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しあわせの「コツ」(第3回) ボインとフイン

by staff on 2017/3/10, 金曜日

第3回 ボインとフイン

「カタカムナ文献」発見の地、金鳥山の桜

今月は女性と関係がある言葉「ボイン」から始めましょう。

「ボイン」と聞いて「ムフフ」となった方、いませんか?この「ボイン」は漢字で書くと「母音」。残念でした(笑)。がっかりしないでくださいね。

では「フイン」は何でしょう?これは「父韻」と書きます。

「母音」と「父韻」。「母音」はともかく、「父韻」は、初めて目にする方も多いのではないでしょうか。英語を習い始めた時、私たちは母音と子音で音が構成されると教えられました。
日本語の言霊学では、母音は「あ・い・う・え・お」ですが、英語の子音にあたる「T・K・M・H・R・N・Y・S・G・Z・D・B・P・W」を「父韻」と言います。そして、母音と父韻の組み合わせで子音が生まれると考えるのです。

父韻+母音=子音 ( 例:T + a= Ta )

宇宙では、陰陽、雌雄、+-という対極の組み合わせで万物が生まれます。
言葉も同じだと大昔の日本人は考えたのでした。お父さんとお母さんがいて子供が生まれるように、父韻という音になる前の「響き」と母音という「音」が一つになって、耳に聞こえる「言葉」(=子音)になるというのです。

ですから、日本語の子音は一音であっても一つの言葉であり、沢山の意味をもっています。たとえば、Kiという音を漢字で表すと、記、来、紀、貴、樹、木、規、気、紀・・・と幾つも出てきます。Kiにそれだけの数の意味がある、ということですね。

それと、50音図。
よく小学校の教室の壁に貼られていた「50音図」。あの、ピシーっと幾何学的に並んだ音の一覧表は、よく考えてみればすごい事なのです。宇宙万物が陰陽の組み合わせでできているなら、父韻と母音の規則的な組み合わせである50音図は、まさに宇宙の仕組みを簡潔に可視化したものといえるでしょう。


Metatronic Metalogue さまのブログより引用 http:://metalogue.jugem.jp/

言霊学者によっては、この50音表をお経のように声を出して毎日何度も唱えると、雑念が払われ、体の細胞が整い、心身が健康になる、という人さえいます。なぜなら、この50音の体系は宇宙のしくみの雛形なのですから。

今から1万2千年以上前、日本には 「カタカムナ文明」と呼ばれる精神的に大変豊かな文明がありました。「縄文時代」とかぶりますが、この時代は今までのイメージと違い、吉野ヶ里遺跡や三内丸山古墳などを見ると、高層住宅や計画的な食糧栽培など、高度な文化生活が営まれていた形跡があります。

吉野ヶ里遺跡

1949年に物理学者楢崎皐月(ならさきこうげつ)が六甲山系金鳥山で見出した「カタカムナ文献」では当時の日本人の宇宙観・テクノロジーが記されています。当時の人々は、極大の宇宙から極微の超微粒子の世界まで、すべては「ヒトツカタ」(=一つのパターン)だと、看破していました。

今の私たちは「そんなの当たり前じゃない」と思いますが、世界を見渡すと、そうでもないのです。ガリレオが1610年にラテン語で出版した「星界の報告」という書でも、大ざっぱに言うと「月から下の世界はデコボコしたり不完全だが、それより上の世界は完璧である」と述べています。

ガリレオは望遠鏡による観察から、月から下の世界とそれより上の世界では秩序が違う、と結論づけました。一方、「カタカムナ」の宇宙観は違います。ミクロからマクロまで宇宙を貫く法則は一つ、万物は「ヒトツカタ」の構造を共有している、というものです。そう考えるカタカムナ人にとって、言葉も陰陽の組み合わせという「ヒトツカタ」でできている、と考えるのは何の不思議もありません。

「カタカムナ文献」は、「ウタヒ」という80首の和歌のような韻律を持った文章で、森羅万象について書かれています。

そのうちのひとつをご紹介しましょう。

ヒフミヨイ マワリテメクル ムナヤコト アウノスヘシレ カタチサキ

始めてこの「ウタヒ」を目にした時、詳しい意味は分からないまでも、私は感動してしまいました。なぜかと言えば、1万年以上前の言葉を、今の「私たちの言葉」として読むことができるからです!

先進国の中で、一体どこの国に1万年以上の言葉が「そのまま」残っているでしょうか。古代ギリシャ語やラテン語は残っていますが、たかが2,3千年前の言葉ですし、もはや文献の上だけにすぎません。お隣の中国では、文化大革命によってわずか50年前の書物すら読めない人が増えています。

それなのに、1万2千年前の「カタカムナ」を、私たちは「日本語」として理解できるのです!今私が話しているこの言葉は、1万年以上もの間、一度も途切れることなく連綿と伝えられてきたものだったのです・・・。

ヒフミヨイ 一・二・三・四・五
マワリテメクル 地球の自転(マワリテ)と公転(メクル)かな、と(勝手に)思いました。
ムナヤコト 六・七・八・九・十

深い意味は分かりませんが、心の片隅に眠っていた何かが目覚め始めた ― そんな感動が心を突き抜けたのでした。

 

(マルに入っている記号のようなものは、「カタカムナ文字」です。「ウタヒ」はすべてこのように渦巻に書かれています。「カタカムナ」を見ると、漢字以前に日本に文字はなかったという説は間違いだという事が分かりますね。このほかにもオシデ文字、ホツマ文字、アビル文字など古代日本には数々の文字があったことが知られています。)

時が経ち、弥生系の人たちが日本に来ると、この叡智あふれる文明も歴史の表舞台から姿を消してしまいました。どんなに楽しい1日にも終わりが来るように、宇宙の営みによって素晴らしい文明も次の文明に主役を明け渡さなければならなかったのです。

「カタカムナ文明」が歴史から姿を消してから約1万2千年。最近の人々の意識の変化を見ると、高度な精神文明が、宇宙の営みによって再び「マワリテメクル」時代がもうすぐやって来るような気がしてなりません。

筆者紹介

 
本 名 田尻 成美 (たじり しげみ)
略 歴 著述家・株式会社エランビタール代表取締役
著書 「しあわせのコツ」(幻冬舎)
主な訳書「都市革命」(H・ルフェーブル著 晶文社)、
「空間と政治」(H・ルフェーブル著 晶文社)、
「文体論序説」(M・リファテール著 朝日出版社)
比較文化的視点から、日常の出来事をユーモアを交えて考察していきます。
著 書 「しあわせのコツ」(幻冬舎)



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