ゆるマナー講座(第85回) 想いを乗せて紡ぐ言葉
マナーアドバイザー/フレアLLP 岡田 承子
読書が好きです。
本屋さんも好き。たくさんの本の中から面白そうなものを見つける楽しみ。ワクワクしながら過ごせる場所であり、ひと時でもあります。
ヨレヨレでもある本の価値
でも最近はもっぱら図書館に行くことにしています。一番の理由は、読んだ後の処分に困るから。どうしても手放せないものは本棚に残すけれど、ほとんどがリサイクル用の段ボールの中に入れることになります。今まで何度かまとめて引き取ってもらえるリサイクルサービスも使いましたが、段ボール一杯に溜めるまでが大変だし・・・ということで、図書館通いを始めました。通勤時の持ち運びを考えると単行本は重すぎるので、ほとんど文庫本になってしまうので、最新のものを手にすることはできません。読まれて読まれてヨレヨレ感のあるものもたくさんありますが、書いてあることに変わりがあるわけではないので気になりません。
しかし、世の中には読んだことのない本がなんと溢れていることでしょう。例えば、日本で2020年に発行された新刊書の点数は、年間68,608点(出版科学研究所)だそうです。一日当たりでは188点もの新しい本が出ているということになります。毎年それくらいの数の本が発行されるのですから、私が読むものなど氷山の一角にすらならないのです。
発行された本のすべてが売れるわけもなく、売れ残ったものは最終的には断裁、いわゆる処分されることになるようです。そういうことを考えると電子書籍のほうが無駄がないのは間違いないのですが、手に取って一枚一枚頁をめくる紙本の良さはとても捨てがたく、紙本はずっと残ってほしいなと個人的には思っています。
面白さの理由
本の面白さは、例えば小説なら、ただ文字を追うのではなく、その中に入り込んで、あたかも自分が登場人物になったように感じることができることです。見たことも行ったこともない世界でも、その場を、雰囲気を想像し感じ取り、自分だけでなく他の登場人物も作り上げながらストーリーを読み進んでいけます。
何故そこまで本の中に引き込まれるのか。それは作者の緻密な調査や書きたいという思い入れ、そしてそれを言葉に乗せて読者に届けようとする言葉選びの数々に魅せられるからではないかと思います。ワクワクしたりドキドキしたり、切なくなったり懐かしくなったり、読む側の心を大きく動かすのが、文字として紡がれる言葉。
言葉には魔力があります。時にそれは心地よい響きとなって、時にそれは人の心を傷つける凶器ともなりうる、そんな深い力があるのです。
紡ぐ言葉の選び方
自分の気持ちを表わすのに、同じ短い言葉でも、俳句や短歌のように決められた文字数の中に自分の心の内を込め長い時間を経ても感動を呼ぶものも、SNSでつぶやき誰かを攻撃するものも出てきます。
どのような言葉を選ぶか、どのような使い方をするのか、それは人それぞれですが、毎日使うものだから、受け取る側が傷つくことのない言葉選びができるようになりたいものだと思います。そしてできれば、誰かの心に優しくさり気なく残るような言葉を紡いでみたいものです。特に誰かに届けたい想いは、花束を贈るような気持ちで。
さて、これからもう暫く続くであろう人生の中で、どれくらいの心動かされる本に巡り合えるか、感動する言葉に出合えるか、私の楽しみは尽きません。
筆者プロフィール
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岡田 承子(おかだ しょうこ) 携わる。現在は、自治体、企業での接遇研修や、NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師として大学で指導をしている。 |
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柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ) 座を行っている。NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師。 |
本の紹介です |
「ゆるマナー 始めましょ」 |
ヨコハマNOW 動画
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ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
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