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ヨコハマ・ディスコグラフィティー 第6回 フォークと日本語のロック その2

by staff on 2012/11/10, 土曜日

 

HEART&SOUL代表 原 正行

1958(昭和33)年9月7日横浜生まれ、12歳よりギターをはじめ17歳からミュージシャンとして活動。39歳の時に念願だったライブハウスを開業、現在は関内駅北口駅前に60年代から80年代の洋楽ヒット曲を演奏するライブハウス、ハート&ソウルの経営者。他にもミュージシャンとして演奏活動、作曲、プロデュース等、幅広く活動している。

 

ヨコハマディスコグラフィー掲載を記念して、原正行本人による弾き語りのフォークソングライブを行うことになりました。 フォーククルセダーズ、岡林、五つの赤い風船、拓郎、陽水など、1回目の今回は黎明期の日本のフォークソングを沢山歌います。
少しマニアックですがハート&ソウルでは絶対見れない世界が展開します。お楽しみに!
 
【 原 正行 アコースティック・フォークライブ Vol.1 】
日時: 2012年11月25日(日) 18:00~21:00
場所: スタージスカフェ
    横浜市中区蓬莱町3-104の2階(1階ファミリーマートが目印)
    TEL 045-341-0002
チャージ: ¥2000(要ご予約)

第2章 横浜、街と風(2)

 自分が通った中学は横浜市立港南中学で今の地下鉄港南中央駅のまん前、当時は地下鉄はまだ走っていませんでした。 上大岡は新興住宅地だったので学生の数ははんぱじゃなく1クラス40人か50人近くいたと思いますがそれが17クラス(私17組でした)。 全校で48クラス、単純に1クラス45人で計算しても48クラスかける45人、全校で2160人いたことになります。 朝礼は2回に分けて行われ、校舎がなくわれわれはプレハブの教室でした。 2年になると同時に近くに分校(笹下中学)ができて1学年10クラス程度に落ち着きました、今では考えられませんね。

 中1でギターを始めた頃、誰に習ってよいのか分からず、女の人がクラシックギターを抱えてる表紙の 「1週間ギター独習」 という本を買ってきてみたらただ楽譜が書いてあるだけで、曲も 『柳ヶ瀬ブルース』 とか訳の分からん曲ばかり、中学1年生でろくに音楽の勉強もしてこなかった自分には楽譜など読めるわけもなく、「何のこっちゃ」 という感じでした。 当時月刊で発売されていた “平凡” “明星” は、2大アイドル雑誌で、付録に唄本がついていて、歌謡曲の楽譜の上にギターのコード(和音)と、おさえ方の図が書いてありました。 CとかGの簡単なヤツは分かったのですが、FとかBフラットになると、おさえる印が5個とか6個ついてて、指4本しかないのにどうやって押さえるのー? と真剣に悩みました。 指を横にしていっぺんに押さえるだけの単純なこと(専門用語でセーハ)ですが誰も教えてくれない、情報がないというのでかなり苦しみました。

 そしてまず困ったのは音あわせ! 楽器屋で6個の笛がついているギターチューニング用のコンパクトな笛を買ってきたのですが、これがちんぷんかんぷんでよく分からない。 あったつもりで弾いてみるとなんかオカシイ、音叉を買ってきて合わせてもどうも変だ? 今考えればギターに問題があったような気がしますが、チューニングには苦労しましたっけ、今はチューニングマシンも安価で手軽良い時代になりました。

フォークと日本語のロック その2

 フォークソングは、元々1940年代以降アメリカの民衆の間に生まれた民謡です。 ’58年アメリカのフォークグループ “キングストントリオ” が、民謡 “トム・ドゥーリー” をヒットさせてから、ブラザーズフォア、ピーターポール&マリー(PPM)、ジョーンバエズ、ボブ・ディランなどのアーティストが次々登場します。 これらに影響を受けて日本でもフォークシンガーと呼ばれるアーティストが生まれていきました。

 まず最初は、66年マイク真木が歌って大ヒットした 『バラが咲いた』。 これは、商業作家の手による曲でしたが、手軽にギター1本で始められることからちょっとしたフォークブームがあったようで、フジテレビで 「フォークソング合戦」 という番組が出来たり、日劇フォークソングフェスティバルが開かれてそこから、高石ともやがデビューしたりして、GSに盛り上がる傍ら静かなフォークの流れが始まっていました。

 高石ともやは、『受験生ブルース』 を大ヒットさせます。 これは受験生の悲哀を面白おかしく歌った内容が受けたものですが、元々高石はディランなどの詩を訳し歌ったり、社会性の強いメッセージソングを歌ったりしていました。 また彼に影響を受け同じ関西から出てきた岡林信康は、社会に対する鋭いメッセージ性を持って登場、『山谷ブルース』 でデビューしてからメッセージフォークのリーダー的存在となり、『ガイコツの唄』、『くそくらえ節』 など、政治や世の価値観などに皮肉を盛り込んだ強烈な歌詞で一時代を築きます。 それらの唄は、放送禁止や発売禁止などの憂き目にあい、権力の圧力を受けたことで更に反体制の旗手的イメージを増幅させ、「フォークの神様」 と呼ばれるまでになりました。 「友よ、夜明けは近い 戦いの炎を燃やせ」 と歌われる 『友よ』 は、当時活発だった学生運動などでよく歌われました。

