンの生徒に環境教育をJICAと協力して実施しました。「なぜゴミの分別が必要なのか」を共に考えるプロジェクトです。ゴミの分別が定着していくことを願っています。

 鶴見では「あったかいまち鶴見」で日本人と外国人と協力して人に温かい環境を作る運動を始めています。まちを歩いて気が付いたことなどを少しずつ改善していけたらと思っています。

 横浜カーフリーデーでは、9月22日のイベントに向けて、イベント前のモビリティーウィークをより充実した内容にし、イベントで終わらず継続していくような仕組みを提案しています。まちづくりや新しい交通、ECOエネルギー等の支援団体が、日頃から地道に積み上げた活動を発表する場所が「横浜カーフリーデー」だと思います。

なぜ鶴見なのかとよく聞かれます

(クリックで写真拡大)

 

 以前は妙蓮寺に住んでいました。友人の紹介で「鶴見」に引っ越すことになりましたが、不安でいっぱいでした。 鶴見のイメージがあまりよくなかったからです。1~2年日本に住むつもりでしたが・・・長く住むようになってしまって・・・「自分の住む町を知りたい」「もっと住み易くしたい」と思うようになりました。

 鶴見は隣近所のおばさん、おじさんが下町気質のいい人ばかりです。いい人が住むまちは、いいまちでしょう?!

 まちのイメージを作るのは、住民ひとりひとりだと思います。私たちが変わればまちのイメージも変わるのだと思います。鶴見駅前も整備され、鶴見のイメージは本当に良くなりました。素敵な「鶴見区」を多くの方々に知って欲しいです。

 昨年の震災で思ったことは、地域のコミュニティの大切さです。横浜中華街を抱える中区は、外国人登録数では横浜市のトップです。次は鶴見区になります。鶴見区は中国人、韓国人(朝鮮人)の次にブラジル人が多いのが特長です。

 いろいろな情報は、地域のコミュニティ(町内会)から住民に発信されますが、外国人にとって町内会はちょっと入り辛いと思います。言葉の問題が双方の壁になっています。

 昨年の震災時に思ったことは、「避難ルート」など外国語での対応がないことです。その反省から、鶴見区では外国人を集めて、災害時の行動についての説明会が開かれたのですが、集まった外国人はいませんでした(苦笑)。地域の情報が行きわたらないのが現状です。「来い」と言って来ないのなら、こちらから出向こうと思いました。こうした広報活動もやっています。

 鶴見のまちを歩いてみると外国人が困るような光景にぶつかります。外国人に優しいまちは、イコール、日本人にも優しいまちなのだと思います。

 鶴見区は故郷のインドネシアに似ています。インドネシアでは水上マーケット等の商業手段や交通手段として川を利用しています。そこで気が付いたのが鶴見川河畔の利用と景観です。

 コンクリートで固められた土手をアートで飾り、土手に沿って桜並木を作って、木漏れ日の中を散歩できるようにならないかしら?昼間の太陽光を利用して、夜に河畔や橋のライトアップはできないかしら?・・・・と考え、「シドモア桜の里帰りを喜ぶ市民の会」にお願いして、ポトマック河畔の桜の苗木を鶴見川河畔に植えようとしましたが・・・神奈川県に「里帰り桜」は3本しか来なかったので実現はできませんでした。でも、つぎ木を分けてもらって「桜並木」を作りたいと思っています。「あきらめません!」

ベルナディアさんにとっての横浜とは

 自分の人生を振り返って思うのが「あきらめない」ということです。長い道のりも一歩ずつ歩めば、やがて目的地に着くのだと思っています。

 インドネシアとは違う文化や風土を持つ日本で、時には乗り越えられないような「壁」にぶつかることもあります。 壁に小さな穴を開けようとすると、仲間が手伝ってくれます。ひとつひとつは小さな穴でも集まった多くの穴は、やがて壁を壊す大きな力になって行きます。私は、そんな小さな穴を開ける人でありたいと思っています。

 

(クリックで写真拡大)

 私にとっての横浜は「第二の故郷」です。横浜が大好き、鶴見が大好きです!!

アジア太平洋都市間協力ネットワーク(CITYNET) http://www.CITYNET-ap.org/ja
横浜カーフリーデー実行委員会 http://www.ycfd.jp
横浜市国際交流協会(YOKE) http://www.yoke.or.jp
鶴見国際交流ラウンジ http://www.tsurumilounge.com

 

(インタビュー:渡邊桃伯子  文・写真:高野慈子

 

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