人との距離感が短くなるから面白い。「横浜銭湯をめぐりの会」会長 大森美津男さん
横浜随一の飲み屋街「野毛」の入口に「明るい農村居酒屋 ごっつあん」があります。ここは「居酒屋銭湯」として有名なスポットです。お店の中に入ると富士山が絵が描かれている大きな「銭湯絵」が目に入ります。
今回の「横浜趣味人」は、「明るい農村居酒屋 ごっつあん」のオーナーで、結成10年を迎えた 「横浜銭湯をめぐりの会」 の会長でもある大森美津男さんです。
名前:大森美津男 (おおもりみつお) |
“ごっつあん” 気さくな言葉は大森さんのお人柄
現在のお仕事(居酒屋経営)を始められたのはいつですか?
この仕事を始める前は民芸品の卸や販売をやっていました。出身地の岐阜高山の竹細工やフィリピンの籐製品などを扱っていました。それなりに儲かっていたのですが、もっと安定した仕事を始めたかったので転業を考えたのです。30年前のことです。当時、居酒屋という業態はあまりありませんでしたが、今後の可能性・発展性を感じて居酒屋を開業したのです。それが昭和54年(1979年)9月25日のことです。 場所は初めから「野毛」でやろうと決めていました。なんと言っても横浜で一番飲み屋が集まっている場所ですから・・・まず野毛の花咲町一丁目で開業して、平成 9年(2007年)に立ち退きで今の2丁目に引っ越してきました。 お仕事の内容と営業時間を教えてくださいお店は17時から24時まで営業しています。お休みは日曜・祭日です。皆様にくつろいでいただける居酒屋を目指しています。常連の中には20年以上の付き合いの方がたくさんいらっしゃいます。「銭湯スタイル」にしたのは平成18年(2006年)頃からです。 最近は若い人が飲まなくなったので、集客も兼ねて様々なイベントをやっています。かっぽれを踊ってもらったり、落語家を呼んで寄せを開いたりしています。最近ではモンゴルの楽器のバトーキの演奏会や日本フィルの演奏者によるバイオリンとチェロの演奏会を開催しました。 なぜ「明るい農村」なのですか?わかりやすいキャッチフレーズにしたかったのです。楽しいじゃないですか・・・「ごっつあん」は「ごちそうさま」という意味です。お客様に親しみを持って長く付き合ってもらえるお店にしたかったのです。 |
このお仕事の魅力は何ですか?
お客様に「美味しかった。また来るね。」と言ってもらえるのが最高にうれしいです。そして様々なお客様との出会いがあります。30年前のお客様がご家族で見えたりして、毎日思い出に残ることがあるのもこの仕事の魅力です。
将来は、お客様と飲み交わしながらじっくり話ができる、カウンターだけのお店をやってみたいですね。
銭湯は大勢で一緒に行くほうが楽しいんです
居酒屋のオーナーである大森さんは「銭湯めぐり」の達人としても有名ですが、「銭湯めぐり」を始められたきっかけは何ですか?
平成6年(1996年)に神奈川区の浴場協同組合で開催したスタンプラリーがきっかけです。息子と一緒に神奈川区のすべての銭湯に行きました。そのとき以来、私は「銭湯」にずっぽりはまったのですが、息子はさっぱりでしたね。(笑) 最初は一人で「銭湯めぐり」をしていました。6年間かけて平成12年(2000年)には横浜市の銭湯184湯を制覇しました。何でもすべてやり遂げないと気がすまない性分なのです。 「横浜銭湯めぐりの会」はどのようにしてできたのですか?お店で「銭湯めぐり」の話をしたのがきっかけで、「銭湯好き」が集まって平成12年(2000年)今から10年前に「横浜銭湯めぐりの会」が結成されました。この会では毎月1回集まって、横浜近辺の銭湯に行きます。会員は現在100名くらいです。私と副会長(延島さん)で開催日時と訪問する銭湯を決めます。一人で行くより大勢で一緒に行くほうが楽しいんです。それから入浴後の一杯・・・これがまた最高です。風呂上がりの一杯を楽しみに来ている会員も多いです。 |
10年間欠かさず続けてきた月1回の入浴会の記録はホームページを見てください。最近では結構有名になって、新聞やテレビに取り上げられています。2010年4月19日 東京新聞 横浜版 横浜市浴場協同組合が発刊した「さあ、ヨコハマ銭湯へ行こう!」という本にも大々的に取り上げられています。 本書の購入は、市内の銭湯か市浴場協同組合まで。 |
大森さんにとって「銭湯」の魅力とは何ですか?
「銭湯」の魅力は広々とした空間を感じることができるところです。それから昭和の懐かしい風景がまだ残っているところにも魅せられます。私自身は番台がある昔ながらの銭湯が好きですね。これまでに訪れた銭湯は450を超えます。「銭湯めぐり」は、私のライフワークになっています。
富士山の銭湯絵だけでなく、廃業した銭湯から譲り受けた脱衣カゴや看板、ノレンなどのお宝グッズがあるので
それを見に、遠方から訪ねてくるお客様もいます。「銭湯めぐり」の趣味が、商売にもつながっていますね。
フレンドリーな街、横浜
大森さんと横浜の関わりはいつからですか?
横浜には昭和44年(1969年)から住んでいます。横浜は住みやすい街だと思います。東京と違って気さくなところがいいです。今日初めて会った人ともすぐ打ち解けられる雰囲気があります。
野毛に居酒屋を開いて30年になりますが、横浜の街はきれいになってきました。特に、「みなとみらい」ができてから良くなりましたね。 横浜の魅力を一言で表すとしたらですか・・・そうですね。「フレンドリー」です。これからもこの場所で様々な人たちとの出会いを作っていきますよ。 |
土曜日の夕方に「明るい農村居酒屋ごっつあん」を訪ねたのですがまだ明るいというのに、ひっきりなしお客様が見えていました。その一人一人に明るい大きな声で話しかけている大森さんを拝見して、この人柄が30年にもわたってお店を繁盛させている力になっているのだと感じました。また、何事にも真剣に前向きに取り組む姿勢が、「銭湯めぐり」を極める原動力になっているのでしょう。 一週間後、大森さんから御礼のハガキが届きました。それには次回来店の際のサービスについて書かれていました。このきめ細かい心配りに乾杯です。 |
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