 そんな中、1969年8月、岐阜県中津川で開かれたのが野外コンサート “全日本フォークジャンボリー!” (中津川フォークジャンボリーとも呼ばれます)。 高石、岡林、他にも五つの赤い風船、高田渡などが出演。 ウッドストックより前に開催された野外コンサートのさきがけでした。 高田渡は、『自衛隊に入ろう』 を発表。 そんなメッセージ性を持ったフォークシンガーたちの祭典に、2千人から3千人の若者が集まったといわれています。 そして、翌年70年の第2回目が開催され、岡林はじめ前出に加え、赤い鳥、浅川マキ、六文銭、など、、、。 聴衆も8千人が中津川に集結。 しかし強力なメッセージフォークも、学生運動の沈下や世の移り変わりで少しずつ陰りを見せ始めていきます。 そんな中、時代は ’70年代に突入。 その年デビューしたのが吉田拓郎でした。

 拓郎は、自身がリーダーだった広島フォーク村のレコード 「古い船を動かせるのは古い水夫じゃないだろう」 を自主制作。 これがきっかけになり、70年5月、『イメージの詩・マークⅡ』 でデビュー。 エレックレコードからLP 「青春の詩」、「ライブともだち」 を発表。 やがて地元などからじわじわ人気が出始め、71年の第3回全日本フォークジャンボリーに出演が決定。 しかし、3回目を迎えた全日本フォークジャンボリーは、出演者も増え出演順でもめたり、2つのレコード会社やテレビカメラや機材が持ち込まれた事が商業主義の乱入だと口論になったりして、はじめから波乱含みでスタートしました。 結果、2万5千人近くの人が集まり、広い会場内にメインステージ以外にもいくつものサブステージが設けられあちこちでライブが行われました。

 一説によると、サブステージで3曲だけの約束だった拓郎は、商業主義の乱入をステージ上からヤジり、興奮した聴衆は増え続き、やがてPAの故障により、ノーマイクノーアンプで 『人間なんて』 を2時間に渡り熱唱。 小室等の 「メインステージに行こう」 の一言で、膨れ上がった聴衆とともにメインステージに移動。 ステージに花火が投げ込まれたりして場内は騒然。 そのまま主催者との討論会となりコンサートは自然消滅してしまいます。 その後、フォークジャンボリーが行われることは二度とありませんでした。

 この時暴徒化した観客は岡林めがけてなだれ込み、岡林本人は会場に残るつもりでしたが、スタッフに説得され会場を後にしました。 このことが岡林沈黙、拓郎台頭の新旧交代のイメージをフォークファンに植え付けたといわれています。

 岡林の楽曲には貧乏をテーマにした 『チューリップのアップリケ』、部落差別をテーマにした 『手紙』 など、メロディのきれいなものが多く、昔よくホロリとさせられました。又、現在ユーチューブなどで昔の映像を見ると軽妙なおしゃべりも見事だったと関心させられます。

 以下次号につづく

HEART&SOUL代表 原 正行)

 

受験生ブルース/高石友也
  山谷ブルース 岡林信康
がいこつの唄 – 岡林信康
  チューリップのアップリケ / 岡林信康
『イメージの詩』 よしだ・たくろう
  吉田拓郎 人間なんて ’71中津川

 

ヨコハマディスコグラフィー掲載を記念して、原正行本人による弾き語りのフォークソングライブを行うことになりました。 フォーククルセダーズ、岡林、五つの赤い風船、拓郎、陽水など、1回目の今回は黎明期の日本のフォークソングを沢山歌います。
少しマニアックですがハート&ソウルでは絶対見れない世界が展開します。お楽しみに!
 
【 原 正行 アコースティック・フォークライブ Vol.1 】
日時: 2012年11月25日(日) 18:00~21:00
場所: スタージスカフェ
    横浜市中区蓬莱町3-104の2階(1階ファミリーマートが目印)
    TEL 045-341-0002
チャージ: ¥2000(要ご予約)

 

HEART&SOUL
〒231-0014 横浜市中区真砂町3-33 CERTE11階
営業時間
平日:OPEN 19:00 CLOSE 4:00 LIVE START 19:50~
休・祝日:OPEN 18:00 CLOSE 24:00 LIVE START 18:40~
TEL:045-664-5569
JR関内駅徒歩より1分
地下鉄関内駅より徒歩1分
Websie http://www.heartandsoul-live.com/

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