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第12回 どあっぷ「先の衆議院選挙を振り返って~立候補者自身の情報公開について~」

by staff on 2013/1/10, 木曜日

あけましておめでとうございます。

シティズンシップ教育(市民度アップ)を目指す、NPO法人ど・あっぷ(DOUP!)です。皆さん、いかがお過ごしですか?

昨年(と言ってもつい先月のことですが)の衆議院選挙、皆さんはそれぞれに、様々な感想をお持ちになった事と思います。今回は、私が先の衆議院選挙で強く感じた事、「立候補者自身の情報公開」について書かせていただきたいと思います。

どうぞ、最後までお付き合いください。

 

“立候補者の情報公開の質に物申す!

私が先の選挙でちょっと残念に感じた事があります。それは、立候補者自信の情報公開の形とその質についてです。

たまたま今回、立候補者の情報をあるポータルサイトに提供する仕事をお手伝いしたことから、全国の候補者のホームページをたくさん閲覧する機会を得ました。

そこでまず感じたのが、ホームページの質の悪さについてでした。もちろん、わかりやすくご自身の情報を公開されている方々も多数おられますが、ひどい場合には、ホームページさえ無い候補者も多く、改めて愕然としました。

「急に立候補が決まったから・・・」
「ホームページを作る暇があったら、一人でも多くの有権者の皆さまにお会いしたい」
「どうせ、敵陣営かマスコミ関係者が閲覧するくらいだし・・・」
立候補者の主張は数々はあるでしょう。
しかし、閲覧者が少なかろうが、製作する時間が無かろうが、きちんと候補者の情報を開示する事は、有権者に対する礼儀というか、常識というか、義務ではないでしょうか。

スーパーに並ぶ商品を見れば、数十円のお菓子にさえ、情報の記載が義務付けられていますし、メーカーのホームページに行けば、様々な情報が得られます。

なのになぜ、100兆円近い予算の使い道を決める国会議員を選ばなくてなならないのに、情報の提供がこうもお粗末なのでしょうか。

国が定めるTVの政見放送や、新聞の公報だけで、候補者の情報が十分得られると考える人は少ないと思います。それらを補填する候補者情報が必要です。全ての立候補者には税金が使われるわけですし、まず、有権者の事を考え、候補者自らで、自らの情報公開を行っていただきたいと思います。

 

箱に入ったままのリンゴを買いますか?

先の選挙では、こんな記事がありました。新聞社が事前に候補者情報を調査するため、候補者に調査票の記載を依頼したところ、個人情報保護の観点から、弁護士にも相談の上、記載を拒否したというものです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121221/elc12122107260003-n1.htm

全く信じがたい出来事です。この候補者はいったいどこを向いて、何がしたいのでしょう。八百屋に例えるなら、この候補者は、リンゴを箱に入れ封をし、食べごろ状態や、痛み具合もわからないまま、お客様にただ買ってくれと言っているようなもの。完全にお客を無視した自分勝手な八百屋の発想です。

一方、「私は情報公開はしています。私の考えは、街頭演説や政治集会でお伝えしています。」という候補者もおられます。しかし、これもまた自分勝手な主張のように思えます。候補者の都合で情報発信をするのではなく、全ての有権者が十分な情報が得られるかを重要視して、情報発信する事が求められるのです。街頭演説や集会ももちろん悪くありません。しかしそれらで情報を収集できない人に対してのフォロー(情報提供)も同時に行う必要が候補者にはあると思います。

街頭演説や集会もいいでしょう。しかしそれらで情報を収集できない人に対しての情報提供も同時に行うべきです。

ブログ的情報公開ではダメ

今回の立候補者には、公式ホームページはないけれど、ブログやツイッターはやっている方々も数多くいらっしゃいました。日記のように、誰でも簡単に更新ができるので、便利だからでしょう。しかし、これも有権者の立場にたったものとはいいがたいように思います。

重要なのは内容と有権者の立場に立った見やすさです。ブログやツイッターはそもそも、情報発信者の自己満足のためのツールです。そのため、簡単に更新ができるなど、情報発信者にはとても便利なのですが、必要な情報をチェックしたい閲覧者からすると便利なツールとは言えません。

