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ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第110回)

by staff on 2022/5/10, 火曜日

大浦総合研究所 代表/大浦勇三

ビジネス梁塵秘抄「遊・献・学」(第110回)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ

- 梁塵秘抄 -

“サーチング(Searching)からセンシング(Sensing)へ” は2000年代初頭の米国ナレッジマネジメント・シンポジウムのコンセプト。ピカソも生前“探し求めない。感じて掘り起こす”と語っています。先日、東京・日本橋高島屋で “メゾン・エ・オブジェ・ パリ展”が開催されました。テーマは “デザイン・ダイアローグ”。ビジネスの世界でもデザイン経営という言葉が注目されていますが、キーになるのはデザインを通じた多様な対話。フランス人デザイナーのシャルロット・ペリアンの哲学は“選択・伝統・創造”。現代のビジネスにもそのまま通用しそう。生きていくために必要なものはそれほど多くないこと。心地よく強靭で馴染みやすいこと。日本ではデザイナー吉岡徳仁が2012年にデザイナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれています。結晶の椅子やガラスの茶室でも有名。ポジティブ思考とネガティブ思考の混合。異質と異質の融合。恐いのは年齢の定年ではなく能力の定年。“初めの少しの歪みが後には大きく歪む” と剣豪・宮本武蔵。

“遊びをせんとや生れけん” 「遊」

貧しさは、必ずしも恥かしいことではない という生き方を浸透させる
変化のスピードがものすごく速く 生物的進化では追いついていけない
情報収集と情報共有を急ぐのはいいが 時には情報遮断も有効と心得る
ルールは自分で創ると役立つ 教わるものは既に浸透済で効き目が薄い

“巨大な環境変化が生物の迅速な進化を引き起こしている” とのレポート。ダーウィンの進化論は “生物は長い時間をかけて徐々に進化してきた” と提唱。しかし、都市化という急激な環境変化により、生物も迅速な進化を余儀なくされ、都市は生物の進化の実験場に。ロンドン地下鉄に住む蚊は通勤客の血を吸いながら年間を通じて活動、しかも路線によって遺伝的相違もあるとか。環境が人間世界を攪乱。“暮らしの手帖:33台のトースターの性能テストで食パンを40000枚焼いた” とジャーナリスト・花森安治。

“仕事をせんとや生れけん” 「献」

特許を敢えてとらなくとも 簡単にはマネされないものをつくる
仕事によってノウハウは異なる 本質は総力を動員して追求する
イノベーションは 供給側と需要側との共同体作業・連携プレー
傷だらけになっても獲物を狙う執念 これがあれば喰っていける

“脱皮できない蛇は滅びる” といわれます。アリストテレスは古代ギリシャの詩作(創作芸術全般)の本質が模倣・真似であると主張しました。論語では、時代に応じて学び直すことこそ学問と述べられており、継続的な学びからこそ創造が生まれるとの真髄。人間が人・物事を模倣したり、それによって学習したりするのは人間の本性に根ざした自然な性向かも。この世の森羅万象は何にでも変容し新たな価値を創出。“知的労働においては時間の活用と浪費の違いは、成果と実績に直接現れる” とピーター・ドラッカー。

“学びをせんとや生れけん” 「学」

強者は水に石を投げた時の波状的影響力 弱者は石に水をかけるが影響はなし
ラスベガスの役者は息が長い テレビの露出が少なく訓練に時間をかけられる
成功者の共通点は勤勉のただ一点のみ プロは、無駄なボールを振らないもの
学問をバカにしてはいけない 迷ったり悩んだりした時は、大きな支えになる

“脳みそから血が出るほど考えろ” といわれることがあります。“問題を提起できる総合力” こそ命。自発的なセンシングや物事の本質を探究するといった知的活動の根源となる意志の醸成。動物の行動・戦略には“直線的論理” と “逆説的論理”。新たな知識やスキルを身につける学び直しは、行動・戦略の選択肢を増やし、生きる幅を広げることにつながるはず。“才能”の差は僅かでも“行動” の差は少し広がり “継続” の差は圧倒的に拡大するとか。“弱いのが恥でなく、その弱さに徹しないのが恥” と作家・島崎藤村。

「遊びは仕事、仕事は遊び」
「仕事は学び、学びは仕事」
「学びは遊び、遊びは学び」

今回とりあげた「遊・献・学」それぞれの4行文は、拙書「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)及び「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」(全10巻)から抽出したものです。次回以降も「遊・献・学」から各々4行文を一つずつ抽出してご紹介していきたいと思います。

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http://www.syplus.jp/ooura/

(第110回了)

 

大浦勇三(おおうら ゆうぞう) プロフィール

大浦勇三(おおうら ゆうぞう)  

大浦総合研究所 代表 (http://www.ne.jp/asahi/oura/ohura-research-institute/

石川県七尾市出身。
早稲田大学卒業、筑波大学大学院修了。
米国経営コンサルティング会社 アーサー・D・リトル 主席コンサルタントを経て現職。
主担当領域は、経営改革/企業再生、経営戦略/情報通信技術戦略策定、業務改革/組織改革、研究開発/商品開発マネジメント、マーケティングマネジメント、ナレッジマネジメント、イノベーションマネジメント、サプライチェーンマネジメント、人材マネジメント、コーチング/メンタリング、プロジェクト/プログラムマネジメント、ベンチャービジネス支援等のコンサルティング。

筑波大学大学院講師、城西国際大学客員教授、名城大学講師、産業能率大学講師、中小企業大学校講師などを歴任。

主な著作物:

  • 「続・ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「ビジネス梁塵秘抄(一)~(十)」<全10巻>(大浦総合研究所:PDF版)
  • 「イノベーション・ノート」(PHP研究所)
  • 「ITプロジェクトマネジャーのためのコーチング入門」(ソフトリサーチセンター)
  • 「図解 日本版LLP/LLCまるわかり」(PHP研究所)
  • 「IT技術者キャリアアップのためのメンタリング技法」(ソフトリサーチセンター)
  • 「よいコンサルタントの見分け方、かかり方」(清話会)
  • 「日本のモノづくり - 52の論点」<共著>(日本メンテナンス協会)
  • 「現場主導型の組織運営とスピード戦略」(日本監督士協会)
  • 「eコミュニティがビジネスを変える」<訳>(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメントが見る見るわかる」(サンマーク出版)
  • 「図解 ナレッジ・カンパニー」(東洋経済新報社)
  • 「ナレッジマネジメント革命」(東洋経済新報社 )
  • 「図解 グローバル・スタンダード革命」(東洋経済新報社)
  • 「業務改革成功への情報技術活用」(東洋経済新報社)
  • 「情報化戦略と投資評価・システム運用管理の実際」<編著>(企業研究会)
  • 「会社改革実務辞典」<共著>(産業調査会)
  • 「プロジェクトマネジャー(PM)の育成・スキルアップのためのメンタリングの進め方と実践法」 (ソフトリサーチセンター:CD-ROM版)   など

 

 

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