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2014年5月 三ツ池だより 「緑のなかで!」

by staff on 2014/5/10, 土曜日
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 おうす風珈琲を知っていますか。お茶の碗にコーヒーが出てきます。お茶が茶筅(ちゃせん)でよく撹拌されて泡立ちしているように、珈琲が出てきます。一見軽い感じのあじでしたが、碗の口あたりもよかった。あるいて疲れたあとのおうす風コーヒーはなぜか時間を忘れさせてくれました。初めてでした。不思議な御縁の日でした。色紙を包んだ新聞紙にそれはあります。吉兆を告げる音鳴り響く釜のことで、湯を沸かす時に吉兆を占うという記事がありました。私はこの記事を今年の一月五日の新聞で読んでいたのです。出先でこの記事の載った新聞紙が色紙の包み紙になったのです。釜で沸かしたお湯が頭にあって、北鎌倉で立ち寄ったお店におうす風珈琲があったことでした。甘味処紫穂の里です。おうすとは薄茶ことで、薄に丁寧語で「お」をつけることのようです。お抹茶にはお薄とおこい茶の二通りの飲み方があるということです。

 五月という月が大型連休のあるということで、旅というイメージとつながります。そのせいか、仕事のうえではなにか落ち着かないところがあります。また五月の節句ということで、出世の鯉である、広島カープが注目されます。今年は本物の力の発揮のようで、首位が続くのではないでしょうか。消費税が8%に上がって、心配されましたが、今回はいつもとパターンが違うような気がします。景気が政府のてこ入れがあるとはいえ、堅調に推移するように思います。いろんなことが言われますが、「出さなければいけない負担はお互いさまなので、負担していこう」という日本人の伝統があるように思います。あの人が言ってるのならば従ってみようというところです。しかしながら危ない橋を日本は渡っています。

 先日中小企業家同友会川崎支部主催のビジネスリゾート24の中で藤沢久美さんの出版記念講演がありました。「金融資産から知恵資産」の時代になってきて、これから日本は独自性が出せる。自助努力している姿こそが大事なのだと話された知恵資本とは何か!①知識資本 ②関係資本 ③信頼資本 ④評判資本 ⑤文化資本 知恵が十分に資本になりえる時代に入ってきている。社会貢献しながらビジネスをしていく。人を大切にしていくのだ。この社会の姿は輸出していけると力説されていました。

 五月はまさに眠ってはいられない月なのですね。新しい年度がはじまって具体的に動き始めた月です。したがって、旅に浮かれてばかりはいられないのですね。いや、旅は旅、緑に接し、珍しいものに触れてみる、このことがこれからに生きてくるのですね!

 五月の句を見てみよう。

山吹や笠に挿すべき枝の形
松尾芭蕉
わが旅の信なけれども聖五月
富安風生
老木に紅さす楓若葉かな
原 石鼎
日が照れば登坂道鯉幟
水原秋櫻子

 旅をしていても驚くのは鯉幟がほとんどみあたらないことです。

虹を吐てひらかんとする牡丹かな
与謝野蕪村
朴の花暫くありて風渡る
高野素十

 なるほどと共感するほどに身をそこに置いておく機会がなくなっている。旅先で私は次のように句を詠みました。

「人間この未知なるもの」と竹の秋
横須賀詢
りきみなし混沌のなかの春の宿
横須賀詢

 旅のなかの出会いに感動があった。これがなかなか句に詠みきれないのですが!

 山里の傾斜した用水路に勢いよく水が流れているのである。新しい水車がつけられている。藁葺きの古民家にいるおばあちゃんたちのお顔がいいのである。穏やかなのです。お茶をだしてくれ、沢庵を出してくれる。そこは笛吹市芦川町です。石和温泉から河口湖へ抜ける峠の山里です。統合前は芦川村と呼ばれていました。ここは桜が咲き、山吹が咲き、苧環が咲き、山がさまざまに色を染めているのでした。目線を上げるとあちこちに山桜が色をそめているのでした。農業で自立している姿がそこにありました。

 日々の生活は私たちにとって生産という名のもとにあります。生きていくためだと言われています。しかしながら自然と共生していく生活を見捨てていくことが文化なのであろうか。競争に勝たねばいけない。売られた喧嘩は勝たねばいけない。それらは何を意味していくのでしょうか。黒船を迎えて日本は西洋文化のおかげで近代化してきました。もの凄い対応力であったように思います。この活力は日本の歴史のどこに育まれてきていたのでしょうか。世界から恐れられてきた日本は、西洋文化のおかげで育てられながら、そこを超えようとしたのだ。他文化に対して感謝するだけで生き残れないのだろうか。近江商人の三方よしの考え方ですすめていくとしたら、日本は世界を相手に何をすることになるのだろうか。基本から考えてみることが求められている。

 旅の終わりに5月がやってきた。さあ新しく査定した計画の実行が迫られている。物語にし、実行していく時をまず楽しみたい。演じる役をいただけたことに感謝していくのだ。こんにちは五月!ありがとう五月!そして日本は緑を大事にする国であり続けるのだ!

 

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(文・写真:横須賀 健治)

横須賀 健治プロフィール

メジャーテックツルミ 代表取締役
はかることのプロとして50年です。
食品の放射能測定のアークメジャーを設立しました。
「計量から見える幸せ」をライフワークにしています。

 

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