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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第104回)

by staff on 2021/11/10, 水曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第104回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

ジャック・アタリはフランスの思想家。欧州復興開発銀行の初代総裁を歴任。世界の政治・経済・文化に精通し“ソ連の崩壊”“金融危機”“テロの脅威”などを的中させました。民主主義国の民意は瞬時に急変しえること、昨日選ばれた指導者が今日は見捨てられることも。人間の強みは知的好奇心で、アイデアの秘訣は執念。事故はすべて想定外で、コロナ苦境にある産業の一つが観光。この産業が培ってきたのが歓待・気働き・扶助などのホスピタリティ。コロナ後の産業世界ではホスピタリティこそが生命線。ホスピタリティの土台は人間性だけでなく、日本文化が体現してきたノウハウ熟成という宝物。このノウハウの応用は、企業・病院・介護・学校などにも今後大きく貢献。ホスピタリティはテレワークによる帰属意識の希薄化を弱め、場の雰囲気を通じた忠誠心や生きる意欲を高揚させたりすることも。冤罪を見抜くのに必要な力は総合的な人間力とか。“無駄な情報は捨て、たくさん考えないこと。長考に好手なし”と棋士・羽生善治。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

魚は水がなければ死 水は魚がなくとも水、の例え
進化し続けたいと思えば 水の如く謙虚になること
危機を凌ぐよりも回避 何よりも予感・予知・予測
マルクスはマルクス マルクス主義者にはならない

マルクスはドイツ出身の哲学者・経済学者。以前、ロンドン出張の折、大英博物館を訪れる機会があり、そこで見たマルクスの直筆原稿に感激。マルクスは、ロンドンでは庭もない二間暮しの生活。この安宿に住みながら大英博物館に通い“資本論”を書きあげたことは有名。食事代にも事欠き、朝食のパンをポケットにくすねて、それを昼食にして博物館で資本論を書き続けたとか。安心して弱者になれる社会を夢想して。“自分を飾ることに興味はなく、芝居に何が大事かだけを考えてきた”と女優・山田五十鈴。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

四〇年前の仕事の仕方で今の仕事をやれば 生産性は世界の最下位
モノの経済から心の経済、育ちを重視 弱みは使い勝手とデザイン
日本語は露骨・率直・バカ正直を拒否 欧州はあいまいさを嫌がる
パズル・数独をやるより、現役で働く高齢者の脳の働きが一番高い

“バルセロナとチームジャパンでやることは同じ、質が違うだけ”と語るのは元日本代表監督・オフト。40年前の仕事の仕方で今の仕事をやれば、生産性は世界の最下位レベル。モノから心の経済へ、ポイントは使い勝手とデザイン。日本では、サービスの質が高すぎて、どんどん効率が悪くなるという矛盾。今までの常識は非常識で、日本の常識は非常識なのかも。好奇心は道草でもあり、夢は生きるために必須のリハーサル。”見た瞬間は画面に吸い寄せられそうになるが、創作過程は極めて論理的“と画家・東山魁夷。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

昨日の専門家かもしれないが 明日の専門家とは誰も保証されない
民俗誌は文化人類学や社会学のフィールドワーク手法 根を肥やす
道具は外国製 運用するのが日本人なら日本式 マニュアルの効用
文脈に即した判断 正しい解答ではなく、正しい人間を探し求める

“社会が底の方から大きく変貌している”との視点。昨日の専門家かもしれないが、明日の専門家とは保証されない世界。その渦中で“マニュアル”ないし手引書の全盛時代でトリセツの時代に。だけど、最後はスキルより読みの鋭さ。運命も一つのプレゼント。裏切られて自由を拘束される哀しみも。最終的に大事なのは、正しい解答ではなく、正しい人間を探し求めること。失敗を覚悟すると心は軽くなるもの。“科学の領域を飛び越えないと人間はわからないし描けない”と精神科医・作家の加賀乙彦。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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(第104回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

 

 

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