玉の緒よ　絶えなば絶えね　ながらへば　忍ぶることの　弱りもぞする

♪玉の緒よ　絶えなば絶えね　ながらへば　忍ぶることの　弱りもぞする♪

絵・千絵崇石

読み人：式子内親王（しょくし（しきし／のりこ）ないしんのう） 　現代語訳・・・私の命よ　絶えるならいっそ絶えてしまえ、もしこれ以上生きていたら、誰にも知られぬ様に　心に秘めてきた恋を　隠し通す事が出来なくなりそうだから・・・ 　なんと激しくて奥ゆかしくて、切なくて凛とした歌なのでしょうか。決して表ざたには出来ない忍ぶ恋！この歌にはその恋の相手が誰であれ、又相手の方も彼女の思いを知っていて、お互いが魅かれあっていたのか、それらの関係性がどうで

あれ、その心の内に秘めた激しさと気高さが行間からも一挙に伝わってきます。百人一首の中でも、とりわけ恋の歌の中でも、きらきらと宝石の様な輝きを放っている歌です。

　作者の式子内親王は77代の後白河天皇の第3皇女として生まれました。10歳から20歳ぐらいまでの間、京都の賀茂神社の斎院を務めていましたが、病によって斎院を退きます。

　その後　藤原定家や法然などとの交流があったとされています。特に藤原定家との交流は、恋仲であったのではないかと後の人々の間でいろいろと推測されています。その伝説をもとに作られた謡曲「定家」も現在にまで残されてご存知の方も多いと思います。

　私は和泉式部の歌がすごく好きですが、式子内親王の作られている歌もぐっと来るものがあって、一体どんな女性だったのかしらと、思いをはせてしまいます。

　彼女の生きていた時代は源氏と平家の権力争い真っ只中の時期で、政情は不安定。地震も多発していました。彼女自身も色んなトラブルに巻き込まれていますが、歌人としての評価は高く歌を支えにひっそりと生きた高貴な女性でした。

　53歳で亡くなる少し前に、彼女が帰依した浄土宗の開祖法然が送ったとされている手紙があります。その手紙を読むと法然上人の心の優しさや、死に行く内親王への親身な導きなどに、千年もの時代を超えて今の現代に通じるきめ細やかな愛情が伝わってきます。

　長い間、式子内親王の恋のお相手は藤原定家、とされていましたが、もしかしたらこの忍ぶ恋の相手は法然かもしれない！と思える手紙でした。神に仕えた女性と仏に仕える男性。式子内親王様は、法然様からの手紙を読んできっと心安らかに天国へ旅立った事でしょう。

（早苗ネネ♪）

早苗ネネさん　プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。　感性を解放しながら、４０代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

＜天性の歌い手＞というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか？

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