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「本物の食」と「食の知恵」を求めて。 磯村家のキッチンから代表 磯村恵子さん

by staff on 2012/12/10, 月曜日

 横浜駅から「本牧車庫行」のバスに乗り、元町のトンネルを過ぎると「麦田町」という停留所があります。停留所の近くに「磯村家のキッチンから」という名の小さなお店があります。そこで売られているのは「本物の食」と「食の知恵」。もちろん完全無添加。国産素材の美味しいジャムや手作り食品とこだわりの塩が売られています。今回はフードナビゲーターの磯村恵子さんに「手作りの素晴らしさ」をお話いただきました。

 
磯村家のキッチンから 磯村恵子さん

 

 
お名前 磯村 恵子(いそむら けいこ)さん
ご出身 横浜市金沢区
ご家族
お住まい 横浜市本牧和田町
ご職業 『磯村家のキッチンから』代表
フードナビゲーター
ご趣味 仕事
(仕事だと思っていないので)
ご性格 細かい事々にこだわらない性格
HP http://www.isomurakeiko.com/
FB公式ページ 手作りジャム磯村家のキッチンから
フードナビゲーター磯村恵子

一人の先生との出会いが人生を変えました

 それまでは専業主婦でした。40代の後半に『病気にならない方法があります』という一人の先生と出会いました。予防医学という考え方が無い頃でした。 医学書や「糖尿病の本」「高血圧の本」と、病気になってしまった人が読む本はたくさん出ていました。 しかし、「どうしたら病気にならないのだろう」という私の疑問「どうしたら」に答えてくれる本はありませんでした。その先生を訪ねて行き、10年間「健康管理」について勉強しました。その間に、「食べる」ことの大切さを学びました。

 まず、食生活を変えました。野菜中心の食生活にしました。息子は成人して独立していて、夫と二人暮らし、食事を変えるのは簡単だと思いました。ところが、夫からは「俺はうさぎでないぞ」って言われるし・・・そう言われないように、料理を工夫しました。野菜だけの料理は、手を抜けば味気ないものになってしまいます。テーブルの上には、サラダや煮物、野菜炒め、おひたし、野菜の天ぷらと・・・見た目の満足感を補うに足りる程のお料理を作りました。また、「陸のもの」「海のもの」のバランスに気を配りました。その結果、塩や昆布にこだわりを持つようになりました。

 野菜中心の食生活の中で、甘党の私の欲求を満たすために、生クリームやバターを使わないお菓子を作りました。 お菓子は、小豆を煮てあんこにしたものを作りました。やがて、あんこの味に飽きてしまったので果物を煮てみようと思い、橙でマーマレードを作ったのが「ジャム」を作るきっかけになりました。

 当店の「ジャム」は、砂糖の他に塩と昆布を使います。それは「果物を煮てみよう」と思ったことと、「海と陸」のバランスが取れた食事を常に心がけていたからです。パンに塗る「ジャム」だと思わず、「果物の煮物」だと思っていただけると使う範囲が広がります(そのまま食べても美味しいですよ)。

 運動をすれば「足がつる」とか、マッサージを受けることが多かった夫の体調が良くなって、野菜主体の食事に対する文句が無くなりました。2週間続けばよいと思って始めた食生活の改善は、現在も続いております。稀に肉料理が食べたくなり、作ることもありまが・・・舌が食べたがっているのだと分かります。体は欲しがらなくなりました。無理強いをせずに続けること、「続ける」ことが大事だと思います。

『磯村家のキッチンから』の誕生秘話

 ジャムを作り始めたのは50代に入ってからです。自宅で食べきれない程のジャムが出来てしまい、近所の方におすそ分けしていたところ、喫茶店を出している友人が「お店で売るわ」と言ってくれたのが始まりです。

 旬の果物を砂糖と塩と昆布で煮た「ジャム」は、味が良いと評判になり有名デパートに置けるようになりました。『磯村家のキッチンから』という名前も友人との交流の中から生まれました。瓶のデザインも友達のデザイナーが引き受けてくれました。営業のノウハウも知らなかった私ですが、友人に助けられて「磯村家のキッチンから」が誕生しました。

磯村家のキッチンから お店の外観と店内の様子
磯村家のキッチンから お店の外観と店内の様子

週末は群馬県に野菜作りに行っていました

 健康管理することは「安全なものを食べること」です。ところが、過度の農薬依存により安全な野菜が見つからず、友人4人と群馬県で野菜作りを始めました。1997年のことです。週末になると群馬の畑に行きました。

 「磯村家のキッチンから」を始めて、商品を作ること、営業に回ることに忙しくなり、群馬県まで野菜作りに行くのが難しくなって、畑は手放しましたが、今でも、この野菜作りでお世話になった群馬県の農家の方々に助けられ、安全で旬な野菜や果物を手に入れることができるようになっております。イチゴは、ミツバチ受粉をしている農家さんから、化学肥料を使わないブルーベリー農家さんともお付き合いが続いています。

 神奈川の素材も素晴らしいものがあります。お客様から「地元神奈川産のもの」を作って欲しいというお声があります。神奈川のお土産として、高島屋7Fの「ヨコハマ・グッズ横濱001」のコーナーに当店のジャム2種が出ています。