日記のように「今日はどこどこ事務所を訪問しました。」とか、「どこどこで街頭演説をしました。」など日々の活動記録を記したものが中心となりますし、だらだらと書かれた情報が次々と加わり、古い情報はどんどん探しづらくなってしまいます。候補者の考え方など、重要な情報が記されていても、閲覧者がすぐに探す事ができません。これではダメです。

今年の参議院選挙に期待

私たちは、その人が国政でどんな活躍をしてくれそうなのか判断したいのです。そのためには最低でもこれまでのキャリア、やってきた事、専門、そして、世論が注目している重要な問題について、どんな考えを持っているのかということは必要です。是非とも、全ての立候補者に、それらを明確にまとめ、閲覧しやすい形態で公式サイトに公開して欲しいと思います。

政治家は、私たちが預けた税金によって活動する公人です。政治家を志す候補者なら「有権者の立場に立って、いかに情報公開ができるか」そういう視点を、持って欲しいと願います。まず、リンゴを箱から出してお客に見せる。それができてはじめて「これ買ってください」と言って欲しいと思います。

有権者の立場に立って、公式サイトできちんと公開すべき

民主党政権下ではもう一歩のところで実現できなかった「ネット選挙解禁」。現在は、公職選挙法でインターネットを利用した選挙運動が禁止されていますが、もう何年も前から、これは時代に合わないと、改正が叫ばれてきました。

安倍首相は昨年末、積極的に解禁していく方針を打ち立てました。
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20121230-OYT1T00149.htm

これが実現すれば、公示後にも、候補者はホームページの更新が自由に行えるようになりますし、公示直前で出馬を決めた候補者も、ホームページを作成することができるようになります。次の参議院選挙までに法案が可決されれば、次の参議院選挙は、ネット選挙解禁後、はじめての国政選挙ということで注目が集まるでしょう。ネット選挙解禁にからむ話題が、マスコミにも数多く取り上げられ、各候補者のホームページ閲覧者数も増加すると予想されます。この流れを受けて、候補者自身の高い質の情報公開が、なお一層進むことを期待します。

有権者の選択眼も問われる

一方で、私たち有権者の質も高めていく必要も感じます。

現在、選挙を戦うために外せない手法として、選挙期間前の駅頭と期間中の握手があると言われています。朝早くと、遅くに駅前などに立ち、「いってらっしゃい」、「おかえりなさい」と言って知名度を上げる活動と、商店街などを歩き、一人でも多くの人と握手をする活動です。どれも好感度と認知度を上げる有効な活動とされ、特に組織票の少ない候補者には必須と言われているスタイルです。

しかし、裏をかえせば、有権者が重視するポイントと言い換えられるのかもしれません。「結局有権者は『毎日駅によく立っている人』や『握手した人』を重視して議員を選ぶのだ!」と言われているようで、市民度アップを目指す私たちとしては、少し残念な気持ちになります。

お母さんがこどもに食材を選ぶように選びたい

自分の小さな子供に、お母さんが食材を選ぶ時、とても真剣に食材を吟味しますよね。何が入っているのか、どんな味がするのか、どこで作られているのか、評判はどうか、食材を手に取り、裏の表示をチェックし、時には、別なところから情報を入手して、慎重に丁寧に食材を吟味します。特に体の弱い子供を持つお母さんは、さらに慎重になります。まさに今のこの国は、問題が山積する体の弱い子供です。慎重に吟味して国会議員を選ばなくてはならないのではないでしょうか。

毎日駅前にいるとか、握手をしたとか、目が合って笑ったとか、誰かに頼まれたとか、名前を知っているとか、そんな基準で選択しては、候補者そのものを吟味した事にはならないと思います。「さわやかに握手した人」イコール「国会で良い仕事をする人」ではありません。「ネット選挙解禁」がなされるであろう次の参議院選挙には、ホームページなどで情報をしっかりとチェックし、市民度アップ(市民ど・あっぷ)して、選挙に望みたいと思います。

(写真・イラスト:NPO法人ど・あっぷ!(DO UP!) / 文:ツッキー(築山 美樹)

 

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