 ここで『磯村家のキッチンから』のジャムの歳時記です。
1月は橙(千葉)。2月はネーブルオレンジ(神奈川/二宮)。3月は夏ミカン(千葉)。4月はイチゴ(群馬・神奈川/平塚)。5月はルバーブ(群馬・神奈川)。6月は梅(神奈川)。7月はもも(山梨)ブルーベリー(神奈川・群馬)あんず(長野)。8月はネクタリンとプルーン(長野)。9月はいちぢく(千葉)ドラゴンフルーツ(徳之島)。10月が赤いリンゴ(青森)。11月がジンジャーのリンゴ(群馬)としょうが(神奈川・静岡)。12月は柚子(横浜) 洋ナシ(長野)と続きます。その間、美味しい旬の物が手に入れば、即日ジャムに加工します。

 今、人気なのは赤~いリンゴジャムです。青森で中も赤いリンゴが出来たと知って産地まで飛んで行きました。電話での照会が多い中、本人が直接来たのは一人だったと即取引が成立し、「赤~いリンゴジャム」になりました。

青森産の中まで赤いリンゴ
青森産の中まで赤いリンゴ
  ジャムに加工前のリンゴ(花弁の様です)
ジャムに加工前のリンゴ(花弁の様です)

 現在、野菜作りは戸塚に畑を借りてやっていますが・・・忙しさにかまけると雑草が伸び放題になり、草刈り機と格闘しています。昔取った杵柄とでもいいましょうか? 草刈り機の操作は若い人には負けません(笑)

海の陸とのバランスが、食生活のバランス?

 陸上の汚れは、雨に打たれ、川に流れ込み、汚れた水は海へと集められます。海は含まれている塩分と、波が取り込む酸素で汚れを浄化していきます。そんな自然の営みを人工的に出来ないかしらと考えたのが『病気にならない方法があります』の先生でした。その理論が素晴らしいので実践してみようと思ったのが曝気(バッキ)洗浄です。『磯村家のキッチンから』は使われている食材の全てに「塩」と「酸素」で洗う「バッキ洗浄」を行っています。

【バッキ洗浄】 動画で見る食品洗浄イソバッキー

 使う塩は、オーストラリアの島でとれた塩です。島全体が塩田で2年間かけて天日干した塩を、沖縄の精製所で汚れを取り除いて作っています。

 『磯村家のキッチンから』のジャムは「果物の煮物」といった観点から作っています。 美味しさの秘密は、砂糖と塩と昆布を使うことです。塩はご紹介したもの、砂糖は沖縄のサトウキビから灰汁を除いたもの、昆布は道南産(根室が主)のものを使っています。食の中に「海と陸」のバランスを作ること、安全な食材を使うこと、旬な素材にこだわること、食材の汚れを安全な方法で落として使うことが『磯村家のキッチンから』皆さまにお伝えしたいことです。

11月のジャム:ジンジャージャム
11月のジャム:ジンジャージャム
紅茶やお湯で割って温かい飲み物にしてもお味噌に混ぜて、生野菜と一緒に食べてもドレッシングに加えても、ソースにしても体を芯から温めます。

磯村家のキッチンから外へ向けて発信しています

 従業員は、パートさんが一人います。 安全にこだわった食づくりに関心のある人で、ホームページやfacebookなどで当店の活動を紹介してくれています。

 平日は、販売をしながら、産地から届いた素材を加工しています。土日は、外へ出ていくことを積極的に行っています。六本木アークヒルズや代々木公園など・・・東京が多いのはイベントの数が多いからでしょう。もちろん、横浜でもtvkの収穫祭、横浜ビールの収穫祭、日曜市などのイベント等に出て行っています。

 イベント参加は、「売れる売れない」よりも(もちろん売れたら嬉しいのですが)いろいろな情報が入ってくるのが目的です。イベント参加は準備などが大変なので、義務だったらやれません。 仕事が好きなのです。限られた時間の中で、じぃ~としている時間がもったいないと思うのです。

 本牧地区センターでは「シルコト」という教室を開いております。食材の選び方、洗い方、調理のしかた、食べ方・・・母から子へと伝わってきた日本の食文化が途切れてしまった今、おばあちゃんやおかあさんに代わって伝えられたらと思っています。

本牧地区センターアクセス:http://www.honmoku-ac-seikosha.com/access/index.html

 2013年1月~11月には八洲学園大学で第4水曜日の10:00~12:00(一部変更あり)に『食の寺小屋』という講座を開きます。

八洲学園アクセス:http://www.yashima.ac.jp/univ/information/access.php

 大震災後の特記すべきことは、「食の安全」に関心が高まっているということです。以前は定員に満たなかったこのような講座も人気が出てきております。それだけ皆さんの関心が高いのだと思うと、伝えていく責任を感ぜずにはいられません。

磯村恵子さんにとっての横浜とは

 金沢区の生まれで、子供の頃は横浜の海で泳いでいました。育った場所は海と陸のバランスのとれた土地でした。父母も横浜生まれ、私も浜っこ、そして息子も横浜で暮らしています。この横浜が、これからもずーっと安心して暮らせるまちであり続けて欲しいと願っております。

 私にとっての横浜は、「心のふるさと」です。

   
 

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磯村さんにとっての横浜は「心のふるさと」です。

 

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磯村家のキッチンから「ジャムギフト」2個セット

磯村恵子さんのセミナー情報

(インタビュー・写真:高野慈子

 

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新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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